木の真珠・ハードメープル
2019.3.18
ハードメープルとは
学名:Acer Saccharum
科目:カエデ科 落葉広葉樹 散孔材
原産:アメリカ北東部(五大湖周辺)、カナダの寒冷地に植生。
特徴:高さ30~40メートルになる落葉高木。
辺材は淡く黄色がかった乳白色。心材は金褐色。
山の裾に生育するため、川や滝などの地面の振動や吹き下しの風を受けやすく、そのため、成長過程で縮み杢などの装飾性の高い表情がでる。
メープルと聞くとカナダ原産のメープルシロップを思い浮かべる人も多いことでしょう。
カナダ東部~アメリカ北東部にかけての五大湖周辺に広く分布しているメープルは、カナダの国旗にその葉が描かれていることでも有名です。
メープルシロップはこのシュガーメープルの樹液から採取されますが、メープル材もこのシュガーメープルの木が材料となっています。
メープルの木は日本だと楓の木になりますが、日本原産のものはカエデ材と呼ばれる別物で、
北米から輸入したカエデ材をメープル材と呼ぶ傾向にあるようです。
中でも太古から人々の暮らしに密接なかかわりを持っているのが、シュガーメープル、ブラックメープル、ロックメープルに代表される硬質なハードメープルです。
(ハードメープルよりも約25%材質が軟らかい、ソフトメープルもあります。)
北米ではホワイトアッシュと同様に、生活道具や建物などに盛んに使用されてきました。
伐採は常に真冬のマイナス30℃にもなるなかで行われます。
その理由は、樹液の糖分の分泌が活発になり黄色くなるのを避け、白いままの表情を活かすためです。
また汚れが付かないよう細心の注意も必要で、ハードメープル独自の木の白さを活かすための努力があっての美しい木肌なのです。
さらに、水分を多く含んでいるため乾燥にも時間が掛かり、反りも大きくでます。
中でも特に木肌が綺麗で世界一の評価を得る「シュガーメープル」はキズや節も多く混在し、着色することなく均一な良材を確保するのは非常に難しいのです。
北の銘木・ハードメープルの魅力とは
ごく稀に(2000本に1本程度の割合で)、「鳥目杢」(バーズアイ)と呼ばれる小鳥の目のような渦巻状の斑点が木目の中に表れることがあります。
非常に稀少価値の高い材として、通常の20~50倍という価格で取り引きされます。
まさに北の大地が育んだ奇跡の木材と言えるでしょう。
厳しい寒さや雪の重みに耐えて生長した北米産のハードメープルは衝撃や摩擦に強い素材です。
ダンスホールのフロア、ボウリング場のアプローチやピンなどに使われることでも知られています。
また、明るい乳白色から独特の飴色に変化していく美しさ、緻密な木理に見られる絹糸のような光沢は、清潔感と透明感にあふれ、ピアノの枠組材やバイオリンの背板などとしても賞用されています。
衝撃性に強いのでメジャーリーグでも活躍した元プロ野球選手バリー・ボンズが愛用のメープル材のバッドで年間73本塁打の新記録をマークして以来、バット素材として引っ張りだこになっています。
光沢と爽やかさが魅力
ついつい触れたくなるような滑らかな木肌と、自然光を優しく照り返す明るさ、おだやかな木目、どんな空間でも優しく包み込むような魅力のあるハードメープル。
上の画像もやさしい色調のフローリングに家具蔵のメープル材でつくられたソファとダイニングセットの組合せが、爽やかで清潔感のある空間をつくりあげてくれます。
どんなテイストのスタイルや空間にも自然に溶け込む、メープル材特有の艶やかな上品さと絹糸のような光沢感が魅力的です。
ハードメープルが似合う空間とは
特にキッチンから繋がるダイニングゾーンは家族全員の生活の中心であり、そこを明るく優しい雰囲気にしたいというイメージをお持ちの方も多いでしょう。
ナチュラルで上品な木肌を持つ無垢材のハードメープルは、自然の光を受けて輝きを放ちます。
沢山の自然光を取り入れられる大きな窓や2面採光のお部屋にもコーディネートしやすいでしょう。
ハードメープルの持つ透明感のある「明るさ」と「清潔感」はご家族で過ごすダイニングルームによく合いますのでとてもおすすめです。
一生物の価値がある「木の真珠」
自然光を浴びるとハイグレードの真珠の光沢のようにきらきら輝くハードメープル。
木材としての卓越した性質に加えて、「木の真珠」と讃えられるほどの上品で滑らかな木肌は、シンプルなデザインに良く合いどんな空間にも自然に溶け込みます。
無垢材無着色のハードメープルの家具は、経年で味わいを増して行きます。
真珠のような美しい木肌は単に普段使う家具というものに留まらず、まるで芸術品のようにも思えます。
そして、使っていくうちの傷さえも記憶として木に刻まれていくことができます。
使用するにあたって支障のある傷の場合は、削って塗装を行うことで使用し続けることができますので直してまた使える…。
その変化を楽しめるのが一生ものの無垢材家具の最大の魅力です。
様々な樹種を取り扱う家具蔵でも、まずその雰囲気で心奪われる方も多いのがハードメープル。
見て目を奪われ、触ってその木肌の滑らかさのとりこになる方が大勢いらっしゃいます。
毎日使う家具は常に手に触れ、目で楽しむものです。
一度その木肌の滑らかさ、艶やかさを体験すれば貴方も「木の真珠」のとりこになるかもしれません。
関連する記事
最近の投稿
- 作業しやすい無垢材デスクのサイズとは? 2024年12月2日
- 現代のキッチン事情はどう変わった? 2024年11月30日
- ソファ選びはクッションの内部材を知ることから始める 2024年11月28日
- 後悔しないオーダー家具の選び方 2024年11月26日
- ダイニングテーブルを選ぶ際の「5つ」のポイント 2024年11月24日
- 姿勢の改善にはチェア選びから 2024年11月22日
- チェリー材の家具を選ぶ際には“ここ”を見る 2024年11月20日
- “重たく見えない”無垢材家具の取り入れかたとは? 2024年11月18日
- “サステナブルな”家具選びとは? 2024年11月16日
- 年末年始営業と価格改定のお知らせ 2024年11月14日
カテゴリー
- 家具の選び方・置き方 (1,572)
- インテリア&住宅情報 (638)
- 人と木と文化 (396)
- ニュース&インフォメーション (440)
- オーダーキッチン関連 (406)
- 一枚板関連 (634)
- オーダー収納関連 (616)