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クックトップの種類とそのメリット・デメリット ~IH編~

2019.7.11

 

前回のコラム(クックトップの種類とそのメリット・デメリット・ガスコンロ編)に続いて、今回はIHヒーターのメリット・デメリットについてお話を進めていきましょう。

「IHはガスコンロより火力が弱いから…」

「揚げ物をするならやっぱりガスコンロの方が…」

といったイメージをお持ちの方にも、最近のIHヒーター事情を踏まえた上でご検討の際の参考にしていただければ嬉しいです。

 

IHヒーター


●熱効率が良い

IHのそもそもの仕組みは、天板内部に組み込まれた磁力線に電流を流すことで鍋底が電気抵抗を受け、それにより発熱することで鍋やフライパン自体が温められるようになっています。

ということは接地面が直に熱源になるため、ガスのように鍋やフライパンの周りから熱が逃げていくことがありません。

ガスの場合は熱効率が40%~55%と言われていますが、IHの場合じつに約90%と非常に無駄なく熱を利用することができ、周りに熱が逃げないため料理はもちろん、キッチンが暑くなるのを抑えてくれます。

特に夏場には嬉しい効果です。

そして、IHと言っても卓上コンロのような100ボルト電源を使用するものだと火力は弱いですが、ビルトインタイプの電源は200ボルトのものがほとんどで、同量の水を沸騰させるまでの時間もガスより1分短縮できるくらいの火力があります。

更には電気抵抗の強弱で火加減をコントロールするため、とろ火・ごく弱火など火力の微調整がしやすいのも特徴です。

●安全に使うことが出来る

鍋自体が発熱して調理をするため、IHヒーターの場合はクックトップの天板自体の熱が抑えられるのも特徴です。

調理した直後はさすがに熱いので注意が必要ですが、少し時間をおけば上にモノを載せることも可能なため、盛り付けや出来上がった料理のとりわけなど、調理スペースの一部としても使うことが出来ます。

ただし、3口全てがIHの場合は良いですが、後ろの1口がラジエントヒーター(ニクロム線)の場合は天板が熱くなるのでくれぐれも注意が必要です。

また、直火のように不完全燃焼などを起こす危険もなく、衣服に火が燃え移ってしまうことなどもありません。

特にご高齢の方が調理する場合や、お子さんが手伝って一緒に料理をする場合などはより安全です。

更に機種によっては鍋底の温度検知機能なども進化しているため、万が一火にかけていることを忘れて放置してしまっても、安全機能が働いて電源を自動的にオフにしてくれます。

●メンテナンスが楽

IHは五徳やバーナーなどのパーツが無いので、見た目がスッキリ見えるだけでなくお掃除も簡単です。

天板のタイプによってもメンテナンス方法は変わりますが、ステンレスなどのメタルタイプでもシームレスな構造の天板であれば磨きやすく、主流のガラストップもエッジの部分までフラットなデザインのタイプなら隅まで一気に拭くことが出来るため、毎日の料理後の掃除も時間を掛けずに済みます。

長年使用していくと、若干の焦げ付きなどは生じますが、ガラストップ専用のクリーナーなども市販されているので安心です。

●停電すると使えない

一番のウィークポイントはこの部分。

オール電化住居の場合は特に困るところですが、太陽光発電を備えていない場合は電気が使えなくなります。

電気が使えなければもちろんIHも使えなくなってしまうため、中には卓上のガスコンロを停電時用に用意している方もいらっしゃるほど。

電気だけに頼らない工夫が必要です。

●使える鍋が限られる

IHが普及し始めたころは、使える鍋はステンレスか鉄製の底が平らな鍋だけでした。

今ではオールメタルという、鉄・ステンレスはもちろんアルミ・銅製の鍋も使えるIHも広く使われるようになりました。

ステンレスや鉄鍋は重いからアルミ製の軽い鍋を使いたいという方や、ガスからIHに変えるけれども今までの鍋をそのまま使いたいという方は、このオールメタル2口もしくは1口だけでもこの仕様になっているタイプの機種を選べば問題はクリアできます。

ただ、土鍋でご飯を炊きたい方や、耐熱ガラスやセラミック鍋を使いたい場合はガスコンロを選ばなければなりません。

●鍋振りや炙りができないものがある

高火力でチャーハンなどを鍋振りするところをイメージすると、やはりガスコンロが頭に浮かぶと思います。

IHではそれが出来ないというのが大きな課題でした。

ただ、最近の上位機種ではついにそれを実現したタイプがあり、鍋底の温度検知センサーで火力を調整しながら鍋が天板を離れても高火力をキープしてくれるようになりました。

長時間鍋が天板から離れてしまう場合は別として、鍋振りくらいであれば、すぐに火力がキープされるので気にせず炒め料理が出来ます。

また、海苔を炙ったりするために、ラジエントヒーターを使う方法などもインターネットなどでは紹介されているようですが、これについては機器にあまりよくないので、焦げ目をつけたり炙るような料理はやはりガスコンロの方が得意だといえます。

 

ガスコンロとIHヒーター、どちらがいいのか


ガスコンロとIHヒーター、いわゆるメリットとデメリットは双方にあります。

どちらが良いとは言い切れず、これからの暮らしのなかで、また自分のライフスタイルにはどちらが合っているかという視点でじっくり考えてみることが必要だと言えるでしょう。

そして迷いすぎてしまった場合には、ガスコンロとIHヒーターどちらも導入するというのも一つの手段です。

国内・海外メーカーともに、こうしたニーズに対応するためドミノ式コンロという組み合わせ可能なクックトップも発売されています。

普段はIHだけど、中華鍋も使いたいという方には両方取り入れるという方法も用意されています。

ただ、このタイプの場合はグリルがついていないので、注意しましょう。

また、一般的なW600ミリ・W750ミリタイプのクックトップの場合でも、今の生活ではガスコンロの方が合っているけれども、将来的には火の心配からIHにと考える方も少なくありません。

こうした場合は、いずれ機器を変えた際に配線・配管などを変えなくても良いように、ガス管の他に200ボルトの電源も配線しておけば買い替えの際にスムーズに交換できます。

様々なタイプが選択できる今のキッチンでは、色々な情報に惑わされてしまうことも多いかもしれません。

そんな時は、家具蔵のキッチンスタジオで相談してみるのも解決方法の一つです。

 

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