使う人数によるテーブルサイズの選び方は?
2023.12.5
目次
ダイニングテーブルの役割の変化
ダイニングテーブルの主な役割とそれを使用する目的は「そこで食事を行う」というものです。
ひと昔前、ダイニングキッチンとリビング(居間)が明確に区別された間取りではまさしくそれがダイニングテーブルの存在意義でした。
時は流れ、キッチンもオープンスタイルが一般的となり、ダイニングスペースはリビングスペースと間続きであるLDKスタイルが主流となっています。
物理的にも感覚的にもダイニングとリビングの持つ役割に明確な線引きが無い状態は、その空間での過ごし方の多様化をもたらしました。
結果として、ダイニングテーブルは食事を行うためのものとしてだけではなく、個々の作業を行う場ともなり、来客に対応する場や寛ぎを担う家具となっています。
使用する人数と空間に無理のないサイズのテーブルを選ぶ
その場での滞留時間が長いことは、ダイニングテーブルにおいては「それを使用する時間が長い」ことを意味します。
ダイニングテーブルというのは食事やその他の作業を行う場であり、そこには心身ともに快適性が求められます。
それは一緒に使用する人がいるという前提において誰か一人だけが快適であれば良いというものでは当然なく、使用する人全員が快適でないといけません。
家族や一緒に過ごす人の人数も多様化している時代、実際の使用感や周囲のスペーシングに窮屈感が無いようにするためには、使用する人数を想定し、空間の中で無理が生じないサイズのテーブルを選ぶ必要があります。
テーブルサイズを決定するのに知っておくと良い「数値」
テーブルで食事や作業を行う際に1人あたまで必要なスペースは、一般的に「横幅60cm×奥行40cm」といわれています。
使用人数におけるテーブルのサイズの割り出しはこれを基準に行っていきます。
そのうえで、その空間においての椅子の出し引きや周囲の回遊性をふまえたサイズ決定が必要です。
人が無理なく回遊するスペースとして確保しておきたいのは肩幅を基準とした「60cm(程)」。
他の家具との距離感が近くなりすぎない(=圧迫感が無い)スペースは「100cm(程)」です。
椅子の出し引きにも最低限「60cm」は確保しておきたいところ。
無理のない出入りや、着座している人の後方を回遊することが想定されるなら90cm程度は必要です。
これは肘掛け付きの椅子を使用する際にも同様です。
これらを組み合わせて、使用人数と空間に無理が無いサイズを決定していきます。
「最大」ではなく「主に使用する」人数で考える
使用人数によるテーブルサイズの決定では「最大何人で使うのか」という想定を行いがちです。
これは間違いではありませんが、想定を重ねていくうちに無尽蔵にテーブルが大きくなることもありえます。
スペースに余裕があればそれでも問題ありませんが、そうでない場合、つまり空間に限りがある場合は「主に使用する人数」で考えた方が良いでしょう。
1人あるいは2人暮らしなのか、3~4人家族なのか、あるいはそれ以上か。
その人数に基づき、さきの「1人に必要なスペース」をふまえるとおのずと適正なサイズは割り出すことができます。
4人掛けは?6人掛けなら?
例えば、4人掛け」なら「幅150cm・奥行80~90cm」あれば、2名が無理なく並び、向かい合う人とも近すぎないサイズとなるでしょう。
2名並んだ際の距離感をより確保でき、互いのスペースに余裕のある使用が可能です。
テーブルの妻手(=短辺)に常時誰かが着座している状態=5人掛け想定なら「幅165cm」前後は欲しいところ。
しかしこのサイズでも常時6人が着座するテーブルとしては少々物足りない、あるいは窮屈な感が否めません。
これについては最低限「幅180cm」としておきましょう。
これで「長手(=長辺)に2名×2=4名、妻手に1名×2=2名という、いわば「テーブルを囲む」着座配置においても無理のないサイズとなります。
「最低限」としたのは、6人掛けの定義の解釈の違いがあります。
テーブルの妻手側は考慮せずに、「テーブルの長手側に3名着座×2で6名」という解釈もあるためです。
この場合でも「幅180cm」あれば着座だけなら可能です。
ただ、あくまで「それぞれがぎりぎり着座できる=互いの距離が非常に近い着座」となることから、長手に3名着座する想定であればあまりお勧めはできません。
その場合の理想は「幅240cm」。
ただし、「幅240cm」のテーブルはある程度の広さを持ったLDでもそうそう置くことはできません。
現実的なのは「幅180cm」から「幅210cm」程度でしょう。
「長手に3名並んで着座する際のベストなテーブルサイズ」といえます。
プランニングの重要性
使用人数をもとにしたおおよそのテーブルサイズの目安が確認できたら、それを実際の空間に置いても無理が無いかどうかも確認していきます。
それが「プランニング」です。
これはさきの「テーブル周囲にどの程度のスペースが欲しいか」という点を基に、間取り図などを使用して割り出していきます。
結果として、幅165cmは欲しいが150cmにしておこう、というケースや逆に150cmで考えていたが165cmが置けるならそれでいこう、という「正解」を導き出しやすくなります。
実際にテーブルを配置して「大きすぎた」「小さすぎる」という失敗は少なくありません。
長い期間、しかも毎日のように使用するものですので失敗が無いように万全の準備をしてサイズを選ぶ必要があります。
同時に空間に対して使い勝手と見え方の双方で最適なレイアウトを確認する手段ともなります。
製図やCGシミュレーションなど可視化されたものならわかりやすく、イメージも湧きやすいというものです。
私ども家具蔵では、専門のプロスタッフが家具の決定の際に3Dシミュレーションを含めたプランニングを常時無料で行っています。
どうぞお気軽にお声がけください。
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