「テーブルはそのまま」「椅子だけを買い替える」際に気を付けることとは?
2024.3.22
家具を買い替えるという状況
これまでの人生の中で全く家具を購入したことが無い、という人はあまりいないはずです。
一方で家具をかなりの頻度で購入するという人も一部のコレクターなどの人を除いてそう多くはないでしょう。
じつは家具の購入という「イベント」はそう頻繁にあるものではないのです。
ものの性質上、一度購入するとある程度長い期間利用することも多く、決定的な破損がない限りは多少の傷みがあっても使い続けることも珍しくありません。
とはいえ、決して多くはないとしても家具を購入する機会は必ずあるはずです。
あるいは今まで使用していたものを買い替える、ということは十分にありえます。
使用できなくなるほど破損してしまった、メンテナンスをすれば使用し続けることができるがその費用を考えると購入した方が割安、引越し先にサイズや雰囲気が合わない、気分を一新したい…、その理由も様々です。
テーブルはそのままで椅子を購入するのはよくある
ダイニングテーブルとそれに付随するダイニングチェアはセット販売されているものも多く、同時に購入することが多いものです。
同じ時期に使い始めてどちらが先に傷みが激しくなるか、という定義をするのであれば、例外的なものを除いてダイニングチェアが先であることが多くなります。
その理由は使用条件の違いにあります。
椅子は「座って使用する」、つまり自身の全体重を受け止めるものです。
着座時の衝撃だけでなく都度の出し引きを含め、クッション部や各部の接合箇所には相応の負担があり、それが多くの椅子の場合、傷みや劣化に繋がりやすくなります。
テーブルもその表面に傷などがつくことはありますが直接的な衝撃を常に受け続け、体重がずっと掛かっているわけではありません。
それはダイニングテーブルとダイニングチェアが同時に購入されたものだとしても、月日が経ってテーブルはそのまま使用する一方でダイニングチェアのみを買い替えるということが多くなることに繋がります。
引っ越すことでダイニングテーブルのサイズを大きく(小さく)したい、テーブルの傷みが激しいために見栄えがしないので買い替えたい、などの理由でこれまで使用していた椅子はそのまま使用しながらテーブルのみを買い替えるケースも勿論あります。
あくまで「どちらが多いケースか」という点ではありますが、今までの椅子を残しながら追加の椅子を購入するというケースを含め、テーブルはそのままで椅子のみを購入するというのはよく見られる状況です。
必ず気を付けておきたいのは「差尺」
その時に「気を付けなければいけないこと」とはどのようなものがあるでしょうか。
今までとまったく同じものを買い替えれば、これまでの空間の雰囲気やテーブルとの見た目のマッチングも変わらないものになりそうです。
しかし、買い替えが必要な時期にそれが既に販売されていないという事態はありえます。
あるいは実は座り心地に不満があったということなら、やはり自身の求める座り心地がある椅子を揃えたいものです。
それによって今使用しているテーブルとはブランドなどが異なるものを選ぶこともあるでしょう。
そこで絶対に気を付けておきたいことは「テーブルの高さと座面の高さのバランス」です。
これはすなわち双方の高さの間隔、つまりギャップです。
テーブル天板と椅子の座面高のギャップを「差尺」と呼びます。
最適な差尺には基準があり「28~30cm」が無理のない姿勢で食事や作業ができる数値です。
例えばテーブルの天板高が70cmなら合わせる椅子の座面高は40~42cmであるのがベストというわけです。
ここから許容して良いのはせいぜいプラスマイナス1cmほど。
本来、椅子は着座した際に足裏が床に着くことがベストです。
その座面高から差尺をふまえたテーブルの天板高が導き出されるべきですが、テーブルは既存のものを使用する=既にテーブルの天板高は決まっているのであれば、仮に着座時に足裏が床に着かないとしてもこの差尺を優先させるべきです。
この点を軽視すると「椅子の座り心地は良いが食事や作業がしにくく疲れやすい」「合わない、失敗した」となります。
ダイニングチェアのみの買い替えの場合は今使用しているテーブルの「床から一番上までの高さ」を確認しておくことをお勧めします。
天板下や脚間も確認する
逆にテーブルの天板下の高さも重要です。
これは肘掛け付き、それも肘掛けが長いフルアームチェアを選択する場合に特に大事なこととなります。
天板下の高さいかんでは肘掛けがテーブル下に入らずに使いにくい、あるいはスペースを大きく占めてしまうことによる周囲の回遊性の欠如にも繋がります。
天板下に幕板がある場合はそれも含め床から何cmあるかを確認しておくことも重要です。
他にもテーブルの脚と脚の間=脚間も検討している椅子を並べて問題なく収納できるかという点で重要です。
天板上の高さだけでなく、天板下・脚間もしっかりと事前に確認をしておいて販売店のスタッフに伝えれば「高さが合わない」「椅子が入らない」という失敗を防ぐような椅子選びが可能になります。
家具蔵の無垢材チェアは長く使用できる
テーブルはそのままで椅子のみを買い替える場合の注意点をみてきました。
一方で「長期間使用していても買い替えの必要ない椅子を選ぶ」という視点があっても良いはずです。
家具蔵の無垢材チェアは非常に高い強度を誇り、何十年も使用できるように作られています。
無垢材はそもそも非常に剛性の強い素材ですが、特に広葉樹材は堅く、揺れや荷重に強い、つまり椅子に向いているものです。
それらのなかから厳選した8樹種を熱で蒸して曲げることなく「削り出し」でパーツ製作することで内部の繊維構造も傷めずに耐久性を高めます。
それらは「木は木で締める」という考え方のもと、ビスや釘といった金物は一切使わずに木組みで製作されます。
特に一番負荷のかかる座面と脚の接合箇所や背もたれ部の接合には独自の技術を生かし、強度の担保に努めています。
それらはすべて見た目の軽やかさと高い強度を実現させており、結果として非常に長い期間使用できるものとなります。
もし万が一の事態があっても直営工場ですべての事態に対して修理が可能です。
同じものを新しく購入するよりもはるかに格安で綺麗な状態でお返しします。
私ども家具蔵では椅子のみのご購入の方には必ず現在のテーブルの高さを確認し、お届けしたあとに使いづらさを感じないように心がけています。
また、同時に家具蔵の無垢材チェアはその後何十年も買い替えを必要とせずに長く愛用できるものとなります。
熟年の職人が厳選された無垢材を駆使し、手仕事をふんだんに取り入れながら仕上げる椅子は座り心地の良さだけではなく木の温もりも感じられます。
ぜひ椅子選びの際には家具蔵各店へもお立ち寄りください。
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