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アームチェアに座ると「楽に感じる」理由とは? 

2024.8.6

 

 

疲れているとどこかに身体を預けたくなるものです。

その一例が「座る」という行為です。

長時間立っている場面や、長い距離を歩くとどこかで腰を下ろしたくなります。

そしてそれはたいへん快適に感じます。

座る、という行為は基本的に身体の負担を減らし「楽」に感じるものです。

ただ座るだけでも楽に感じますが、仮に肘掛けが左右(あるいは片方)にあった場合、そこに肘を置くとさらに快適に感じます。

「肘掛け付きの椅子は寛ぐことができる」という認識は誰もが持っているものですが、それはいったいなぜでしょうか。

 

肘掛けがあると楽なのは「体圧分散」が理由


 

 

座るという行為は端的に言うと自身の身体をどこか(地面や床・椅子など)に預けるもの、つまり自重による負荷をその場に預けることによって身体の負担を軽減するものです。

種別の違いはあっても多くの動物がこの「座る」という行為を日常の中で選択し、過ごしています。

人の暮らしの場合も、床や建造物の上に直接座るという状況も含め「座る」=お尻を下ろしてどこかに落ち着くという行動は一日のうち何度も行っています。

ここでポイントとなるのが「どの部分を座面となる場所に預けているか」という点です。

座ることにおいて、どこかに自身のお尻を預けることはその行動の最低条件です。

お尻が床や地面、椅子の座面などに触れていなければそもそも「座る」という行為には当たらず、それは「立っている」「中腰になっている」と表現されます。

そのうえで身体を預けることができる部分が多い方がより身体は休まります。

自重をどこかに預ける場合、その部分が少ないと負荷の掛かり方に偏りが出て、その部分が疲れやすくなってしまいます。

一方、負荷が掛かる部分が分散される、例えば座った際にお尻だけでなく太もも裏、足の裏、背中とバランスよく身体を預けることができれば負荷は分散され身体の一か所に過度な負担が掛かることも少なく、より効率よく身体を休めることができるのです。

これを「体圧分散」と言います。

 

肘掛けは「腕の重り」を置ける場所


 

 

この考え方から「肘掛けがある椅子=アームチェアは楽に感じる」という理由にも明確な回答を導き出すことができます。

つまり、肘掛けは椅子に着座した際に身体の負荷が掛かる部分を分散させる=体圧分散性を高めることで身体全体の負担を軽減し、楽に感じさせてくれるのです。

人の腕というのは一説によると自身の体重の約1割を占める、と言われます。

体重60kgの人で考えると約6kg、片腕で3kgずつの計算です。

この人の場合は常に3kg×2の荷物を両腕に持っているのと同じと言っても良い状態です。

その「重り」をどこかに置くことができたら?

それだけで身体が楽に感じるのも納得です。

 

椅子の選定のポイントは「見て・座って・確かめる」


 

 

では肘掛け付きの椅子(アームチェア)であれば何でも良いのか、というとそういうわけではありません。

重要なのは自身の身体にあった形状を持った椅子を選ぶことです。

一言で椅子、といっても非常に様々なものがあるのでその中で見た目の=デザインも含めてどのようなものを選ぶかが日々の快適性を左右します。

その際の選定ポイントは「見て・座って・確かめる」ことです。

一見当たり前のことではありますが、この点を深掘りすると納得の椅子選びとなるはずです。

 

 

まずは「見る」。

椅子はインテリアでもありますから、見た目が気に入るか・自身の部屋に合いそうか、という点は重要です。

まずはここから即「座って」に移ってもよいのですが、もし機会があればそれがどのような素材や作り方で、どこで作られているのかなども確認すると良いでしょう。

次に「座る」。

ここが一番肝心です。

多くの人は家具販売店などで試座する際に正面から座ってごく短い時間、分数になおして1分もそこには座らずに「座り心地」を確認します。

もちろん、最初に腰を下ろした際のフィット感やインプレッションも重要ですが、実際に家などで使用する場合はもっと長い時間、場合によっては数時間もその椅子に座ることも想定されます。

その際に考えられることは「姿勢が動くこと」です。

店舗では正面から行儀よく座っていても家でリラックスしている際の座姿勢はもっと崩れているかもしれません。

足を組むのが好きな人もいれば斜めに身体を預けることもあるでしょう。

あるいは浅く座って背中を後ろに傾け「ダラっ」と座る場面もあるかもしれません。

仮に座面の奥までお尻を預けきちんと座ることが多い人でも長時間座ると少しずつ体は動いていきます。

試座の際にはそれを想定して様々な姿勢をとってみることが重要です。

これが「確かめる」ことになります。

その際に正面から座ったら問題ないが斜めを向くと窮屈、とか肘掛けが長すぎて出入りがたいへんそう、という感想を持ったのであれば別の椅子を選ぶことが得策かもしれません。

どのような姿勢でもフィット感が損なわず、使いやすい椅子というものは必ずあります。

そしてそれは人によっても変わります。

良い椅子に巡り合うためには「見て・座って・確かめる」ことが重要です。

 

 

その他にも「足の裏がしっかり床に接地する」「使用するテーブルと高さが合っている」など確認すべき点はありますが、特にアームチェアを選ぶ際にはこの「椅子の中で様々な姿勢をとる」ことが重要です。

暮しを支えるチェア選びは一人一人にその快適性が変わります。

自身に合ったチェアを実際に触れて体感するお手伝い、私ども家具蔵でも行っていますのでお気軽にお問い合わせください。

 

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