「使い易い」一枚板テーブルとはどのようなものか?
2023.9.27
目次
毎日使うものは良いものを選びたい、というのはある意味当然の心理です。
「良いもの」の定義はその人それぞれの感性によっても分かれることでしょう。
そして世間で「良いもの」とされているものは長く愛されてきたものという見方もできます。
長く愛されてきた理由を探るとそこに共通するのは「使い易い」ということです。
使い易いという定義と感覚
「使い易い」を定義する場合、それがどのような分類に属するものかで多少変わってきます。
例えば家電であれば操作性、ファッションであればTPOを選ばない、日用品であれば手に馴染む・使用時に違和感がない、などでしょうか。
そこで家具において「使い易い」を定義した際には「過度な重量を感じない」「扉や引き出しの位置・数が適切で開閉も容易」といった実用面から「自身の住まいに合っている」「住み替えがあったとしてもどのような空間にも合う」と、いくつかの要素から語ることができます。
そのうえで「使い易い」といういわば感覚的なものに由来する表現は「これは使い易い」「これは使いにくい」と厳格に線引きされるものではなく、その人の事情や感性において「使い易い」と感じていればそれで良いという側面はあります。
同時に、仮に使いにくいものでもその不便を楽しむ、例えばアナログなものを愛好するといった人もいるという多様性こそが、様々な楽しみ方を生むことになっていることも忘れてはいけません。
一枚板テーブルも使い易いものを選ぶ
そこで一枚板テーブルです。
無垢材でつくられる「無垢材家具」はそのカテゴリーごとに「無垢材〇〇」と名前が変わります。
テーブルであれば「無垢材テーブル」です。
その無垢材テーブルの中でも際存在感を放つのが「一枚板テーブル」と言えます。
樹齢約100年、もしくはそれ以上の年月を生きた大木の表情を余すことなく表現する一枚板天板。
その天板でつくるテーブルは、どのような天板を使用するか、それを選ぶことができる「楽しみ」を持っています。
どのような天板を選ぶかで、そのテーブルを使用する場の雰囲気も大きく変わるでしょう。
また、その天板選びは様々な観点で行われるはずです。
憧れの樹種がある、絶対にこの杢が入っているものでなければ、といったこだわりからサイズなどの実用面や価格を第一に考える人もいます。
同時に覚えておいてほしいのは、今選んでいるものは飾ってあるのを見て楽しむものではなく、実際の食事や作業、つまり毎日の暮らしで使うためのものだということです。
貴重な一点ものである一枚板天板でもそれは変わりません。
そこにはやはり「使い易さ」は欠かせないはずです。
実際のスペースとのバランスが使い易さを生む
では実際に使い易さをふまえたうえでの一枚板天板選びは何を重要視するべきでしょうか。
第一にサイズが空間に対して適正か、と使用する際に狭く感じないか、は言うまでもないところでしょう。
一枚板テーブルに限らず、ダイニングテーブルは空間に対してある程度のスペースは必ず占有します。
そこで大きすぎるものは周囲の回遊や椅子の出し引きを不便にし、それは「使いにくいもの」となると言わざるをえません。
そのうえで実際に使用する際に狭く感じないものを選ぶ必要があり、そのバランスの取り方は家具販売店などで客観的且つプロの視点に頼ることで失敗も少なくなります。
軽視してはいけない「奥行き」
狭く感じない=快適に過ごすことができる、あるいは食事や作業の際に窮屈感がない、という観点が「使い易い」に繋がるのであれば一枚板天板を選ぶ際には「奥行き」を軽視してはいけません。
一枚板天板はこの「奥行き」の点で一般的なテーブルよりも「細い」ものが多いのです。
これは一枚板天板が高樹齢の大木からしか確保できないという事情によるもので、一枚板天板の奥行きはそのまま木の太さといっても良いものです。
もちろん、その樹種によっては細い樹径にしかならないものもあるのですが、樹齢が高くなれば太い木になるなかで、そのような高樹齢のものは特に人気樹種ほど少なくなっている現状はあります。
だからといって、あまりに奥行きが細い天板を選ぶと、実際の作業や食事の際のスペースが確保できないことや、対面した人との距離が近すぎて落ち着かない、といったこともありえます。
対面した際に確保しておきたい互いのスペースは80cm程度と言われており、できれば最低でもその程度の奥行きのある天板を選びたいところです。
一枚板天板の形状はできるだけ真っ直ぐに近いものを
次に形状も忘れてはいけません。
一枚板天板は、木のそのままの形をテーブルにするものであり、皆さんも知っているように、木には様々な形状があります。
真っ直ぐ空に向かって伸びているものばかりではありません。
それこそ真横に向かって伸びていくものや幹が二股に分かれるもの、波打つような樹形も穏やかなものから大きく激しいものまで様々です。
一枚板天板は、それらの特徴的な形状や自然が生み出した有機的な曲線の連続、不均等性こそがその大きな魅力です。
それらが芸術性を持って人々を魅了するわけですが、同時にあまりに特徴的な形状は使い易さを損ないます。
空間に対しても悪い意味での存在感が増幅し、全体の雰囲気をちぐはぐにしてしまう可能性もありえます。
その形状が魅力的な一枚板天板であっても、できる限り直線に近い形状のものを選ぶことが本当の意味で使い易いものとなりえるはずです。
繰り返しになりますが、使い易いという感覚は人によっても異なり、その使いにくさや不便さを楽しむことを良しとする人もいます。
一枚板テーブルにするための一枚板天板選びには不正解はありません。
ですが、使い易いものを選ぶことができれば、その愛着はさらに高まり、毎日の食事や作業もより楽しくなるはずです。
家具蔵ではそのような一枚板天板選びを豊富なストックと知識でお手伝いしています。
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