「主張が強い」一枚板テーブルを設置する場合のポイントとは
2023.11.11
無垢材を使用した「無垢材テーブル」の代表格である「一枚板テーブル」。
その魅力は非常に多岐にわたります。
一点ものであることの価値や100年を超えるような樹齢の木からしか作ることのできない希少性もさることながら、唯一無二ともいえる表情にこそその魅力があるという人も多いことでしょう。
厳しい自然のなか、様々な環境のもとで複雑で入り組んだ表情をたたえたその表情はまさに自然が生み出した芸術といえます。
板目と呼ばれる地図の等高線のように見える木目、柾目と呼ばれる直線的に見える木目の他、「杢(もく)」と呼ばれる、その樹種によって特徴的に表れる模様は、ときに装飾的な希少価値を伴い、その天板の価格を左右します。
あるいは人の手では決して表現しきれないような独特の形状を持つものや「割れ」や「節」なども存在します。
「主張が強い」とは
ここで主張が強い、という表現について定義します。
例えばテーブルというものは大抵のものが長方形や正方形、正円や楕円など成形されたものとなっています。
ここから少し形状が変則的なものとなれば、それはデザイン的に特徴があり「主張している」「主張の強い」と表現できるものとなるでしょう。
あるいは色が奇抜である、通常のテーブルなどとは異なった特徴が際立っているなども「主張が強い」と言えます。
これを一枚板テーブルに置き換えてみます。
木というものは厳しい自然の中で生存競争を生き抜き、その過程において様々な状況にみまわれます。
そして、一枚板は基本的に原木から製材した天板を乾燥などの工程を経たうえでそのまま天板として使用するものです。
その天板には立ち木であった状態で受けた影響がそのまま映し出されます。
木材のもとになる木は自然の中で風雪に耐えて長い期間を生きています。
その環境は過酷であり、外部からに影響も多大であることから結果として木の成長過程を表す木目や形状にユニークなものとなってもなんら不思議はありません。
むしろそういったものが多いくらいです。
S字にうねったもの、二股に別れたもの、様々です。
もちろんそうでないものもあります。
木目も穏やかで割れや節などもほぼなく、形状も真っ直ぐに近いものもありますが、そういったものは今やたいへん希少です。
つまり一枚板テーブルは大抵のものは主張が強い、ということになります。
一方で、現代では様々な価値観が生まれ、インテリアへの考え方も様々なものがあります。
その形状のユニークさはむしろ空間のアクセントとして歓迎され、節や割れを埋める技術や、それをより美しく見せる方法も進化を遂げてきました。
多様化の時代と言われていますが、今まさにインテリア選びにも様々な価値観が生まれているのです。
道具としての使い易さは優先すべき
一枚板テーブルはある意味インテリア的な要素は他のどのテーブルよりも強く、それゆえに主張の強いものも人気があるのですが、道具として見た際にはその形状や節が使いにくさを引き起こすものともなりえます。
椅子の配置が難しくなる、食事の際に皿やグラスを安定して配置するのが難しい場合も出てくるでしょう。
あくまで一枚板テーブルは食事や作業を行うための「道具」です。
その観点を忘れずに使い勝手も考え一枚板テーブルの形状を検討していくことも重要です。
周りにはシンプルなテクスチャを
一枚板テーブルはその「自然美」が大きな魅力です。
その周辺にはシンプルなテクスチャを選ぶことで、テーブル自体の美しさを引き立てることができます。
テーブルを主役として存在させ、他の要素がテーブルの美しさを邪魔しないような工夫を行うことで互いの良さが引き立つというものです。
インテリアコーディネートにおいて「主と従」をうまく調和させることが、バランスのとれた魅力的な空間を作りあげます。
主張の強い表情や形状を持つ一枚板テーブルの周りにはシンプルなテクスチャを選び自然素材の魅力を最大限に引き立てるようにしましょう。
照明とのバランスも重要
一枚板テーブルを配置するスペースの照明にはペンダントライトなどの吊り下げ照明を選ぶ人も多くいますが、この照明をどのようにセッティングするかで、その一枚板がより映えて見えるかという点が左右されます。
シェードを多用した電球色の照明で陰影をつけつつ、スポットライトやダウンライトで作業や食事の妨げにならないような明るさを確保する。
そのことで木目や形状もよりスタイリッシュに見え、実際の使用の上でも使いづらさを感じにくくなります。
あるいはテーブルランプはテーブル上に直接設置するとスタイリッシュな照明となります。
一枚板テーブルのデザイン、部屋の雰囲気、お好みに応じて、照明の配置を検討しテーブルを美しく照らしましょう。
照明はテーブルの魅力を引き立てるだけではなく空間全体をより魅力的に演出します。
様々な形状を持つ一枚板テーブルですが、どれも元を辿れば生きていた木であり、貴重な資源です。
それを一時の判断で選び、後から使いにくいから処分する、ということにはなってほしくない、と私ども家具蔵は考えます。
そのためにもお客様が気に入った天板をいかに毎日使い易い最高のパートナーとしてあげられるか、その観点から天板選び・脚の選択や仕上げ塗装の解説、そして全体のレイアウトまでをお手伝いします。
主張の強い、特徴ある形状や独特の節や割れ埋めを持った一枚板テーブルは確実にその空間のなかで異彩を放ち、同時に「顔」として中心的な存在となってくれます。
一枚板テーブルの存在感は確実に部屋全体の「格」も向上させることでしょう。
そのための一枚板テーブル選びを全力でサポートしますのでお気軽にお声掛け下さい。
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