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収納家具の「引き出し」は構造や位置で使い勝手が変わる

2023.11.30

 

 

収納という行為において、引き出しが活躍する場は様々です。

洋服ならそれぞれを箪笥やチェストの引出しに収納しておくことが想定され、書類なら深さのある引き出しに収納することもあるでしょう。

その機能性の良し悪しは構造や位置によっても変わります。

 

収納家具における引き出しのメリットや注意点は


 

 

今回は引き出しについてのお話しなのでまずはそのメリットと注意すべき点について見ていきます。

まず、引き出しの最大の利点は「引き出すことによって内部に収納しているものを瞬時に一瞥できる」点にあります。

引き出しは使用する際には基本的に内部を上から見下ろす状態になり、内部に何がどの状態で入っているかがすぐにわかります。

奥に収納したものも含め、それをすぐに取り出すことが容易である点もメリットです。

扉収納の場合、手前に入れたものを一度動かさないと奥にあるものが取り出せないこともありますが、引出しは奥行方向が真上から見やすく、ものを取り出すのに非常に便利です。

そのことから洋服などの収納には引き出しが多用されるわけです。

細かなもの、例えば文房具や日用雑貨などを仕分けながら収納することにも向いています。

散らかりがちなものを整理整頓するにはもってこいで、家具という体を成していなくても小型で複数の段がある引き出しはデスク上やキッチンカウンター、リビングボードの上などでよく見かけます。

一方で、高さに制限があるのであまりに物を詰めすぎると引っ掛かって開かなくなってしまうケースや(つまり収納容量に限界が出やすい)、逆にものによっては開きすぎて引き出しそのものが落下することもあり、その点は注意が必要です。

そして、引き出しを使い勝手良く使用するには、適切な位置に適切な大きさのものが装備されている家具を選ぶことが重要です。

深さのある、収納容量が大きい引き出しは下の方にあった方が使い易くなります。

目の高さより上に来る引き出しでは何が入っているかもわかりづらく、収納もしにくくなります。

 

引き出しの構造の違い


 

 

収納家具における引出しはその構造においての開閉する際の仕組みとして、金物(レール)を使用するか否か、という部分で違いが出ます。

和箪笥などにみられるような、木の性質を読んで「箱の中に箱を収める」という構造を持つものもあるなかでレールを使用しないものの代表格としては「摺り桟・吊り桟(すりざん・つりざん)」があります。

内部に手前から奥へと延びた桟のような細い板を組み、この桟の上を引き出しの側板が滑って行く、という方法が摺り残。

引き出しの側板に溝を彫り込んでおき、本体内部にはこの溝に合わせた桟を取り付けて互いを滑らすことで引き出しを出し入れする方法が吊り桟です。

単純な構造ですが、上下左右に箱が動いてしまうのを止める構造や、内箱をほんの少し台形にして引き出しやすくするなど、加工方法や職人の力量によって、丈夫さや見た目に大きな違いが出る作り方です

 

スライドレールとタンデムレール


 

 

一方、金物を使用するものでは「スライドレール」「タンデムレール」が特にポピュラーです。

金物を使用して引出しの開閉をアシストするものの代表格となります。

「スライドレール」は引き出しの側板に金具を付けて、スムーズに軽く動くようにするものです。

摺り桟・吊り桟は桟木と内箱の間に摩擦が生じて、重いものを入れると引き出しにくくなりますが、ベアリングがついているスライドレールは操作性が良く、重みがかかる引き出しには便利な方法です。

「タンデムレール」は引き出しの底板の下に金具を取り付け、出し引きを補助するものです。

スライドレールよりも開閉に力を要さず、強く押しても優しく閉まるソフトクロージング機能があります。

システムキッチンなどでは一般的に用いられている構造であり、重いものなどを入れる想定なら便利です。

レールは各メーカーから様々な機能が付いたものが販売されていて、押すと自動で開いてくれるプッシュオープンレールなども人気です。

尚、「摺り桟・吊り桟」と比較した際にはその金物の厚みの分だけスライドレールは内寸幅が、タンデムレールは内寸高が若干小さくなります。

 

目的や用途によって使い分ける引出し構造の違い


 

 

引き出しはどのようなものを収納するかによって、その構造も考えて選ぶことができるとベターです。

食器や食材などを入れるキッチン収納、書類を沢山収納するデスクの引き出しなど内部に重量が出るものは特に閉める際に力を要さないタンデムレールだと便利です。

少なくともスライドレールが装備されていると操作性が良いでしょう。

逆に小物や衣服など軽いものを収納する引き出しはレールを付けるメリットはそこまで大きくはなく、価格も抑えられることから摺り桟や吊り桟を選ばれると良いでしょう。

特に衣服を引出し内に入れる場合は、防虫・防臭という観点からも、箱物本体と引出し内箱との間に空間が空き、またグリースなどが使用されていることで衣服に影響が出ることがあるスライドレールは避けた方が無難です。

 

 

収納家具の引き出しひとつをとっても、突き詰めると奥が深いもの。

収納家具はインテリアでもあり、同時に暮らしを便利にする道具です。

また、その収納性や使い勝手は住まいの空間をいかに美しく保ち続けることができるかという点では大変重要です。

私たち家具蔵も様々なスタイルでの引き出し収納をつくっており、それぞれに最適な引き出し構造を備えています。

家具蔵の収納家具をご覧になる際は、是非そのような細部にも目を凝らしてみて下さい。

スタッフ一同お待ちしております。

 

家具蔵の無垢材収納をはじめとした商品一覧はこちらから

 

 

 

 


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