ソファの背もたれの高さのおすすめは?
2023.12.2
リビングダイニングという一日のなかで多くの時間を過ごす場所。
その中でさらに「どこで過ごしているか」という点を分けて見ると「ダイニング(スペース)」でダイニングテーブルを使用しながら過ごしている派と「リビング(スペース)」でソファなどを使用して過ごしているという人に分かれるでしょう。
ダイニングスペースはもはや食事をするだけでなく、家族それぞれが様々な作業を行う場所です。
ダイニングテーブルの大型化やダイニングチェアの選択肢の拡がりは、それゆえに起こっていることでもあります。
一方、リビングでゆっくり自由な姿勢で過ごしたい向きにはやはりソファは欠かせません。
クッション力のある座面と背もたれが身体を優しく包み込み、心身ともにリラックスした気分を味わうことができます。
かつての応接用という役割はもはや希薄であり、「住まい」という自身が世界で一番落ち着く場所を快適に過ごすために使用する家具の代表格とも言えます。
ソファの選択肢のポイントとしての背もたれの高さ
ソファはじつに様々な種類があり、その選択肢も非常に幅広いものがあります。
仮に2人掛け、3人掛けという基準があってもその幅の取り方、つまりソファとしての総幅もまちまちです。
奥行きや高さ(いわゆる背もたれの高さ)しかり、座面の高さも異なります。
また、そのスタイルも多様でスタンダードなストレートタイプ以外にもL字形状のコーナーソファ、カウチタイプは姿勢の自由度が高く、人気です。
デザインにしてもメーカーやブランドごとのコンセプトやアプローチで違いがあり、さらに言えば内部構造などは一見分かりにくいですが大きな差別化の要因となります。
ソファを選択する際のポイント、見ておかなければいけない点はじつにたくさんあるのです。
今回はそのなかで「背もたれの高さ」についてどう考えるかを見ていきましょう。
ハイバックとローバック、それぞれの違い
ソファは椅子同様に座る部分となる座部と、身体を寄り掛からせる背部で構成されます(肘掛け=アームもソファには付き物のパーツですが最近はアームレスタイプも高い人気を誇ります)。
実際には背部、つまり背もたれが無いソファもありますが、ソファは基本的に背もたれがあるものが殆どです。
その背もたれの高さによって「ハイバックソファ」「ローバックソファ」というように呼び名もスタイルも変わります。
そして、それぞれが持つ特徴によって実際に住まいで使用するにあたっての使い勝手も見え方も変わるのです。
「ハイバック(タイプ)」はその名のとおり、背もたれが高いものを指し、「ローバック(タイプ)」は背もたれが低いものを指します。
「ハイ」と「ロー」の何を持ってその区別とするかは考え方にもよりますが、背中だけではなく頭部までフォローするくらいの高さがあるものは「ハイバック」、逆に背もたれの高さが肩口程度、あるいはそれ以下となるソファは「ローバクと呼んで差し支えないでしょう。
ハイバックタイプの特徴
ハイバックタイプのソファは高さのある背もたれが頭部まで支えてくれます。
ソファに寄り掛かった時の安心感も大きく、同時に完全に身体を預けることは全身の力を抜いたリラックス感を味わうことができるものです。
また、しっかりと存在感を発揮してくれるものであることでリビングとダイニングの間をハイバックソファで仕切るように使用し、同一空間で明確なゾーニングを行うことも可能です。
懸念点は「その高さゆえの圧迫感」「視界の妨げの要因になる」そして「長時間使用の際の窮屈感」でしょうか。
まず、単純に住まいにおいて高さがあるものは圧迫感に繋がりやすくなります。
ソファはある程度の大きさを擁するものなので、その影響もまた大きくなります。
また、テレビの前にソファをレイアウトすることは王道ですが、そのテレビの視聴をダイニングスペースから行う時にその高さが邪魔になることや窓への視線の抜けを妨げることもありえます。
ハイバックタイプのソファは壁際に添わせるようにレイアウトするなどの工夫が必要です。
そして頭部をホールドされている状態が長時間続くことは、同じ姿勢を長時間強いられることになり逆に疲れや窮屈感を覚えてしまうこともありえます。
ヘッドレストの着脱によってハイバックタイプとローバックタイプを使い分けできるものもあるので、もしハイバックタイプの使用を考えているならそのようなものがお勧めです。
ローバックタイプの特徴
ローバックタイプのソファの利点はなんといっても軽快感があることと姿勢の自由度にあります。
仮に部屋がコンパクトな場合はそれに合わせてコンパクトなサイズのソファを選ぶものですが、せっかくソファを買うのですから、「寛げない」のはもったいないことです。
ローバックタイプのものならある程度ソファの幅を確保したとしても高さが無いので圧迫感には繋がりにくく、重心が下に下がる=天井との距離が生まれることで空間に軽快感が生まれます。
ハイバックタイプとは逆で、ダイニングテーブルからソファ越しにテレビを視聴するような際にはローバックタイプは目線よりも下側に収まる高さのため、邪魔になりにくいのも利点です。
現代のリビングダイニングの家具レイアウトを考えた上では配置しやすいソファと言えます。
また、ハイバックの様に頭を背もたれに当てることはできませんが、首回りに自由が効くことで、特に長時間の着座の際に窮屈感は感じにくいものとなるでしょう。
具体的な高さの目安としては高さで800ミリ程が好ましいでしょう。
800ミリは丁度肩から下がしっかりと支えられて安定感があるのと同時に首は動くので、首や肩が凝ることを防げます。
また、800ミリは腰高くらいなので、いわゆる「視線が抜け」ます。
そのため、壁を背負わせても、空間の間仕切りとして使用しても圧迫感はほとんどありません。
低過ぎず、高過ぎず、絶妙な高さです。
ソファは長い時間を過ごすものであるがゆえにその座り心地は重要です。
同時に家具の中でもサイズの大きな家具の一つでもあるため、空間での見え方にも気を付ける必要があります。
その点を考慮しながらソファ選びを行っていくと失敗は起こりにくくなります。
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