ダイニングセットは「椅子から決める」理由とは
2023.10.15
目次
一般的な「ダイニングセット」の購入方法
いわゆる「居心地の良いダイニングスペース」を獲得するためには、ダイニングテーブルとダイニングチェアの選び方において大切なポイントがあります。
それは「ダイニングチェアを先に決定させる」ことです。
ダイニングテーブルを使用するにあたって、ダイニングチェアは必須とも言えるものです。
テーブルとチェアを同時にセット購入する「5点セット(テーブル1台+チェア4脚)」も有名で「このテーブルを選ぶとこの椅子がセットで付いてくる」というシステムに則って家具を購入する人も多々います。
5点セットはテーブルとチェアのお互いのデザインの共通性があり、高さのバランスや収まりなども確実なので安心した買い物となるという考えも確かにあるでしょう。
この購入方法は決して間違いではありません。
ダイニングチェアから選ぶとどのようなメリットがあるのか
しかし、本当の意味でダイニングスペースを居心地の良い場所としたいのであれば、そのような「セット購入」という観点を一度捨て、それぞれを別々に選ぶことが重要です。
そして、テーブルを先に決めるのか、あるいはチェアを先に決めるのか、という点においては「ダイニングチェアから選ぶ」ことをお勧めします。
これによって、ダイニングスペースの居心地は飛躍的に向上し、疲れにくく、長い時間をリラックスして過ごすことができる場所となるのです。
先にダイニングテーブルを選ぶのでなく、ダイニングチェアから選ぶとどのようなメリットがあるのでしょうか?
各々座り心地の良いチェアを選択できる
チェアを選ぶ際にはそのデザインもさることながら「座り心地が良いか」という点は、当然のことながら大切なポイントになります。
そして、その座り心地の良さの基準は家族や一緒に暮らす人それぞれに異なるものです。
誰かひとりが座り心地が良いと感じるチェアがあったとして、他の人も同じように感じるとは限りません。
性別・体型、そしていわゆる「座り癖」などで感じ方は異なります。
また、それぞれがそこで行う作業や過ごす時間も異なるかもしれません。
食事をとるのは大前提として、その前後でも長時間着座しているのか、基本的に立ち座りが多いのか、といった部分でも選ぶべきチェアは変わってきます。
その結果、複数のチェアの組み合わせがすべて異なるものになってしまうこともあるでしょう。
それでも問題は無い、とここでは言ってしまいます。
当然そこには好み(この場合はデザインが揃っていること)も反映されてしかるべきですが、仮にデザインが揃っていなくても色合いや樹種が揃っていれば、違和感は無いはずです。
どうしても統一感に不安があれば高さなどを揃えることで違和感は緩和されるはずです。
家具は暮らしのための道具である一方、インテリアのひとつでもあります。
そこでは見た目を重視し、デザイン先行で選んでしまいがちですが、ダイニングチェアは実際に座って試すことをおすすめします。
見た目の良さだけでは見えてこない「自分に合うか合わないか」という点が「座る」という行動の中ではその場の居心地、疲れにくさ、ひいては健康までも左右します。
チェアに座らなければテーブルは使用できない(あるいは使用しづらい)わけですから、せっかくであれば座り心地の良いチェアに皆が座って欲しいものです。
それぞれに座り心地の良いチェアを選ぶことがテーブル選びよりも優先される理由は、まずここにあります。
チェアの座面高に適した高さのテーブルを選ぶことができる
座り心地の良いチェア、というのは長く着座していても疲れにくいチェアと同義です。
疲れにくいチェアとするための定義はいくつかありますが、そのひとつに適切な体圧分散があります。
着座した際に体重を掛ける=逃がす部分がどれだけ多いかが、長時間の着座でも疲れにくいか否かを左右します。
お尻、背中は当然のことながら、肘掛けがあると、体圧を分散できる場所はさらに増えます。
ここで忘れてはいけないのは「足裏が床に着くか否か」です。
足の裏がきちんと床に着いていれば、その分体圧分散できる箇所は増え、他の身体の部位への負担も減り、より疲れにくくなります。
逆に足裏が付かないチェアを使用していると、体圧分散できる箇所は2か所減ります。
身体の他の部分への負担は増え、特に座面と接する太もも裏が圧迫されることで疲れやすくなります。
ですので、チェア選びでは自身の足裏がきちんと床に着くものを選び、そこから生まれる座面高を基準にテーブルの高さも決定することが重要です。
座り心地の良いチェアをそれぞれに見つけても、テーブルと合わせた際に不自然に肩が上がる、あるいは下がるような姿勢を強いられるようになっては使いづらく、疲れやすくもなってしまいます。
これはテーブルとチェアが適切な高さのバランスとなっていない状態で、それぞれを別々に購入した際にありがちな失敗です。
さらに言えば、テーブルを先に決めてしまうとこの調整が難しい場合もあります。
チェアを先に選ぶことで座り心地の良いものを選びながら、合わせるテーブルも適切なものを選ぶことができるようになるのです。
テーブルへのチェアの収まりを事前に検討できる
最後に大切なポイントがダイニングチェアのテーブルへの納まりです。
気に入った椅子があり、テーブルとの高さの相性もばっちりであったとしても、そのテーブルに椅子が上手く収まらないようであれば、やはり使いづらいものとなってしまいます。
例えば、チェアの最前方まで肘掛けがある「フルアーム」タイプのダイニングチェアをダイニングテーブルに合わせる場合、テーブル天板の下に補強の「幕板」等があるテーブルではダイニングチェアのアームが幕板と干渉してしまい、ダイニングチェアがテーブル下に収まらない状況が発生します。
また、ダイニングテーブルの脚と脚の間が狭いデザインのテーブルでは希望の数のダイニングチェアを並べる事ができないことも考えられます。
毎日使うものだからこそ、ストレスが無いようにダイニングチェアがダイニングテーブルにしっかりと納まるかは、高さのバランスに加えて確認する事が大切です。
チェアから選んでおくことで「このチェアを置くからテーブル下はこの高さのものを」「このチェアを3脚並べるからテーブルのサイズはこのくらい無いといけない」という点を確認しやすくなります。
ダイニングセットを選ぶ際にダイニングテーブルではなく、ダイニングチェアから選ぶことでダイニングスペースがより快適な場所となります。
気に入ったダイニングテーブルを購入しても、座り心地の良いダイニングチェアを合わせなければ、居心地悪く感じてしまうかもしれず、いわば宝の持ち腐れ状態となりかねません。
そうするとダイニングに居る時間そのものが少なくなってしまい、折角選んだダイニングテーブルを使用する時間も減少してしまうようなこともありえます。
それはあまりに勿体ないことです。
だからこそ、見た目ももちろん大切ですが、ダイニングチェアの座り心地の確認から家具探しをスタートすることがおすすめします。
私ども家具蔵は元々チェア製作からスタートした家具メーカーであり、日常で使用するダイニングチェアの重要性はどこのメーカーよりも強く意識しています。
毎日使うものだからこそ、快適性を求めることは暮らしの道具としての本質です。
すべてのお客様がそのような暮らしを送ることができるよう、心を込めて家具探し・椅子選びのお手伝いを致します。
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