冷蔵庫はどのように選ぶべきか?
2019.11.24
2019年は増税もあり、「大きな買い物は増税前に」と、家具や家電、自動車などを買い替えた方も多いでしょう。
家電のなかでも特に冷蔵庫や洗濯機などの大型家事家電は、頻繁に買い替えるものではありません。
失敗はしたくないものでもあり、買い替えの際にはご自身で調べたり、家電量販店の販売員さんに聞いたり、事前に情報収集を行います。
ネット検索をすると
『容量は70L×人数+100L(常備食材)+70L(予備食材)を目安に・・・。』
というように容量についての選び方や、各メーカーの最新機種の比較などをよく目にします。
こうしたスペックの比較はもちろん大切ですが、まずは今使っている冷蔵庫について、一度考えてみてください。
その中で、足りている部分・不足しているから欲しい部分・継続して必要な部分を整理してみると、必然的に条件が揃います。
今回は、細かい機能だけで見比べて「正直どれが良いのかわからなくなってしまった・・・」とならないために、まずは「視線を緩めて」キッチンの一部としてどう選んだらよいかを、5つのポイントに分けてお話ししましょう。
インテリア性
量販店の冷蔵庫売り場を見ると、最近ではデザインを重視した機種も非常に多くみられるようになりました。
色やテクスチャも豊富で、木目調のものや同じホワイト色でもマットなものから艶感が美しいもの、ガラスの扉のものまであります。
どれもキッチンの色や素材に合うようにと商品開発されていますが、注意すべきは「同じ色で揃えなければ」と固執しすぎないこと。
同じホワイトでも微妙に違うホワイトを並べるよりも、敢えてレンジフードやワークトップのステンレスに合わせてグレーやシルバーを合わせた方がすっきり見えることもあります。
また、リフォームで冷蔵庫を買い替える場合には、収納内に納めて扉で隠したり、キッチンと同じ扉材をつけることを前提とした海外製の冷蔵庫を選んだりと、決まったデザインの冷蔵庫に縛られなくても空間に馴染む冷蔵庫にすることができます。
置き場所
単純に「今置いている」場所に冷蔵庫を入れ替える場合は、そのレイアウトまでは変えることは困難かもしれません。
ですが、新築やリノベーションの場合は、自由度も高く、そもそも冷蔵庫をどこに置くかというところも柔軟で、且つ重要なポイントになります。
料理の途中でも使いやすく、また家族みんなが食事中でもアプローチしやすい場所となると、どうしても冷蔵庫が目立つレイアウトになりやすいもの。
そこをあえて、向きを変えて袖壁を立てたり、近くに通路のようなパントリーを設けたりすることでその存在感を和らげることができます。
キッチンやダイニングをひと繋がりの空間にしたいのであれば、背が高く目立つ場所になる冷蔵庫のレイアウトにも、当初から着目してプランを立てて頂きたいところです。
サイズ
設置場所が限られる日本の住宅では冷蔵庫の横幅は「700ミリまで」というのがスタンダード。
それに合わせて、家庭用冷蔵庫の中で一番多いのは「横幅685ミリ」のタイプです。
その制限のなかで、少しでも容量を増やしたいというところでメーカーが目を付けたのが「奥行」でした。
奥行が650ミリ前後のものが多かった時代から、今では750ミリ程度のものが増えています。
650ミリであればシステムキッチンの壁付けI型タイプの奥行ともピッタリ合いますが、750ミリだと100ミリ分出ることになります。
アイランド型のキッチンの場合でも、「買い替えてみたらキッチンと冷蔵庫の間隔が狭くなってしまって・・・」ということが無いように、選ぶ際には奥行もしっかりと確認してください。
そして、横幅についてもチェックしておきたいポイントがあります。
設置スペースとしてのクリアランスは、おおよそ両サイド5ミリずつくらいというものが増えましたが、ヒンジのタイプによってはスペースギリギリのサイズの冷蔵庫の場合は扉が全開できなかったり、扉が開き切らないために内部の棚が引き出せなかったりという場合も。
実際に購入する場合には、扉を開けた状態での寸法確認もしておいた方が確実だと言えるでしょう。
容量
国内メーカーの冷蔵庫は薄い素材でも保温性を高める技術で、『コンパクトでも大容量』という流れになっています。
ファミリー層では多くの家庭が550L以上のものを選ばれているようですが、中には国内メーカー品でも700L以上というビッグサイズの冷蔵庫も登場しています。
海外メーカー製のサイドバイサイドスタイル(一般的なシンプルな2ドア両開きタイプ)の大きな冷蔵庫にも匹敵するサイズです。
大容量が求められている一番の理由としては、共働きの家庭が増えたこと。
休みの日にまとめてスーパーで買い物をするため、パントリーとしての機能が必要なこと、まとめて作り置きをしてストックすることがもはや当たり前になりつつあるため、『冷やして長期保存ができる収納』としての役割はこれからも求められるところです。
機能
日進月歩の家電業界。
各社が競うように、その使いやすさや独自性をカタログやホームページで紹介しています。
最近の目新しい機能としては、扉の一部がガラスになっていてノックをすると透けて中身が見えるものや、ノックやタッチで扉が開くものなどもあり、ユニークなものまで出てきています。
また、週に一度のまとめ買いをする方が増える中で、鮮度を守ったまま長期保存が出来る微低温冷凍や抗菌チルド機能というものも今の日本のライフスタイルを象徴している部分です。
そして、これからますます増えていくだろうという機能もあります。
一つは庫内のセンサーによって節電する機能。
エコに繋がる環境に配慮した機能は、これからの暮らしの中で考えなければならないポイントです。
そして、もう一つは、腰の高さより下に位置する引き出し部が2段もしくは3段あるタイプで野菜室・冷凍庫の機能を設定で変えられる、というもの。
冷凍保存が中心の食生活なのか、野菜中心の食生活なのかによって、取り出しやすいところにその機能を持ってくることが可能になります。家族の生活時間が変化する中で、その家族のスタイルに合わせて使いながら変えることができるのは、買い替えを減らすきっかけになるかもしれません。
今回はちょっと違った視点から、冷蔵庫選びについてお伝えしました。
家電売り場をたくさん見すぎてどれが良いのかわからなくなってしまった時には、一歩下がって、視野を広げて、ゆっくり考えてみてはいかがでしょうか?
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