リノベーションにおける性能と設備
2019.12.4
リノベーションに際し、検討すべき事は
リノベーションの際に施主から出る最も切実な要望は性能・設備に関する事がほとんどです。
それは例えば
「暖かく暮らしたい(古い建物の場合、断熱や換気が不十分の為)」
「明るく暮らしたい(古い建物の場合、間取りが細かく分かれており明るく広い居室が少ない事が多い為)」
「水廻りを新しく取り替えたい(設備は古くなると暮らしに大きな悪影響が表れる為)」
など様々です。
この点をじっくり検討した上でリノベーションをしなければ、満足度だけでなく、快適性・安全性も深くかかわる部分になります。
予算に見合った最適な改善方法を検討する事が大切です。
リノベーションの改善例を見る
それでは実際にどの様な例があるのでしょうか?
それぞれの例を見てみましょう。
1.温熱環境の改善
本体であれば建物全体の環境改善が望まれますが、広い住まいの場合は予算との兼ね合いで部分的な改善となる事も。
そんな時は建具などで暖房範囲を区画するのがおすすめです。
断熱材の廃材は産業廃棄物となる為、撤去費用としてのコストUPに繋がりやすく、状態が良いものは再利用するのもひとつの方法です。
再利用と言う視点で見れば、既存の外壁の状態が良ければ解体せずにそのまま利用しても。
既存外壁の上に新たに断熱を施す事で仕上げなおす事も視野に検討しながら、どんな方法があるのか、しっかりと相談しましょう。
2.明るく暮らしたい
昭和の住まいでは、明るく居心地の良い部屋を客間として使っている事が多くありました。
しかし、現代では家族の日常の暮らしの心地よさを重視し、明るい部屋をメインの居室=リビングダイニングとしてプランする事が一般的です。
例えば住宅密集地の新築プランの場合は2階にリビングダイニングキッチンを設ける事も一案ですが、リノベーションとなると1階から2階へリビングダイニングキッチンを移設する事は簡単な事ではありません。
そんな時は下の階にどう光を導くのか、同じフロア内のキッチンの移設、構造的な問題をクリアできれば、間仕切壁を失くして大きな空間を確保する等のテクニックを駆使したプランニングを行う事が大切です。
3.水廻りを新しく取り替えたい
暗くじめじめとした水廻りを、明るく快適な水廻りにするには単純な設備の交換は勿論ですが、脱衣所の洗濯機や間仕切り壁の位置変更を含めたレイアウトから見直す事が大切です。
雑多に見えやすい洗濯機を死角側へ移動すれば、すっきりとした洗面・脱衣所になります。
間仕切り壁に室内窓を設ける事で換気と明かりを取る事も出来ます。
洗面と脱衣所が別の空間であれば、間仕切壁を取り払い大きな空間にする事で室内窓と同じ効果も期待出来ます。
また開き扉を引戸へ交換する事でバリアフリープランにする事を検討するのもおすすめです。
リノベーションのコスト管理について
リノベーションでは建物の状況により必要な補修内容が異なってくる為に新築の物件と比較するとどこに、どれくらいの予算をかけるべきなのか判断が難しいものです。
特に耐震補強や断熱改善、劣化による補修については変動幅が大きく、実際に取り壊してみなければわからないケースも多々あります。
絶対に外せないコストは「水廻りの劣化」「設備関係の補修」。
この2点は必須になります。
ここでしっかりと補修する事で家の寿命を延ばし、快適に住まう事が出来るようになります。
外装工事や耐震改修工事を行った場合はかなりのコスト増になる為、自分たちがどこに一番こだわるのかをしっかりと把握しておく事が大切です。
人件費については、新築の場合とのコスト差が表れやすくなります。
リノベーションでは現場調整に手間がかかる事が多く、作業が止まりやすい側面があります。
その為に多めの人件費を見込んでおきましょう。
職人の日当を仮に2万円とした場合、工期が約1か月延びると約50万円ものコストUPになります。
窓廻りの断熱改修では、既存窓の内側に内窓を入れる2重窓が一番簡単であり低コストの方法です。
仮に幅1600×高さ900mmの窓の場合、
1.断熱スクリーンを入れた場合が3~4万円、
2.窓ガラスを交換した場合が4~5万円、
3.内窓を入れた場合が5~6万円、
4.高性能サッシに変更した場合が10~15万円
となります。
1はカーテンと比較した場合、断熱効果は高いものの、ガラスも比べると熱が逃げやすくなります。
2は框自体が変わらない為に結露ができやすくなります。
3はサッシが2重となる事で動作が増え、使い勝手が悪くなってしまう事もあります。
4は外壁との取り合いから外壁工事が必要になった場合、コストUPになります。
既製品をうまく使用するとコストダウンに繋がります。
新築時も同様ではありますが、素材にこだわるほどコスト増に繋がります。
「素材にこだわる」「既製品でまかなう」「既存のままにする」の3パターンを予算と希望に応じてうまく振り分ける事が大切です。
建具や水廻りの設備などは、既製品の方が狂いもなく、使い勝手も良いので積極的に利用したいところです。
このような点を踏まえ、自分にあったリノベーションを検討しましょう。
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