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テーブルの「幕板」について知る

2023.9.6

 

 

テーブルという家具は基本的に「天板」と「脚」で構成されています。

天板や脚の形状がどうあれ、その組み合わせは(一部の例外を除いて)不変です。

他に部材やパーツが装備されているとすれば天板下に引き出しやトレイが付属しているケースが思い当たりますが、それ以外にテーブルによって「有り」「無し」が分かれるものがあります。

それが「幕板(まくいた)」です。

 

幕板とは


 

 

幕板はテーブル天板の裏、つまりすぐ下に取り付けられている板材のことで、主に脚と脚の間に取り付けられているものを指します。

この「幕板」は多くのテーブルで見られるディテールですが、必ず付いていなければいけない、というものではありません。

 

幕板はなぜ付いているのか?


 

 

元来、幕板には大きく3つの機能があります。

まず「強度を高くさせるため」です。

例えば幕板が無く、天板と脚を直接固定しているテーブルの場合、この固定=接続している部分に負荷が集中することになります。

さらに脚が細いデザインのテーブルの場合は接する面積がさらに小さくなるため、固定部分にさらに負荷がかかってしまいます。

そこで天板下及び、脚と脚の間に幕板を入れることで天板と脚を固定する箇所=面積が増え、結果として強度が担保されるというわけです。

2つめは「隠すため」です。

「幕」というくらいですから、その目的が何かを隠すことにあることは明白です。

この場合、テーブルと脚の接合部となる金物部を見えにくくするため、あるいは無垢材テーブルであれば天板裏の反り止めを、文字どおり隠すための役割を兼ねています。

最後は「天板が無垢材の場合は反り止めを兼ねたものとするため」です。

無垢材というものは、その特性上、温度や湿度によって伸縮します。

後述しますが、材料の乾燥やテーブルの製作過程において、その「動き」を最小限に抑えることはできますが、それには非常に大きなコストと手間を要します。

また、それ自体が難しいものでもあり、そのようなコスト・手間・技術を用いずに無垢材テーブルを製作するためには天板裏に木材や金属で「反り止め」を取り付けるのです。

そして「木の動き」をさらに抑制する効果を狙い、幕板を天板に固定するのです。

 

幕板があることで起こりうることとは


 

 

こうして見てみると、幕板があることは様々なメリットがあるように感じます。

それは間違ったことではありませんが、同時にデメリットが発生することも忘れてはいけません。

それは幕板の高さの分だけ、天板下の有効スペースが狭くなってしまうということです。

つまり、床から天板までの高さが幕板の分だけ低くなることを意味します。

このことでまず考えられることは「肘掛け付きの椅子(アームチェア)」がテーブル下に収納しにくくなる、ということです。

特に「フルアーム」「ロングアーム」と呼ばれるような座面の先端まで肘掛けがある椅子の場合は、そのアームがよほど低い位置に設計されていないと(ただしそれでは肘を置きにくくなる)アーム部分が幕板に当たってしまい、椅子の出幅が大きいものになってしまいます。

単純に言えば「椅子が入らない」状態であり、この場合、自分が本当に気に入った椅子を選ぶことができない可能性もあります。

他にもテーブル下が「低い」ことで着座時に足を組んだ時に幕板と自分の足が干渉してしまうこともあります。

 

幕板無しの無垢材テーブルを作るために


 

 

では、特に無垢材テーブルにおいて「幕板無し」のものを実現させることは可能なのでしょうか?

答えは「YES」です。

無垢材天板でありながら幕板が無くとも強度を担保し、木材の動きを抑える方法はあるのです。

まず、幕板無しでも特に脚と天板の接合部に強度を持たせるためには、天板と脚の接合にレッグジョイントなどの金物を使用する方法があります。

亜鉛ダイキャスト製のレッグジョイントを天板側と脚側に凹凸の金物を埋め込み、ボルトで固定します。

この様な専用金物を使用することで幕板がなくとも、接合部の強度を保つ事ができます。

さらに天板から脚の取外しが容易なため、天板と脚に分解して(=ノックダウン)搬出入が容易になるというメリットも生まれます。

木材の動きについてはどうでしょうか?

これは原木を製材し、乾燥する過程で長い時間を掛けて丁寧に材を乾燥し、材の内部に含まれる水分量=含水率をコントロールすることで解決を図ることができます。

しっかりと丁寧に乾燥した材はいわゆる「木の動き」が出にくいため、反り止めがなくともテーブルとして十分に機能します。

ここは無垢材テーブルを検討するうえではひとつのポイントにもなりうる点です。

乾燥の工程は時間が掛かり、コストも手間も技術も要する作業です。

幕板が無い無垢材テーブルは丁寧なもの作りを行うメーカーによって作られているといって良いでしょう。

 

 

幕板が無いことはテーブルの見た目をスッキリさせるだけでなく、使い易さを追求できるということで私ども家具蔵でも、それを実現させるために自社仕入れの原木を自然乾燥のほか、機械乾燥も行いながら時間と手間をかけて家具材とします。

天板の接合は上からの荷重やパーツのずれを防ぎ、抜群の強度が生まれる「フィンガージョイント」を用いながら天板と脚はレッグジョイントで接合させ、強度と木の動きの抑制を両立させています。

すべては美しく、使い易い無垢材テーブルをお届けするために。

テーブルの幕板の有無は家具メーカーの考え方やコンセプトにより様々ですが、なぜ幕板が付いているのか、あるいは付いていないのか、そのメリットとデメリット、そして理由をきちんと理解し、自分の暮らしにマッチするのかをしっかりと検討することが、テーブル選びの大切なポイントとなります。

テーブル選びに悩まれた際は、お気軽に最寄りの家具蔵までご相談下さい。

最高のテーブル探しのお手伝いをいたします。

 

家具蔵の無垢材テーブルのラインナップはこちらから

 

 

 

 

 

 


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