3R(リデュース・リユース・リサイクル)と家具選びの深い関係とは?
2023.11.9
家具というものは基本的に長い期間使用することが多く、その間には暮らしの中で生まれた傷やそれ自体の老朽化などの理由で修理をするか、あるいは新しく買い替えるかを判断する機会もあるはずです。
私ども家具蔵も2023年11月時点でブランド創設28年を数えますが、20年以上ご愛用頂いているユーザー様から無垢材テーブルの削り直しや椅子座面の張り替えなどのメンテナンスのご依頼をいただくことが増えました。
長年お使いいただいたうえでさらに長い期間同じものを使っていくということであり、たいへん有難い思いです。
このように長く使用できる高耐久の家具を、メンテナンスなども行いながらより長い期間使用することは廃棄物の量を減らし、それは地球の豊かな資源と自然を守ることに繋がります。
そのような一人ひとりの意識と行動は大きな視野で言えば環境破壊を防ぐ一歩になるかもしれません。
ここ数年でフリマアプリや不用品の中古買取・販売といった「リユース文化」が私たちの暮らしにも急速に浸透してきていますが、それもその一環といって良いでしょう。
今回はその観点をふまえ、最近耳にする3R(スリーアール)という言葉と家具選びの関係についてお話ししていきます。
3R(スリーアール)とは
「3R」とは、じつは日本発信の言葉です。
2004年にときの政府首脳が国際会議の場で掲げた「環境にやさしい循環型社会を構築するため、資源を無駄なく繰り返し使う」と発した考え方がそれにあたり、以下の3つの言葉を軸にしています。
それは「リデュース(Reduce/減らす)」「リユース(Reuse/繰り返し使う)」「リサイクル(Recycle/再資源化する)」であり、これらの頭文字を取り「3R」と銘打たれたのです。
世界規模の異常気象の他、自然に分解されることのないプラスチック製品がゴミとして1億トンも漂流する海洋汚染の問題などを含めた地球環境の危機と資源の枯渇は日々深刻になっています。
環境問題が今や誰もが目を逸らしてはならない問題となるなか「3R」は世界中で啓発され、年々重視されるようになってきています。
現在では義務教育でもこの3Rを学習するようになっており、我々の暮らしにより身近なものになっています。
最近はこの3Rに加えてリフューズ(Refuse)といって「廃棄物になるものを積極的に断ること」が加えられ4Rとも言われています。
3Rの内容と実際の行動を紐解く
ここでそれぞれの言葉・行動の内容を詳しく紐解いていきます。
まず「リデュース(Reduce/減らす)」。
何を「減らす」のかと言えば、廃棄物(ゴミ)の発生を少なくさせることにあたります。
耐久性の高いものを利用することや、日用品も繰り返し使えるものを使用することで廃棄物を減らすことに貢献ができます。
身近なところでは買い物の際に店舗でのビニールバッグ譲渡が有料となった法整備=マイバッグ使用の推奨、は記憶に新しいところです。
壊れたもの・傷んだものを処分するのではなく修繕して使用するのもリデュースへの有効な取り組みとなります。
「リユース(Reuse/繰り返し使う)」は一度(あるいは複数回)使用されたものを何度も再使用することで廃棄物を減らすことに直結するというものです。
フリーマーケットやフリマアプリ、中古品買取・販売によって不用品を他の誰かが再使用することなどは分かりやすい例と言えます。
「リサイクル(Recycle/再資源化する)」はかなりの頻度で以前から叫ばれている行動であり、馴染みも深い言葉です。廃棄物を再び原材料に戻すことやエネルギーとして有効に利用することを指します。
日常生活においては資源ごみの分別回収やリサイクル製品を利用するなどの取り組みが挙げられ、日用品や飲料の買い物の際にリサイクルしやすいを選ぶことも貢献のひとつです。
3Rを家具選びに置き替える
これを家具選びに置き換えた際には「そもそも高耐久で長く使うことができ、傷みが生じても修繕が効くことでより長い期間使用できるものを選ぶ」ことが当てはまります。
長い期間使用できるものは廃棄になる可能性を低くし、これはまさに「リデュース」に当たるでしょう。
破損が生じたものや傷みがあるものを処分せず修理して使用し続けるのもこれに当たり、この行動は「リユース」にも通ずるものがあります。
長く使用でき、且つ修繕も可能なものなら状態を美しく復旧させて子供や知人に譲り、さらに長く使用してもらうというのもリユースです。
再生可能な素材を使用することは適切に処置すればリサイクルに貢献することになります。
長く使用できるものを購入する=一つのものを使い続ける=余分な買い物をしないことに繋がる、という点は4番目のRである「リフューズ」への貢献です。
3Rに合致する無垢材家具という選択肢
この家具選びの条件に合致するもののひとつに無垢材家具があります。
無垢材家具はその名のとおり「無垢材」で製作された家具ですが、特に広葉樹(平たくて幅の広い葉を持つ木)材で製作されたものは強度があり傷がつきにくいという高耐久性が大きな特徴であり、それはまさしくリデュースが可能なものとなります。
さらに無着色仕上げのものは表面の傷やへこみといった損傷も削り直して修繕することができ、それはリサイクルをすること無く、廃棄物を発生させず(リデュース)、ひとつのものを長く使用し続けることのできるリフューズにも繋がるのです。
とくに私ども家具蔵のような自社工場直営の家具販売店のものであれば万が一の際にも安心して修繕を行い、そしていつか違う誰かに譲り渡すこともできます。
日本語の「もったいない」という言葉は環境保全のために必要な「3R」を一言で表していると言われています。
自然や物を大事にする、敬意を払うといった考え方は古くから私たち日本人の生活に実は深く根付いています。
そして私ども家具蔵も、昔から続く日本文化の継承と発展をモットーに無垢材家具製作を続けています。
長く使うことのできるものを選ぶことは循環社会への貢献になり、それは家具選びにおいても同じです。
これからの家具選びにそのような考えも加えていただけると嬉しいです。
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