ラグの種類を知る
2019.12.12
インテリアにこだわるうえで、上手に取り入れたいアイテムとして「ラグ」があります。
ラグにはお部屋のアクセントやゾーニングという見た目の役割以外にも、ほこりや花粉の吸着、生活音の軽減や衝撃の吸収、床からの冷気や熱気を防ぐ等、様々な効果があります。
また、一言でラグといっても多くの種類があります。
今回はそんなラグについてまとめていきます。
ラグ とは
「ラグ」とは、簡単に言うと床に敷く敷物のことを指します。
床に敷く敷物にはカーペットやマットなどもありますが、それらの違いについては以下のようになります。
カーペットとラグの違いは、つまるところ「大きさの違い」です。
カーペットが床全体に敷き詰めて使用するものに対して、ラグは床の一部分に敷くものを指します。
あるメーカーの基準では、200×250㎝以上をカーペット、それ以下をラグと呼んでいます。
また、1畳未満のラグよりも小さな敷物はマットと呼ばれています。
しかし、ラグかカーペットかということに万能の定義はありません。
例えば英国では上記の大きさとは関係なく床に敷き詰めればカーペット、敷き詰めないものはラグと呼ばれ、米国の場合は手織りのものをラグと呼び、機械織りのものをカーペットと呼ぶ、と記述している文献もあります。
ラグの発祥
北アフリカはモロッコのベルベル人と言われています。
モロッコのラグは、日本人では思いつかないような色使い、模様が特徴です。
ちなみにモロッコのインテリアスタイルは「モロッコインテリア」とか「モロッカンスタイル」として日本でも注目され始めています。
ラグの種類 その1.パイルの種類
ラグやカーペットの表面の毛足のことをパイルといいます。
毛足の種類によって質感や踏み心地、高級感などが変わってきます。
●カットタイプ
毛足の長さを揃えてカットした、レベルカットと約25ミリ以上のパイルでカットしたシャギーが代表的です。
ケバ立ちの少なさや弾力性はループタイプには劣りますが、やわらかな感触と細かな色彩の変化が楽しめます。
●ループタイプ
毛足を一定の長さでループさせた、レベルループと高低差を毛足に出したハイ&ローがあります。
タオルの表面のように毛先がループ状になっており、耐久性・歩行性に優れています。
適度に硬く、なめらかな感触です。
ヘタリが少なく、ホコリもつきにくく、お手入れも簡単です。
歩行量の多い通路や玄関に向いています。
●カット&ループタイプ
カットタイプの色彩効果とループタイプの耐久性を活かしたパイルです。
多彩な表情が演出でき、ループに近く個性的な感触です。
ラグの種類 その2.織り方の種類
●平織り
経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を組み合わせたもので、パイルのないカーペットのことを言います。
平織りには、「緋毛氈(ひもうせん)」、「菊水織り(きくすいおり)」、「三笠織り(みかさおり)」などの種類があります。
●ウィルトン織り
基布とパイルを同時に織る機械織りのことを言います。
18世紀の中頃に、イギリスのウィルトン地方で織られたのが始まりで、この名が付けられています。
ウィルトンカーペットは、2~5色の柄出しができ、パイル密度が細かく、耐久性に優れると言う特徴があります。
二重組織りのものを「ダブルフェイス」と言います。
●タフテッド
タフテッドマシンによって、基布にパイルを刺し込む刺繍方式の製法によるカーペットのことを言います。
タフテッドカーペットのパイル形状には、「ループ」、「カット」があります。
そしてその素材には、「ナイロン」、「ウール」、「アクリル」、「ポリエステル」などが用いられています。
タフテッドカーペットは、カーペットの中で最も多く使用されています。
●シャギー
パイルの長さが約25mm以上のカットタイプで、太めのパイルを粗く打ち込んだカーペットのことを言います。
シャギーカーペットは、装飾性があり豪華で肌ざわりがよく、ピース敷きや重ね敷きのラグなどに多く用いられています。
カーペットのカットタイプには、シャギーの他に、プラッシュ、ベロア、サキソニー、ハードツイスト、ヘアーなどの種類があります。
●段通
人の手によって丁寧に織られたハンドメイドの高級敷物。
基布の地縦糸1本1本にパイルを手で絡ませて結びつけカットしながら織って行きます。
6帖の絨毯を織るのに4人で織ってウール物で2ヶ月、シルクだと4ヶ月相当かかります。
パイル糸の結び方が地域によって異なり、ペルシャ・ギャッベ・キリム・中国その地域名を付けた緞通があります。
素材はウール、シルク(絹)があり、日本の鍋島緞通は綿で織られています。
人気のラグは?
●モロッカンラグ
ラグ発祥の地であるモロッコのラグです。
近年インテリア雑誌でモロッコスタイルの特集が多く取り上げられる等、注目されています。
モロッカンラグの中でも有名なのがベニワレンです。
モロッコの「ベニ・ワレン」という地域で織られる絨緞で、上質な現地産のベージュのウールを使用したラグです。
ベージュベースに茶色や黒の線で模様が描かれたナチュラルな雰囲気なのが大きな特徴です。
ベニワレン族はその中で更に約17の部族に分かれ、その部族ごとで多少のウールの質が変わります。
毛足が長めでシャギーなもの、モコモコと丸い毛足のもの。
実際に触った感じや、数年使用した時のウールの油分の出方もそれぞれ違ってきます。
●ギャッベ
ギャッベとは、南ペルシア(イランの高原南西部)の遊牧民族によって織り続けられている手織り絨毯の事です。
高地で遊牧民と共に生活をしている羊の上質な純毛を刈り取り、手で紡ぎ、大地の恵みで染め上げ、一点一点丹精込めて織られる為、何十年と使い込むことにより表情豊かに変化をし、味わい深く成長していきます。
動物や木等、自然をモチーフとした柄が多く、自然染料で染められたと思えない程の鮮やかで美しい色調も魅力です。
●キリム
キリムとは、トルコ・アナトリア高原から中央アジアの広い地域に住んでいるチュルク族や遊牧民たちが織る、平織りの織り物です。
ウールの平織りのもの全ての総称で、敷物に限らずテント布や収納用具などの生活道具として使われていたものもキリムです。
羊や山羊などを連れていた遊牧民たちが、身近なウールを使って色やデザインなどを創意工夫しながら織り上げたキリムは、遊牧民ならではのオリジナリティーあふれる、世界にただひとつの芸術作品として注目を集めています。
遊牧民にとってキリムは実用的な生活用具だけでなく、暮らしに彩りを加える装飾品でもありました。
織り手である女性が「生活に彩りを加えたい」「豊かに暮らしたい」と腕を競って織ったキリムは、各々の大切な自己表現の方法でもありました。
女性たちは遊牧生活の中での空いた時間に織っているため、他の仕事が忙しくなればキリムを織ることができません。再開したときには気分が変わって、柄が左右対称でなくなったり色や模様が途中で変わったりすることもしばしばあるようです。
このおおらかさがキリムを個性や味わい深さを持ったもの、そしてあたたかみのあるものにしています。
織り方や柄、色合い等多くの種類があるラグ。
無垢材家具のような自然素材の家具とも相性が良いですし、アイアンや石といった無機質な素材にも温かみを与えることができるので、様々なシーンで使える便利なアイテムです。
上手に取り入れてワンランク上のコーディネートを目指してみて下さい。
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