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「銘木」とは?普通の木とは何が異なるのか?

2023.12.3

 

 

「銘木」という言葉、耳慣れた人もそうでない人もいることでしょう。

一枚板天板を検討しているとしばしば耳にする言葉であることから、なんとなく「有名で立派な木だろう」という印象を持つ人もいるでしょう。

和室に使う床の間や柱などに使われるような表情豊かな木材をこの言葉で表すこともあり、そこから和風な印象があるかもしれません。

銘木からとれる木材、つまり銘木材は現代建築においてもよく使用されています。

銘木材が注目を浴び、人気を高めている理由、そこには日本独自の「木の文化」も大きく関わっています。

 

「名木」と「銘木」の違い


 

 

「名木」と「銘木」。

同じ読み方のこの両者は一見同じような意味を持ったものに見えます。

実はそれぞれが表すその「中身」は若干異なるものです。

「名木」はいわゆる「高樹齢の大木」のことを指します。

「ご神木」などの言葉で表現されることもある、神社やお寺などで長年育っている由緒ある木もそれにあたります。

「地面から生えている何らかの価値を持った木」は「名木」です。

対して「銘木」とは「立ち木そのもの」というより、木材となった後のものを指して表現するものです。

高樹齢の木から採れたもの、且つ木材となった際の材質としての優位性、その色合いや杢目やキャラクターマークを含めた個性が美的感覚をもって尊重されるものを指しています。

一般的な木材よりも希少であることからその価値は総じて高く、そのなかでも樹齢や形状、杢目の出方などの装飾性を持ってその評価も上下します。

その使われ方もまた多様です。

家具や楽器といった実際に手に取って使用するものから建材・内装材など住まいを形作るものまでさまざまな使われ方をしています。

 

世界3大銘木


 

 

世の中にはあらゆるジャンルで「3大〇〇」というものが存在しますが、この銘木の世界にも「世界3大銘木」が存在します。

「Precious wood」と表現されるように、まさに「貴重なもの」という認識があるということです。

具体的にはマホガニー、・チーク、そしてウォールナットがこれにあたり、この辺りは家具や木材にそこまで詳しくない人でも耳にしたことはあるということも多いでしょう。

それぞれに原産も科目も異なりますが、その材料としての優秀さや色合いや表情の美しさで不動の評価を得ています。

 

マホガニーやチークは手に入らない?


 

 

もっとも、マホガニーやチークは自生している高樹齢の木から採ったものはもはやほとんど見ることができなくなっています。

マホガニーは赤褐色の色合いに帯状の濃淡が美しい「リボン杢」が特徴的な銘木です。

高級家具材や楽器、また建具や床材など様々な分野で使用されてきましたが、乱獲や違法伐採により個体数が激減し、現在ではワシントン条約によって天然木の取引に厳しい制限がかけられています。

特に美しいとされているキューバ産やホンジュラス産のマホガニーはもはやほぼ市場にも出ていません。

代わりに(と言ってはなんですが)、アフリカ産の「サペリ」は「サペリマホガニー」の異名を持つほど、よく似た見た目をしており、そのことも相まって高い人気と認知度を得つつあります。

東南アジアが産地のチークもかつては国内の住宅の内装材などでよく見かけたものであり、家具材としてもヴィンテージ家具・アンティーク家具の類にはチーク材がよく使われているのを目にします。

チーク材の最大の特色とも呼べるのが船舶材としても重用されるほどの耐水性の高さ。

木材の内部にはタールの成分が含まれており、この油分によって水を弾く効果が得られます

耐久性と油分からくるしっとりとした質感と相まって高い人気を誇っていました。

現在は自生している本チーク材の入手も困難になり、主に植林されたチーク材しか見かけることができなくなっています。

 

ウォールナットの魅力


 

 

対してウォールナットも高級材の代名詞ですが、世界3大銘木の中でもさきの2種と比べた際には比較的供給量は安定しています。

私ども家具蔵でも一際人気を集める樹種です。

ウォールナットはクルミの木であり、世界中でクルミの木は200種以上存在すると言われますがその中でも特に高品質で人気が高いクルミは北米産のアメリカンブラックウォールナットです。

このアメリカンブラックウォールナットは高級感のある深い色合いが特徴で、ホテルの内装材や高級車のウッドパネルにも使われます。

ラグジュアリーで落ち着いた雰囲気を作ってくれるウォールナットは、内装材や家具に使うことでワンランク上の上質な空間を作ることに貢献するはずです。

黒に近い色合いを持った、いわゆる「濃い」色素を持つ木は世界中でもそう多くはありません。

そのなかの一つであり、また、グラデーションをまとった美しい表情がこのウォールナットを「銘木」としての価値を作り出しているのです。

 

日本人の価値観と銘木の魅力のシンクロ性


 

 

私たち日本人にはもともと備わっている美意識として自然のありのままを愛でる、という文化があります。

例えば「侘び・寂び」という言葉があるように、華美ではないものや自然美に風情や魅力を感じることができる価値観です。

そのような観点から、大木から切り出された材面から生み出される様々な紋様に私たちは魅力を感じ、自然素材を使う喜びを味わう価値を得ることができています。

そしてケヤキやトチといった日本を代表する鑑賞価値と実用度が高い銘木を愛でてきたのでしょう。

 

家具蔵が扱う樹種のラインナップはこちらから

 

 

 

 

 

 


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