無垢材家具はどのくらい長持ちするのか?
2023.11.21
目次
「丈夫で長持ち」は家具を選ぶ基準になる
家具を選ぶ基準は様々であり、それは「どのようなものを求めているか」ということでもあります。
安価でも良いのでその時の事情を満たすものでよい、という人もいますが多くの人が「丈夫で長い期間使用できるもの」「美しく、また、その状態が長く持続するもの」を求めていることでしょう。
構造や素材が丈夫なことは安心感に繋がり、長期の使用を可能にします。
美しいものは心を満たし、しかもその状態が変わらずに持続するなら精神面でも経済的にもメリットは大きいものです。
その条件を満たす素材の一つが無垢材ですが、無垢材であればどのようなものでも丈夫で美しいまま、長い期間使用できるかというとそうではないのです。
無垢材と木質系加工材料の違い
ここで無垢材とその他の「木質系加工材料」の違いについて触れておきましょう。
どちらも一見すると同じ「木の家具」ですが、素材・構造、そしてそこに起因する耐久性に大きな違いがあります。
無垢材は「天然木」という呼ばれ方をされることからわかるように、いわば「木そのもの」であると言ってよい素材です。
後述するような表面材と心材に分かれている木質系加工材料とは違い、原木から伐り出した板材のことを指します。
その大きさによって呼び方が変わるわけではないので、いわゆる「一枚板」も無垢材です。
そして無垢材を使用して製作されたものは「無垢材○○」とカテゴライズされます。
無垢材家具、無垢材フローリング、さらに細かく細分化すると無垢材テーブル・無垢材チェア、といった具合です。
一方「木質系加工材料」の代表格が「合板」です。
ベニヤ(木材から薄く剥かれた「単板」のこと)を何枚か積層して接着したもののことで、その表面に化粧シートや、突板を圧着し加工した工業製品を指し、様々な種類のものがあります。
無垢材との大きな違いは心材の上に表面材を「貼り付けている」ものということでしょう。
家具メーカーや建材メーカーのカタログなどにはこのような素材の違いが明記されていることも多く、どちらも「木製のもの」には変わりませんが両者は明確に異なるものです。
無垢材が長持ちする理由
無垢材家具と木質系加工材料、両者を比較した際に長寿命となるのは前者である無垢材と言ってよいでしょう。
その理由は素材としての頑丈性とその製法にあります。
木を一度バラバラにしたうえで固めたり貼ったりした木質系加工材料は、本来つながっていた繊維が1度切り離されてから再度成型されたものになることで強度が低下している状態です。
また、何かしらの表面材を貼り付けたものである以上、いずれ必ずそれが剥がれる、あるいは傷が付いた際に中の「地」が見えることは否めません。
無垢材はいわば木の一部分をそのまま使用するので木の繊維が切断されることなく内部の身も詰まっています。
上から表面材を貼り付けることも無いのでその部分が剥がれてくることもなく、傷が生じたとしてもそれが目立つものにはなりません。
それが両者を比較した際の家具としての寿命の「差」となります。
無垢材家具の寿命はどのように作られているかで異なる
ではここで、このコラムのテーマである「それでは無垢材家具はどのくらい長持ちするのか?」という点について触れていきましょう。
この答えは「どのように作られているかで異なる」というものになります。
つまり、製法や製作過程においてどのくらい長く使用できるのか、という点が変わってくるのです。
無垢材は研磨を行うことで傷なども修復できる点なども含め、非常に高耐久の素材であるということは変わりません。
それを家具として無垢材を使用する際により長寿命なものとするためのポイントとして「広葉樹材で作られている」「木組み」「無着色」という点が挙げられます。
広葉樹材が家具に向いている
木には針葉樹と広葉樹がありますが、無垢材家具に使用するなら「強度があり傷がつきにくく」「揺れに強い」広葉樹が断然有能です。
その強度は重量があるものを収める可能性のある収納家具や毎日使用する=傷などがつく可能性も高い(つまり傷がつきにくいものが良い)ダイニングテーブルにも向いています。
また、身の組織の密度の濃い広葉樹は揺れにも強いので、ソファや椅子のフレームにも最適です。
世界中の名作椅子の素材が広葉樹であることが殆どであることからもそのことは明らかです。
木組みは高強度を約束する
「木組み」であることも無垢材家具がより長持ちするために重要な要素です。
木組みとは釘や金物を使わずに木材同士をはめ込んでいくことで高い強度を保つ木工の技術の一つです。
「木と木」という同じ強度のものを合わせることで、お互いが引っ張り合う力が均一となり、緩みが起きにくくなります。
同じ素材で「引っ張り合う力を均等とする」ことの強度は例えば革と革(カバンや財布など)でも分かります。
ネジや釘などの金物を使うことで木材同士の接合は容易に行うことができますが、その強度は木組みには遠く及びません。
それが強度の向上・丈夫さを生むのです。
無着色は無垢材家具の魅力を引き出す
最後に「無着色」つまり「色を塗らない」ことでより長く愛用できるものとなることも忘れてはいけません。
木材というものはどれも年月とともに色合いを変えていきます。
それは単純な退色という「劣化」ではなく「美化」です。
美しく色合いを変えていくことは風合いに繋がり、長く使用していく喜びに繋がります。
同時に傷みを目立たなくし、損傷を修復するための研磨を容易にすることは長い期間を使用するにあたっては非常に重要な要素であり、また、それを可能にする大きな魅力となります。
無垢材家具の耐用年数はその素材自体の強度や構造等により異なり、無垢材であるからと言って何年使うことができると言い切れるものではありません。
しかし世界最古の木造建築が法隆寺であるように木材の耐用年数というものはしっかりと乾燥した質の良い材を使用し、きちんと手を入れてメンテナンスをする事で長く使うことができるのです。
私ども家具蔵は工場直営店です。
熟練の職人が木組みで仕上げる家具を無着色で製作しており、メンテナンス体制も万全です。
長く使うことのできる家具なら無垢材のものを、そして無垢材家具ならぜひ家具蔵へご相談下さい。
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