アームチェアを選ぶときの注意点とは?
2023.12.20
目次
アームチェアとアームレスチェア
チェア、つまり椅子には様々な種類が存在します。
それらをある条件でセグメントすることもでき、代表的なもので言えば「肘掛け有り」「肘掛け無し」となります。
肘掛け有りは「アームチェア」、肘掛け無しは「アームレスチェア」と呼ばれており、どちらを選ぶかはルックスの違いによる好み、あるいはアーム部分を含めた総合的なデザインの完成度を左右し、当然座り心地や使い勝手という実益的なものにも影響します。
いわゆるリビングスペースで使用するようなリビングチェアやパーソナルチェア、イージーチェアといったものは肘掛け、つまりアームが装備されていことが殆どです。
一方で食事の際に使用するダイニングチェアは肘掛け無し、つまりアームレスタイプであるケースが多く見られました。
これにはいくつかの理由が存在します。
リビングにアームチェア、ダイニングにはアームレスチェアという理由とは?
まず、アームチェアをそれたらしめる一番の要素である「肘掛け」は、そこに自身の腕を置いて身体を支える部分を2か所増やすためのものです。
肘掛けに腕を置くことで体圧の抜け道が2つ増え、身体の他の箇所への負担を軽減します。
疲れにくい着座においては効率的な体圧分散が非常に効果的です。
肘掛けにはそれを助けてくれる効果があることで、楽な姿勢で長時間着座することが想定されるリビングスペースで使用する椅子で用いられるようになっています。
同時にダイニングスペースにおいて肘掛け無しのアームレスタイプを用いる理由は、やはりその滞在時間やそれに伴う移動の頻度にあるといって良いでしょう。
ダイニングスペースは食事の場であり、それ以外のことはリビングスペースで行うのであれば、必然ダイニングスペースでの滞留時間が少なくなります。
それは椅子からの着脱、つまりテーブルからの出入りが多いことを意味します。
肘掛けが無い方が「横への動き」つまり「座る・立つ・移動する」という動作が容易になることが、ダイニングスペースで使用する椅子にはアームレスタイプが多く用いられた一つの要因です。
また、ダイニングスペース自体があまり大きくなく、そこに置くテーブルのサイズもそこまで大きくできなかったことは、端的に言えば「場所をとる」アームチェアよりもコンパクトにまとまるアームレスチェアを選ぶ傾向が強かった理由としては頷ける話です。
ダイニングにもアームチェアが増えてきた要因は
このような事情があるなかで、ダイニングスペースでもアームチェアを使用することは決して珍しくなくなってきました。
これは間取りや住まいでの過ごし方の変化、それに伴うダイニングテーブルの大型化に大きな要因があります。
リビングスペースとダイニングスペースがひとつの空間となっているリビングダイニングが多くなり、食事はダイニングスペースで、その他の時間はリビングスペースで、という明確な線引きが無くなってきたことは、本来食事の場であったダイニングテーブルで「食事以外のこと」を行う機会を増やしました。
食事だけでなく、個々の作業や来客への対応なども一括してダイニングテーブルで行うようになると、その場の滞留時間も長くなります。
そこに居る時間が長いということは着座している時間が長くなるということであり、アームチェアを選ぶ必然性が増してきます。
また、そこで行うことが増える、あるいはそこで過ごす人が多くなればテーブルも大きなサイズが必要になり、それを選ぶことがスタンダードとなっていきます。
それもサイズが大きくなりやすいアームチェアを取り入れやすくなっている理由の一つです。
アームチェアの種類
アームチェアには、主にアーム部が座面の先端程度まである「フルアーム」と、座面の半分程度からさらに短い「ハーフアーム」「セミアーム」があります。
フルアームは腕を載せておける部分がより大きなことから体圧分散性も高く、安心して身体を椅子に預けきることができます。
ハーフアームやセミアームは肘掛けが短い分、椅子からの出入りが容易であったり、斜めを向くなどの着座の際の姿勢の変更が容易であることから姿勢の自由度が高いタイプです。
どちらを選ぶかは暮らしのスタイルや座り心地など、椅子に何を求めるかという点によって変わります。
デザインの違いも重要な部分です。
いずれにしてもダイニングテーブルにアームチェアを合わせる場合には気を付けておかなければいけない点が2点あります。
アームチェア導入時の注意点
まずはテーブル周辺のスペースの確保です。
テーブルを置く際には「引きシロ」と言われる、椅子の出し引きに必要なスペースの確保が必要です。
アームチェア、特にフルアームの場合は椅子を全て後方に出し切らないと出入りができないので、その余裕を確保したレイアウトやテーブルサイズの設定が必要になります。
着座している人の後方を別の人が回遊することを想定したテーブルと壁などの遮蔽物のスペースの理想は80~90cmと言われます。
それだけあればフルアームでも余裕を持った着脱が可能です。
フルアームの場合はその椅子の肘掛高がテーブルの天板下の高さに収まるかどうかも確認が必要です。
もしテーブル下に椅子が収められないとスペースをとるだけでなく、着座しての各種作業も行いにくくなります。
椅子の肘掛高はカタログ等では「AH(アームハイ)」で表記されているので、今後使用する予定のテーブルの天板下の高さと鑑みて、確認を行うようにしましょう。
また、ハーフアームやセミアームでもその椅子の設計上、肘掛高が高めに設定してあり、テーブル下に椅子が収まりきらないものもあります。
そのようなものはコンセプトや意図があってそうなっているので、椅子がテーブルから半分程度出ている状態を常として、そのうえで出入りや周囲の回遊に問題ないレイアウトやテーブルサイズを選択するのが理想です。
この場合はテーブル下の高さについては考慮しなくても問題ありません。
椅子はインテリアでありながら日常で使用する道具です。
テーブルへの収まりや出入りなども使い勝手のうちに入り、それらが快適である方がより良い使用感を得ることができます。
しかも自身の身体を預け、長い時間をそこで過ごすものであれば座り心地もたいへん重要です。
私ども家具蔵では、40をゆうに超えるデザインの無垢材チェアをご用意し、あらゆる人の暮らしに対応できるように準備しています。
また、失敗が無いように細かいヒアリングやシミュレーションを行いながら間違いの無い椅子選びをサポートしていますのでどのようなチェアが自分に合うのか迷われた際には、家具蔵各店にお気軽にお立ち寄り下さい。
スタッフ一同お待ちしております。
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