「和meetsアメリカ&アフリカ」~自由が丘店納品記~
2019.7.1
皆さん、こんにちは。
年が明けた、令和だ、10連休だ、と話していたらもう7月…。
早くも一年の半分が過ぎてしまいました。
その間にも家具蔵各店、たくさんのお客様にお越しいただき、たくさんの無垢材家具たちをお納めさせていただいています。
今ちょうど納品を待っている!
昨日届いたばかり!
という方もこのコラムを読んでいる方にはいらっしゃることでしょう。
今回もそんなご納品の様子を少しだけご紹介。
長いこと、この仕事をしていると「〇〇と××は合う」ですとか、「△△と□□は意外と相性が良い」といった経験則に基づく知識が増えてきます。
人間なにごとも経験です。
それをお客様の暮らしに還元するのが私達の役目なのですが、ふとしたことをきっかけにその経験値は高まり、それはお客様に教えられることもあるのだ、ということを今回のご納品は強く教えてくれました。
暮らしのスタイルが変ったことでリフォームを行ったそのお客様、フローリングはケヤキでまとめ、障子窓も活かして和の意匠がふんだんに用いられた客間をつくりました。
そこではダイニングテーブルと皆がゆっくり座ることのできるアームチェアを置きたい…、ということで始まったダイニングセット選び。
チェア自体は家具蔵の人気品番「アームチェア アルコⅡ」にてすぐに決定。
フォルムの良さやつくりの確かさもさることながら、出入りのスムーズさ、着座時の安定感も相まってロング&ベストセラーとなっています。
素材選びも重要です。
ここはテーブルの樹種が決まってから、決定することとします。
お客様が一目惚れしたのがウォールナットの耳付き天板。
アメリカンブラックウォールナットの持つ精悍で落ち着きのある表情、水墨画を思わせる木目はアメリカ生まれの材でありながら和のテイストにたいへん良く合います。
和室空間にウォールナット、良いですね!ではチェアもウォールナットで…。
というのがセオリーですが、ここでお客様は展示してあったサペリのチェアを見て「これにしたい!」と仰いました。
家具蔵のサペリ材のチェアの座面は「柾目」どり。
そのことでサペリ独特の濃淡の表情、いわゆるリボン杢が美しく映えます。
光の角度や陽の入り方で表情を変えるサペリをテーブルに、そのアクセント・引き締め効果としてウォールナットのチェアをもってくることはよくあります。
しかし今回は逆。
「絶対この組み合わせは合うと思うの!」
なるほど、お納めしてみるとテーブルの落ち着き感をサペリの控えめな華美さがうまくサポートしてくれています。
これは新しい発見でした。
ウォールナットは使い込んでいくうちに徐々に色目がやさしく、やわらかく変わります。
一方でサペリは徐々に色濃く表情を変えていきます。
次第に馴染んでいく様子は無着色の無垢材家具の醍醐味です。
今回は「和」という日本独特の文化の中で、遠くアメリカ大陸とアフリカ大陸からやってきた木が邂逅しました。
まさに「和meetsアメリカ&アフリカ」。
長い時間を掛けて培ってきた文化が息づく空間で、百年以上の時と遠い距離の旅を経て家具に生まれ変わった銘木たちが出会う。
それは大げさにいえば歴史と時間の融合です。
そんな場所は人が集まり、笑い、思い出が刻まれていくのはこれも人それぞれの歴史と時間が出会う場所でもあります。
素敵な時間がこの空間でたくさん生まれてくれますように。
新たな発見とともに、そんなことを思うひとときなのでした。
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