無垢材家具のお手入れは怖くない!
2023.11.22
無垢材家具の購入を検討する際に「普段のお手入れが難しいのでは」と心配している人は多くないまでも一定数いる印象です。
たしかに仕上げ塗装の方法次第では定期的なお手入れを行った方が良いものもありますが、決してそのハードルは高いものではありません。
また、自身でのお手入れはほぼ不要、というものもあります。
無垢材家具に無塗装はNG
基本的に着色をしていないものだとしても、無垢材家具には必ず何かしらの仕上げ塗装は施されます。
木の手触りや質感を楽しむには仕上げ塗装を施さずにそのまま使用することが望ましいという人もいます。
自然の質感を最大限楽しむことができる点に魅力はありますが、無塗装は表面が「保護」されていない状態です。
つまり、外部からの影響を直に受ける状態ということであり、例えば水が零れればそのまま染みになり、木肌も粗くなり、乾燥が進むことで割れや反りも起きやすくなります。
そのような事態を防ぐために無垢材家具には何かしらの仕上げ塗装を行い、家具を「保護」するのです。
また、「退色の変化」といった効果も持ち合わせます。
無垢材家具の仕上げ塗装にもいくつかの手法がありますが、大きく分けると「ウレタンクリアフィニッシュ塗装(ウレタン塗装)」と「オイルフィニッシュ塗装(オイル塗装)」があります。
ウレタン塗装とオイル塗装
まず、ウレタンクリアフィニッシュ塗装(ウレタン塗装)とはどのようなものかを見ていきます。
樹脂で家具の表面に塗幕を施してコーティングされた状態とする仕上げ塗装です。
水染みなどの汚れに強く、家具自体の耐久性も向上させます。
自身での仕上げ塗料の塗り直しなども不要でお手入れも容易なものであると言ってよいでしょう。
一方、オイルフィニッシュ塗装(オイル塗装)は油分を塗り込み、浸透させる仕上げ塗装です。
古くからある手法で設備を持たずとも採用できる手法なので非常に多くの場で親しまれています。
木の表面に塗膜を生成しないので、より自然な木の肌触りを楽しむことができます。
いわば外からコーティングを施して家具を保全するのがウレタン塗装、内部から保湿することで家具を保全するのがオイル塗装です。
両者ともに特徴があり、またその質感にも差は出てきますが普段のお手入れや傷みが出た際の対処法にも違いがあります。
ウレタン塗装の特徴は
ウレタン塗装の普段のお手入れは「水拭き・お湯拭き」を基本とし、通常はこれだけでOKです。
もし無垢材家具について「普段のお手入れ」へのハードルが高いと考えているならば、その壁がグッと下がるものとなます。
油汚れなど通常の水拭きで落ちにくいものは中性洗剤を少量希釈して吹き上げるのがお勧めです。
シンナーやベンジン、エタノール(ウェットティッシュなどはこの成分が含まれることが多いです)などの揮発性の成分を含んだもの、そして除菌アルコールや酸性・アルカリ性の洗剤等を使用してのお手入れは塗装の劣化・剥がれや木部の変色を引き起こす原因となるので避けましょう。
また、キズやヘコみが生じた場合、それを自身で修復するのは基本的に難しく、購入したメーカーや専門業者に依頼して研磨と再塗装を行う必要があります。
オイル塗装の特徴は
無垢材家具の扱いを難しく感じさせるのはこのオイル塗装に起因しているかもしれません。
オイル塗装は表面に油分を塗り込んで中から保湿するものですが、油分は揮発性であることから乾いて消失してしまいます。
そこで自身でオイルを表面に塗り込む作業が定期的に必要です。
基本的には普段は空拭きか固く絞った布でのお掃除、年に1回から2回程度のオイルの再塗布を行うことがお勧めです。
また、オイル塗布後のワックス使用による撥水効果も多少は期待できるものの、基本的には水分が直接触れると染みが残りやすくなるリスクがあり、いわば「汚れやすい(と感じる)」ことも「お手入れがたいへん」と考える一因かもしれません。
しかし、オイル塗装はキズや染みなどが発生してもその部分を削ってオイルを塗り込むことで修復することができます。
自身で傷みをその場で修復できる点は大きなメリットとなりえます。
また自身で手を入れる作業を繰り返すことでより一層の愛着と深い味わいに繋がります。
家具蔵の無垢材家具の仕上げ塗装
ウレタン塗装と聞くとテカテカ、ツヤツヤなイメージで木の風合いを大きく損なうのでは?と心配になる人も多いでしょう。
私ども家具蔵のウレタン塗装は手仕事で一点一点丁寧に行うことで木の風合いを損なわず、自然のものに近い仕上がりになることで好評を博しています。
また、厚生労働省が定めた揮発性有機化合物(VOC)を含まない、安全性の高い塗料を使用しています。
奥行きのある上品な質感、確かな保護効果、お手入れのしやすさが魅力です。
また、オイル塗装は植物性のオイルを主成分とする自然塗料を家具の表面に直接塗り込み、木材の内部から表面をしっかりと保護するものになります。
いずれも家具を美しく保ち、できるだけ長く愛用してもらうために専門の職人が丁寧に作業を行っています。
また、長年使用していて生じたキズなどは一旦すべて無くして出来上がりと同じような状態にしたい!と考えた際には
熟練の職人がコンマミリ単位で鉋をかけ、再塗装するアフターメンテナンスも行っています。
日常使いのお手入れの簡単さならウレタンクリアフィニッシュ、素材感を楽しむならオイルフィニッシュ、といったところでしょうか。
勿論お好みやそれぞれの一長一短があることも事実です。
「手を掛けながら先の世代に継承できる」本当の一生物の家具は適切なお手入れを行うことでその魅力をさらに輝かせます。
無垢材家具のお手入れは、手順を覚えて行えば簡単ですので気楽に考えて頂いても問題ありません。
家具蔵では無垢材家具のメンテナンスについてもしっかりとわかりやすくお伝えしています。
家具選びだけではなく、メンテナンスのご相談にもお気軽にお声がけ下さい。
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