一枚板には無垢材の魅力が凝縮されている
2023.9.21
無垢材は住まいに快適さをもたらす
無垢材の「無垢」は「純粋」や「そのままの」といった意味のある言葉です。
つまり無垢材とは、木から切り出したそのままの木材ということになります。
無垢材には人の生活に対して安らぎを与える多くの魅力が詰まっています。
例えばその非常に低い熱伝導率は、室内においても温度の影響を受けにくく、オールシーズンで不快感が無く使い続けられるということにつながります。
ギラギラと暑い夏の日、または凍てつく寒さの冬の日を想像して、屋外に金属製のベンチと木製のベンチがあったらどちらに座るでしょうか。
金属は熱伝導率が高いので、非常に熱くなったり冷たくなったりしますが、対して木材はそんなことはありません。
また、無垢材は調湿作用に優れます。
無垢材はその内部に細かい沢山の「穴」があり、その構造を「多孔質」と呼びます。
この穴が、空気中の湿度が高い時には湿気を吸い、逆に湿度が低い時には湿気を吐き出すことによって、部屋の中の湿度を適度に保ってくれます。
湿度を保つことによって細菌やカビの発生を抑制する、自然の除加湿器になるのです。
目にやさしく、香りで癒す無垢材
そして、無垢材には色や木目、表面の凹凸による視覚へのポジティブな作用があります。
木材の断面に現れる模様である木目や色味の濃淡には「1/fゆらぎ」という自然界のリズムとでも言うべき現象が見られます。
これは例えば人や動物の心拍のリズムやそよ風による木々の揺らめきのリズムなど、あらゆる場所に存在し、私たちに本能的な安心感をもたらしてくれるといわれています。
また、表面の微細な凸凹が強い反射光を抑えて、目に優しい色味になるともいわれています。
香りがもたらす心地よさも見逃せません。
森林浴という言葉があるように、木の香りを嗅ぐと何となく心地よいと考える人は多いのではないでしょうか。
ヒノキ風呂に入ると、その香りだけで日頃の疲れが飛んでいくような気にさえなります。
このような木の香りが持つリラクゼーション効果は、木が発散しているフィトンチッドという物質が理由です。
これは木が昆虫や細菌といった外敵から自らを守るために放出している物質ですが、人間にとっては心身のリフレッシュ効果が有ることが分かっています。
無垢材が身近にある暮らしは住まいの快適性を高め、同時に身体にも良い影響をもたらします。
何十年と使い続けることが可能な堅牢性とメンテナンス性
木が何十年、あるいは100年もの歳月をかけて大きく成長した樹体を伐り倒し、それを板状に加工して乾燥させたものが無垢材です。
長い年月をかけて非常に高い密度で育った材は堅く、簡単に割れたり朽ちたりはしません。
たとえ表面が傷んでも、削り直しをすれば見事に甦り、メンテナンスを繰り返すことで何世代にもわたって使い続けることができる素材なのが無垢材であり、確かな技術や無着色仕上げでつくられた家具=無着色仕上げの無垢材家具は、世代を超えて使い続けることも可能です。
一枚板は無垢材と無垢材家具のすべてを体現している
このように挙げてきた魅力をたくさん持った無垢材で製作するのが無垢材家具であり、無垢材を用いたテーブルは「無垢材テーブル」と呼ばれます。
その中でも、一枚板はまた特別です。
一枚板は木という素材の美しさ・奥深さ・芸術性が全て備わっているものであり、同時に無垢材家具製作の工程における各メーカーの姿勢や実力が如実に表れます。
それはまさに「無垢材」を体現していると言っても過言ではありません。
テーブルとして使うことのできる幅の一枚板になるために、木は100年以上の歳月を要します。
また、木の板は原木から取り出したそのままでは水分を非常に多く含んでいるので乾燥の工程がたいへん重要です。
私ども家具蔵でも製材された板は家具蔵の自社工場のある茨城県常陸大宮市の豊かな自然の中で、光や風にさらされながら、自らに蓄えた水分を発散します。
含水率が12~13%になるまでゆっくりと自然乾燥させるなかで、この期間は板と板との間に桟棒を入れ積み重ねて保管します。
これは板同士が残った水分で腐ったり、乾燥度合いにばらつきが出たりしないようにするためです。
さらに、木が現代人の気密性の高い室内で、エアコンや床暖房などにさらされることを考慮し、含水率が6~7%になるまで機械乾燥と養生をおこないます。
1本の原木から1枚も一枚板が採れないこともよくあることです。
グレードの高い大木を選び抜き、手間暇をかけて愛でるように、磨くようにして、あの美しい木肌が生まれまるのです。
それまでには想像を絶する時間と手間が必要となり、同時に高い技術を要します。
一枚板とは、いわば「無垢材家具の中の無垢材家具」ともいえる存在であり、無垢材テーブルの最高峰に位置します。
調湿性や香りの効果などの無垢材の魅力にあふれるのは勿論、木が100年以上の歳月をかけて育ったその軌跡を感じられるという点も一枚板の魅力です。
家具蔵では一枚板ギャラリーを首都圏3か所に展開し、世界中から原木の状態で仕入れた銘木の一枚板を展示しています。
一枚一枚が非常に希少な一枚板。
是非各店舗にて実際にご覧になって、その存在感を感じてみて下さい。
スタッフ一同お待ちしております。
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