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キッチンとダイニングテーブルの関係性を考える

2023.11.3

 

 

毎日の食を生み出すキッチンと家族で料理を囲む食卓は切ってもきれない関係性があります。

日本においてダイニングテーブルで食事をするという文化は、戦後の公団住宅における「ダイニングキッチン」という考え方から広く普及しました。

システムキッチンが主婦の憧れとなり、ダイニングキッチンと呼ばれる空間には今では懐かしいと思える柄のテーブルクロスがかけられたダイニングセットが置かれていた1950~70年代。

それから時代は移り変わり、今ではキッチンはリビングダイニングと対面するスタイルをはじめ、さまざまなレイアウトが存在します。

ダイニングとの空間構成やリビング・洗面などとのつながりまで含めると、一昔前の画一的な間取りとは比べものにならないくらい、バリエーションが豊かになりました。

今回はその中でもよく見かける3つのパターンについて、それぞれの特徴と注意ポイントをまとめました。

ご自宅のキッチン・ダイニングと照らし合わせて、より快適に過ごすためのヒントとしてご参照ください。

 

キッチンに対して横に置くか縦に置くか


 

戸建・マンション問わず一番多く見かけるキッチンのスタイルです。

キッチンとダイニングの間に腰高の壁がありその上がカウンターになっているキッチンは、ダイニングやリビングとの一体感があり、料理をしながらでも家族とコミュニケーションが取りやすい空間です。

キッチンで作業をしながらでもダイニングにいる家族との会話を楽しむことができるだけでなく、食事の準備や後片付けもスムーズなため、多くの家庭で採用されているレイアウトです。

ここで問題となるのが「テーブルをキッチンに対して垂直に置くか並行に置くか」というものです。

丸テーブルの場合は別として、長方形のテーブルを採用する場合はこのどちらを選ぶかでその場での過ごしやすさが変わってきます。

空間との相性や好みもありますが、お勧めはテーブルをキッチンに垂直に置くレイアウトです(図1)。

このレイアウトのメリットはずばりコミュニケーション性にあります。

キッチンに対して背中を向く人がいないのでキッチンで作業をする人、テーブルで食事や作業をする人の目線が通いやすくなります。

特に小さなお子様がいる家族の場合、お子様がどの位置に座っていてもキッチンから手元が見えるため、何をしているかが一目瞭然です。

もし飲み物などをこぼしてしまった場合でもすぐに駆けつけることができます

仮にカウンターの下にテーブルを潜らせて配置する場合なら食事の準備や片付けの際にテーブルからすぐに食器の上げ下げが可能になり、同時にテーブルの先に大きな余白が生まれるので回遊性も向上します。

【図2】のキッチンに並行に置くレイアウトも場合によっては採用されるべきものですが、キッチンとのコミュニケーション性に差があり、同時に図のようにと着座時に椅子の後方を人が通ることが前提とすると約900mm程度は動線が必要になるため、リビング空間をその分圧迫してしまいます。

普段は二人暮らしでキッチン側に横並びで椅子を置きテレビや外を見ながら食事をという場合や、リビングダイニングが広い間取りの場合は良いですが【図1】の方が、コミュニケーション性が向上し、空間にゆとりが生まれるはずです。

 

キッチンカウンターの下が収納になっている場合


 

【図3】のようにキッチンの前方、キッチンカウンターの下部が収納になっていて、更に扉がついている場合は扉を開けた場合にテーブルに干渉しないようにキッチンから少しテーブルを離す必要があります。

扉がギリギリ当たらないようなスペースだけ確保するだけでもその問題は解消できますが、中途半端に空けるのであれば人が一人回遊できるようにと考えた際には600ミリ程度の余白が必要でしょう。

その分テーブルを小さくするという考え方もありますが、テーブルの大きさは心身のゆとりにつながります。

できればテーブルのサイズは少しでも大きい方がベターです。

キッチンもこれから検討という方であれば、ダイニングの収納はキッチンカウンターの下ではなく【図1・2】のようにダイニングテーブル横の壁側に置く方が空間と収納を有効に使うことができるでしょう。

 

壁付けキッチンの場合


 

キッチンがI型で壁付けであれば、キッチンはダイニングスペースと対面ではない分、調理や片付けに集中できる・LD空間が広く使える・更にはコストも抑えられるといったメリットが発生します。

【図4】のようにキッチンに対して垂直の向きにテーブルを置く場合は、おおよそ900mm離しておけば料理する人も動きやすく、更には盛り付けたお皿をテーブルに運ぶ・片付けるものをキッチンへ運ぶという動作もスムーズになります。

また、テーブル左側の席の人が出入りしやすいように椅子の引きシロを約900mmとることで、キッチン側を通らなくても席に着くことができるようになります。

ただこの他に食器棚を置く場合などで椅子の引きシロ(=出し引き幅)が十分に確保できない場合はキッチンとの間を更に広く採っておく必要が出てきます。

キッチンとダイニングテーブルだけでなく、冷蔵庫や食器棚の位置も合わせて考えるようにしましょう。

 

キッチンとテーブルが横並びとなる場合


 

 

最近はキッチンとテーブルの距離を更に縮め、より配膳などの作業効率向上を図る、あるいはコミュニケーション性向上を狙って、【図5・6】のようにキッチンとダイニングテーブルを横並びにするプランも多く見かけるようになりました。

【図5】は横長の間取りを採用した際にその「長さ」を活かしたレイアウトとして見かけます。

空間は広く見えても実際に使ってみると、冷蔵庫やキッチンのバックセットへの移動距離が長くなることは留意しておかないといけません。

【図6】のようにテーブルとキッチンの間に600mm程度動線を確保することで移動距離は短くなり、キッチンからも大きく離れないので全体で見た作業効率も向上します。

特に家族が多い場合には、横並びを採用するとしてもテーブルとキッチンの間を「空ける」レイアウトをお勧めします。

 

 

今の時代のキッチンとダイニングの位置関係は、そこに住む人々の家族構成・ライフスタイル・考え方によって二つと同じものがないほど個性があります。

最近ではキッチンを囲みながらの団らんを行うことができる、テーブルとキッチンが一体になった空間も増え、それに伴いキッチン自体が可動するものまで見かけるようになりました。

これまでも時代と共に変化してきたキッチンはこれからもますます進化していくことでしょう。

それに伴い、レイアウトの方法もまた変化していくはずです。

家具蔵ではそのような最新事情もふまえた家具配置プランをご案内いたします。

お気軽にお声掛けください。

 

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