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「表参道店から~国産材希少天板入荷のご案内~ ①」

2019.10.15

関東以南では街路樹などでもお馴染みの樟。

宮崎駿監督の「となりのトトロ」においては、トトロが宿るシンボルツリーとして神々しく描かれていることはご存知の方も多いと思います。

樟は大きいものだと樹高が30mに達する木です。

樹齢が千年を超える木もあり、信仰の対象として神社仏閣にも植林されています。

漢字では、よく「楠」と表記されていますが、実はこれは当て字であって、古代からの表記は「樟」が当てはまります。

樟を剪定すると切り口から心地よい香りが漂います。

いわゆる「樟脳の香り」です。

分かりやすく言うと「タンスを開けた時の昔の防虫剤の香り」。

ちなみに同じクスノキ科の月桂樹の花言葉は「栄誉と勝利」。

頭に巻いて勝利の象徴とするのに有名ですよね。

同じクスノキ科でも用途が違うと随分変わるものです。

葉や樹皮から樟脳を採っていたため「薬の木」と呼ばれ、それが転訛したと言われています。

この木から樟脳をとりますので、昔はそのために栽培されたものです。

ですので、本来は「楠(クスノキ)」ではなく「樟(クスノキ)」が正しいとも言われています。

 

樟の特徴


樟の材質は軟らかくて加工しやく、磨くと光沢が出るという良い特徴を持っています。

ですが、逆目を起こしやすく乾燥も難しい為、ゆがみやひずみなどで狂いやすいというデリケートな木材でもあります。

その為、扱う際には時間を掛けて手塩に掛けて向き合うことで、希少な一枚板へと生まれ変わらせることができます。

また、樟は内部に樟脳油を含む為、耐朽性・保存性には大変優れています。

その油の影響で塗装がまばらになりやすく、丁寧に下処理を行うことが均一な塗装を掛ける重要なポイントとなっていきます。

日本人と樟との関わり


現在の日本人の大半を占める渡来系帰化民族の中で、中国江南付近の移民やインドネシア方面といった南方系からの移民たちが日本に渡り、共に持ち込んだ樹木の一つが樟なのです。

外国産の樹木であっても、日本の風土に完全に根付いた樹木を史前帰化樹といいますが、樟はまさにその典型となります。

弥生人ともいわれる彼らは、狩猟、収集を基本とした縄文人たちを追い払い、新天地で新しい生活を始めました。

そして現在につながる稲作を基本とした食料確保に切り替え、それに伴って九州を中心に身分制度を伴った国々を作り上げました。

長崎、熊本、佐賀、鹿児島などで、樟を県の樹に指定しているのも、そうした歴史があるからかもしれません。

彼らが日本の地に来るのには、船が最も有効だったのは想像に難くありません。

古事記や日本書紀で記されている、建速須佐之男命(タテハヤスサノオノミコト)が高天原を追放された後に日本の国土に息子の五十猛神らと共に植林を始めます。

その中で注目されるのが広葉樹で唯一クスノキを主要樹としたことです。

実際当時の遺跡からクスノキの丸木船が出土していることから、クスノキ=船という定義が確立していたのは事実です。

神話に出てくるほど日本にはなくてはならない樟ですが、忘れてはいけないのは、もともとは史前帰化樹であるということです。

南方の樹が、はるかに寒い日本の風土に馴染む為にどれだけ苦労をしたかを考えなくてはなりません。

常緑樹としての利点を活かし、他の樹が冬季に休眠している時にも必死で生長を続けることで自らを巨大化させ、枝を様々な方向に大きく張るなどの工夫も見受けられます。

また害虫対策も万全で、自らがもともと持つ芳香で身を守ってきました。

こうした苦労や必死さ、葉の生い茂る大木としての雄大な姿は、いつしか日本人の心にも響き、ご神木といった尊敬させる樹に伸し上ったのです。

古代では船や建物の構造体、明治の開国以降には日本の産業の一大事業の一つとして、クスノキが原料の樟脳、カンフル剤、セルロイドなどの生産で国際的にも飛躍を遂げました。

いかに樟が日本人の精神や暮らし、産業に直結したかをお判りいただけたと思います。

クスの一枚板を用いたダイニング

 

希少樟一枚板のご紹介

なかなかテーブルとして頻繁には流通しにくい樟ではありますが、日本人を魅了してやまない一枚板の希少な天板をご紹介致します。

樟の全体的なイメージは、穏やかな美しさ、と言っても良いでしょう。

南方系の樹木の名残で、交走木理から生じるリボン杢風の木理を有している為、甲板面の艶やかな装飾も魅力の一つです。

一枚板、というだけでも希少な上に、国産樟というスペシャルなブランド感。

このまたとない天板は、表参道本店 一枚板ギャラリーでご覧頂けます。

唯一無二の表情を持つ世界に一つの天板に付き、お早めに。

 

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