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「ナラ」にはどのような種類があるか?

2024.3.28

 

 

ナラにはいくつかの種類が存在する


 

 

秋になると公園などに落ちているドングリ。

子供の頃に夢中で集めて持ち帰った、もしくはお子様が拾って持って帰ってくる、そのような経験を持っている人もたくさんいるでしょう。

これはすべて「ブナ科」の木に生るもので、樹種ごとにドングリにも特徴があります。

そのなかのひとつ「ナラ」から採ることのできる材は、現代では主に家具材として高い人気を誇るものです。

そして、このナラにはいくつかの種類が存在します。

 

このドングリは何の木に生ったものか?


 

 

ブナ科の木は全部で600種類にものぼりますが、そのなかで有名なのはナラの他にカシワ、クヌギ、アベマキ、クリ、そしてもちろんブナもそのひとつです。

ブナからとれるブナ材は「ビーチ材」として家具やフローリングの材料としても親しまれており、ビーチ材を使用した名作家具も多数存在します。

同じブナ科でも落葉樹はナラ(楢)、常緑樹はカシ(樫)と分けて区別されます。

それぞれに特徴があるなかで共通するのは「ドングリの実が生る」ということでしょう。

ちなみに、ドングリの実の上部に帽子状に被さっている外郭部分は正しくは「殻斗(かくと)」と言います。

この殻斗と実の形状により、どの木から生まれたドングリかが分かります。

殻斗に無数の棘状の部位があり、果実本体が丸味を帯びて且つ大きめのものは「クヌギ」や「アベマキ」。

殻斗に棘などが無く、実が太く長い場合は「ミズナラ」や「ナラガシワ」。

同じく殻斗に棘などが無く、ミズナラやナラガシワと比較して果実が小さめなら「コナラ」。

同条件で実が細長い場合は「マテバシイ」です。

「クヌギ」はクワガタやカブトムシが集まる木として有名です。

なお、クヌギの樹皮には特徴が(ゴツゴツとした凹凸が)あるため、立ち木の様子を見ても区別がつきやすく、小さな頃に虫取りで直に触れたことがある人も多いかもしれません。

ミズナラは本州でも山間部に多く、都市部ではなかなか見ることができません。

都市部に分布しているナラの多くはコナラであり、東京近辺でドングリを発見したならそれは「マテバシイ」のものかもしれません。

 

オーク材との違いと家具材以外の使用方法


 

 

ナラ材とほぼ同じものと言っても差し支えない質感や雰囲気、使用方法である「オーク」材との違いはその分布地域にあります。

一般的にオーク材と表現されるものは「ホワイトオーク」を指すことが多く、ホワイトオーク材は厳密にはナラ材ではありません

ナラの分布地域は主に日本・中国・ロシア。

一方オーク材は主に北米が原産地となっており、ナラよりも重く、木口に見られる放射組織が大きいのが特徴です。

色味がナラ材よりやや白いホワイトオークと、少し赤みがかったレッドオークがあります。

日本のナラ材は、明治時代以降の一時期はヨーロッパをはじめとする世界各国へも「ジャパニーズオーク」として盛んに輸出されていました。

かの有名な建築家であるフランク・ロイド・ライトもこの美しさに魅了され、帝国ホテルのライト館の各部に好んで使用していたとされています。

ナラ材は現代では家具材や床材、あるいはウィスキーを醸造する樽などに使用されるものとして有名です。

導管を塞ぐチロースという組織が発達しているため、木に液体が入り込みにくいことからウィスキーやワイン樽などに使用するのに適しています。

日本ではサントリーが入手の難しいシェリー酒に使用していた「シェリー樽」の代替品として、ミズナラの樽を使用してウィスキーを熟成したところ、繰り返し樽を使用する中で生まれた独特の香りにより、「ジャパニーズウイスキー」の価値が世界に認められる様になったという経緯があります。

他にもその固さによってシイタケ栽培の原木や鉄道の枕木に活かされるなど、実に様々な場所で使用されてきました。

火持ちが良いため、バーベキュー用の木炭にも使用されています。

 

家具蔵のナラ材家具づくり


 

 

私ども家具蔵でも取り扱いのある樹種には常にナラ材をラインナップさせています。

ホワイトオーク材やレッドオーク材を使用したテーブル天板なども各店にストックされているのでその違いを比較してみるのも面白いでしょう。

テーブルやチェア、ソファやベッドだけでなく各種収納家具も含め、すべてナラ材で統一させることも可能です。

また、他の樹種同様にナラ材が本来持っている質感と木目を生かすため、無着色仕上げにこだわっています。

じつはナラ材はその水分量の多さと材質の特徴から乾燥工程を長い期間要することもあって取り扱い自体が非常に難しい樹種です。

一方で乾燥工程が十分でないとすぐに反りや歪みに繋がり、長期の使用が難しくなります。

北欧やヨーロッパの家具でもオーク材のヴィンテージは多くありますが、その魅力は長く使用する程に発揮されるものです。

色合いも徐々に変わっていき、その様子を楽しむことができるのもナラ材の魅力のひとつ。

ナラ材の魅力を存分に堪能し、同時にいつもの暮らしの中でできるだけ長い期間愛用してもらうために、例えば乾燥志しがちな冬の室内でも加湿器を使わずに使用できるレベルにしています。

 

 

無垢のナラ材の家具は明るすぎず、濃すぎず他のどんな家具や床材ともよく馴染みます。

柾目であれば優しい表情を持っていて、周りのどんな家具も受け入れてくれます。

まるでずっとそこにあったかのような馴染みの良さに、虎斑という杢でしっかりと私たちの目を引き付け、存在感を発揮するのです。

着色をしていない無垢材の家具であれば、元から森がそうだったようにお互いを受け入れ、心地の良い空間へと導いてくれます。

多くの人や動植物を受け入れてきたナラ材だからこそ、どんな家具や内装も許容し、ひとつにまとめ上げてくれます。

優しく包み込んでくれる心地の良い無垢のナラ材の家具には多くの人が自然と集います。

そしてそこにいつも豊かな時間をもたらしてくれるのです。

人々の暮らしに寄り添い、温かく心地の良い空間へ誘ってくれる無垢のナラ材家具をご自宅に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

家具蔵のナラ材家具のある暮らしの事例はこちらから

 

 

 

 

 

 


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