無垢材チェリーでダイニングテーブルをあつらえる
2019.3.20
ダイニングテーブルを「あつらえる」とは、つまり「自分に合った、我が家に合ったテーブル」を作るということ。
であれば、まずは素材からこだわりたいものです。
そして自然素材の中から厳選された樹を生かすことができる技を持った職人に、手を掛けて丁寧に作ってもらえたら満足度も違います。
大量生産では叶えられないこと、つまり素材がわかり、作り手が見えて初めて、「あつらえる」が叶うのです。
自分に、我が家に合った無垢材のテーブルをあつらえて、同じものが一つとしてない無垢材のテーブルを住まいに招く。
百年近い時を刻んだ豊かな表情やぬくもりに触れていると、樹が育ってきた物語を共有し、分かち合えるようなそんな穏やかな歓びが溢れてきます。
自分よりずっと長く命を育んできた証に日々触れられて、その表情から物語を一つ一つ発見できるのは他には味わえない楽しみや喜びです。
樹は経験豊かな職人によって無垢材のテーブルに生まれ変わることで、日々の時間を吸収して深みを増してゆくのです。
ですが、実際にテーブルをあつらえるとなると、無垢材のことはよくわからない、どのような樹を選べばよいのか決められない。
そんなお悩みもよく耳にします。我が家では無垢材の彩りや躍動感を味わいたい…とお考えでしたら、無垢材チェリーのテーブルをお勧めします。
チェリーの魅力
正しくはアメリカンブラックチェリー。
主な産地はアメリカ東部全域、ペンシルバニア、ニューヨーク、ウエストバージニア。
バラ科サクラ属の落葉広葉樹で北米の約30種の桜の中で、家具材として活用される最高樹でヨーロッパやアメリカで最も人気の樹種です。
別名をチェリー、アメリカンチェリー、ワイルドチェリー、ワイルドブラックチェリーと呼ばれますが、チェリーでまかり通るほど有名な樹でもあります。
18世紀から19世紀にかけて、ニューイングランド地方でマザー・アン・リーをリーダーとするシェーカー教徒によって創られたシェーカー家具の職人たちが好んで使用していました。
職人たちは時間と共に深くなるその優美な色調から、世界的な優良材であるマホガニーに匹敵するとして
「ニューイングランドマホガニー」と命名していたという史実も残っています。
日本では桜は最も好まれる樹であり、長火鉢や床柱、浮世絵や経文の版木、和菓子の型として暮らしに深く関わってきました。
同様にチェリーも家具は元より、工芸品ではパイプとして広く知られています。
身近なところでは保存食用のスモークチップ、ジャム、樹皮からは咳止め薬が生成されています。
シャーロックホームズの物語の中でも、
「ホームズは考え事をするときに必ずチェリーのパイプを使う」
と表現され、また、ゴッホの絵画の中に描かれている人物はチェリーのパイプをくわえている‥等、日本の桜と同様に、
昔から人や暮らしと深い関わりを持ち続け、その魅力は今も昔も人を魅了し続けているのです。
空間に映えるダイニングテーブル
木肌がきめ細かく、手触りの良いことが魅力の一つで、世界の広葉樹の中で肌触りの滑らかさは群を抜いています。
そして何よりの魅力は、使い込んだような風合いが、瞬く間に味わえること。
製材したばかりのチェリーの心材は淡い薄桃色でそこから飴色へと変化していくのです。
店舗で仕上がったばかりのチェリーの家具と、深い飴色になった家具をご覧になったお客様は「同じ木とは思えない!」と驚かれます。
この感動こそが無垢材無着色ならではの醍醐味なのです。
そのようなテーブルが我が家にあることを想像してみてください。
まるで、我が家をステージとして、豊かに熟していく。
その様を目の当たりにしながら、共に時間を重ねていける。
さらに色味が深まるだけでなく、木目にも個性が現れます。
チェリーはもともと活発な樹ですから、太陽の光を求めて枝を大きく張りながらもハリケーン等の厳しい環境の中で損傷したり、折れたりしながら成長していきます。
その為、木理的に旋回、もしくは交差していきますので、材となった時にリップルマークと呼ばれる、「さざ波紋」が他の樹以上に顕著となります。
その美しい表情もチェリーが人々を魅了し続けている大きな要因です。
また自然災害に遭遇した際にも、チェリーは自己再生機能が高いためガムが残り易いのです。
「ガム」とは樹液が硬直化した黒い斑点のことで、欧米ではこのガムはチェリーの木目の良い個性として認識されています。
これらを含めた全てがチェリーの個性であり、木も人と同じようにそれぞれ、育った環境によって1本1本違った顔を持っているのです。
その個性を活かし切るのが熟練の職人です。
同じものがたくさんある大量生産品や工業製品と、人の手によってあつらえる物作りとは全く違っています。
それは一つの価値づくりでもあるのです。
自然からの恩恵に感謝し、使う人のことを思いながらひとつひとつ丁寧に、大切に作り上げていくという職人の思いに、樹も応じてくれいるように思うのです。
そんな互いの思いのやり取りからオンリーワンの家具が生まれているのです。
高いインテリア性
チェリーは光や緑に映え、和風、洋風という壁を感じさせず、どのような空間にも不思議と馴染みます。
朝、夜に限らず、四季折々で表情が違っているようにも思えます。
もちろん異素材とも調和し、とてもインテリア性の高い存在です。
これはチェリーに限ったことではないのですが、無垢材が持っている力強さ、ぬくもりが空間のインテリア性を高めてくれるからだと考えます。
住まいに届いたその日、その時から物語が始まり、時を重ねて空間に、暮らしに、そして住まう人にも馴染んで行きます。
インテリア性が高いとはデザイン性に優れているということでもあります。
無垢材、無着色の家具は、本物だけが持ち合わせたデザイン性を兼ね備えています。
その姿、それ自体が大自然が生み出したデザインであると言えるでしょう。
職人は木を活かし高いデザイン性を持ち合わせた家具作りを行っているのです。
樹や木目、自然形状、木目こそが、たった一つの貴重なデザインなのです。
テーブルは住まいの顔。
お気に入りの無垢材テーブルがあるだけで、暮らしが豊かに変わります。
テーブルで過ごす時間が長くなり、お食事も団欒も、過ごし方が変わったことが実感できます。
一点物を一生ものとして持ち続けること。
あつらえたダイニングテーブルは家具ではなく、他には無い我が家だけの宝物になっていきます。
暮らしの中心になる大切なテーブルですから納得した素材、つくりであること。
長い間、厳しい自然に耐えて育った樹を、無垢材テーブルとして我が家に迎えて使う楽しさを味わいながら、一緒に時を重ねていきましょう。
各店舗にはチェリーについてまた、ほかの樹種に関しても詳しいスタッフがおり、ご相談に応じております。
憧れのテーブルを「あつらえる」夢をぜひ叶えましょう。
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