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木組み製作で無垢材家具の強度はさらに高まる

2024.5.27

 

 

家具に求められるものは「丈夫さ」「強度」


 

 

家具に何を求めるか、という点についてはそれぞれに意見が分かれるものです。

ある人はデザインや自宅との適合性を、ある人はそれを使用する際の快適性を、もしかするとブランドやデザイナーが一番重要であると考える人もいるかもしれません。

それぞれに重視する部分は異なるとしても多くの人が必ず求めるものがあるとすれば、それは「丈夫であること」でしょう。

家具はインテリア、つまり見て楽しむ要素があると同時に日常で使用する道具としての側面も色濃く持っています。

普段使いの道具がすぐに使えなくなるのはやはり良くありません。

また、高額で購入したもの、あるいはお気に入りのものがすぐに使えなくなってしまうのも避けたいものです。

家具には丈夫であることが常に求められ、そのために素材が進化し、または再評価され、同時にそれぞれのパーツの接合についても強度を高める工夫がされています。

 

無垢材は高い耐久性がある


 

 

家具素材には様々なものが存在しますが、無垢材はその耐久性において非常に優秀な素材であり、はるか昔から世界中で使用されていながら次々と新素材が出てくる現代においても多くの場面で家具材に使用されています。

なかでも特に広葉樹材は「強度があり傷がつきにくく、揺れに強い」素材です。

広葉樹は強度があるので重量のあるものを収める可能性のある収納家具や長期に渡って使用することになり、そのなかで傷などがつく可能性も高い(つまり傷がつきにくいものが良い)ダイニングテーブルにも向いています。

また、中身の組織の密度の濃い広葉樹は揺れにも強いので、同じくテーブルに、そしてソファーや椅子のフレームに最適です。

広葉樹である「ウォールナット」「チーク」「マホガニー」が「世界三大銘木」と呼ばれているのはその美しい色味や木目の表情、加工性や剛性も勿論ですが、そうした理由もあるのです。

 

無垢材家具は木組みで製作することで強度が高まる


 

 

その高い剛性を持った無垢材を家具材としていくつかのパーツを接合させるのにもっとも適しているのが「木組み」といえます。

元々木造建築の技法として知られる木組みは、それぞれのパーツを組み合わせる際に、金物(ビスや釘の類)を使用せずに加工を施し、組み上げていく技法です。

世界最古の木造建築でもある奈良県の法隆寺も、この伝統的な木組みを用いて建てられています。

1300年以上経っても私たちの目の前に立ち続けていられることこそ、木組みの技術が長い年月にも対応できることを物語っています。

この木造建築に於ける部材同士を接合する用語は非常に多く、代表的なもので「継手(つぎて)」「仕口(しくち)」「組手(くみて)」「差口(さしくち)」「矧ぎ(はぎ)」などがあります。

明治39年に刊行された建築辞書「日本建築辞彙」によると「継手は材同士を継ぎだす接合方法」「組手は部材が交差する箇所の接合方法」「差口は一方の材側面に他の材を取り付ける接合方法」を指すとあります。

また仕口は角度を保ちながら材料を組み合わせる際に使われます。

矧ぎは板材などの長手面における接合方法を指すものです。

世界的に見ても木組みの歴史は古く、古代エジプトや古代ギリシャ、あるいは古代ローマ文明でも木組みを使った家屋の記録があります。

そして、木組みは当時の加工技術から時代と共に更に様々な技法として発展をしていくのです。

 

木組みがもたらす効果とは?


 

 

家具製作だけでなく、家屋の建築などでも釘やボルトを使うのは手間も軽減され大量生産にも向いています。

しかし、この手法は長期間の使用状況のなかで、木の繊維を金属部分が壊してしまい、ぐらつきやがたつきに繋がることにつながりがちです。

多くのものが大量に生産され、安価に手に入る時代においては耐久性に重きを置かない選び方がある事も事実です。

一方で持続可能な社会が叫ばれる現代において、今まさに木組工法の家具は大きく見直されているとも言えます。

長期使用可能なものは環境にもやさしく、また長い伝統に裏打ちされた技法は歴史の継承にも繋がります。

伝統ある日本の木工文化の継続にも繋がるのです。

 

家具蔵の木組みによる家具製作


 

 

木組みであればなんでも良いか、というとそういうわけではありません。

木組みは手作業に頼るところが大きいため、精巧な技術(とそれを持つ職人)が必要です。

つまり、製作する職人の技術差が木組みの家具では如実に露見します。

木組みの家具を選ぶ際には自社工場で熟練の職人が常駐する、歴史のあるところで選ぶことが必須です。

また、木組み製作は手作業が多く、手間暇がかかります。

機械工程で大量生産することができない木組み技術は職人が一点一点丁寧に作業をしていきます。

そうするとコストが上がり、価格も跳ね上がるのでは…と考えてしまいます。

家具蔵の場合はパーツの切り出し、大まかな面取りなどの部分には機械加工も取り入れ、加工効率をアップさせながら日本が誇る伝統の木造建築の工法を家具作りに活かしています。

「機械のスピードに頼るところ」と「手間をかけるところ」をバランス良く振り分けることで長く使うことのできる高品質な製品のコストダウンを図っているのです。

木目の流れを活かしながら各パーツを木取りし、それぞれのパーツは絶妙で滑らかなラインへと削り込んでいきます。

曲木では実現できない個性豊か年輪の表情が美しく現れ、彫刻のような複雑な造形を可能にします。

木目もデザイン、と考えるが故の製法です。

そして日本が誇る伝統の「木は木で締める」木造建築技術を応用した木組みにより接合していきます。

安易に釘などの金物に頼らないことが強度を確保し、何世代にも渡って使い込むことのできる丈夫さに繋がるのです。

そして、一生モノの家具になっていくそれは、単なる家具ではなく「愛着」が持てるものになるというメリットにもなっていきます。

 

 

どんなに美しいラインのチェアやテーブルといった家具であっても、接合部分で鉄製のビスなどが露出していれば興覚めです。

木組みにはビスやクギ、ねじなどの金具からは感じることのできない、作り手の「技術」や「手間」を見せてくれます。また、そこには温もりさえも感じさせてくれるのです。

大量生産の家具にも良い部分はありますが、木組みで丁寧につくられた家具にはより多くのメリットが存在します。

木の温もりと共に、熟練の職人の技術と手間が込められた家具を実際に家具蔵各店に見に来てください。

 

家具蔵の無垢材家具作りの詳細についてはこちらから

 

 

 

 


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