ワインセラーの選び方
2020.3.21
最近ではワインを気軽に楽しむ方も増え、スーパーやコンビニでも購入できるデイリーワインも充実してきました。
ご自宅でもワインをストックしている方も多いのではないでしょうか。
一方で、家電量販店では冷蔵庫売り場の一角に設けられたワインセラーコーナーも以前に増してその面積を広げ、大きなものだけでなく寝室にも置けるくらいのコンパクトなものまでラインナップされているところを目にします。
今回はキッチン家電の中でもまだ目新しいものの一つとしてワインセラーを取り上げて、その選び方をみていきたいと思います。
ワインにとって良い環境とは
まずはなぜワインセラーが必要なのかという基本的なところから。
ワインをストックする場合、冷蔵庫に入れているという方もいらっしゃると思います。
確かに、冷蔵庫は光が入らないためだめではありませんが、温度が低いため飲む直前に入れるのが理想です。
では、実際にワインの品質が保たれる環境とはいったいどんな場所でしょうか?
条件としては
●温度:12℃~15℃
●湿度:70~75%
●光(紫外線)が入らないこと
●振動がないこと
が保管に適している環境と言われています。
日本の室内で使う場合、湿度についてはそこまで厳しい状況にさらされることはありませんが、光に関しては太陽光だけでなく照明の灯の中に紫外線が含まれているため、UVカットガラスなどで防ぐ必要があります。
これらの各条件のもと保管できる場所というのは、常の住環境や冷蔵庫など今までのキッチン家電では叶わないため、ワインのための専用保管庫としてワインセラーが必要となるわけです。
冷却方式の違い
ワインセラーを色々見て見ると、収納本数や本体の大きさも豊富なバリエーションがあります。
それだけでなく、用途に応じて冷却方法にも大きく分けて3種類あり、選ぶ際にはその特徴についても知っておくと間違いのないチョイスができます。
1.ペルチェ方式
収納本数が比較的少ない小型タイプの多くがこの冷却方式です。
ペルチェ素子という直流電流により冷却・加熱・温度制御を自由に行える半導体素子を用いることで、庫内温度を保つ方法です。
半導体なので、コンプレッサーなどに比べ本体はコンパクトになり、振動もなく音も静かです。
また、価格をリーズナブルに抑えることができ最近では¥10,000を切るものも販売されています。
ただ、温度応答性が良く周囲の温度の影響を受けやすいため、例えば設置している室内の気温が高い場合には、冷却機能が落ちたり、加温機能が付いていない商品の場合、寒冷地では外気温がセラーの庫内温度を下回ると過冷却になったりと注意が必要です。
最大収納本数に対してゆとりを持って収納したり、設置する場所を工夫することで機能の低下を防ぐなどの対策が必要な場合もありますが、寝室で使用する場合やメインのワインセラーとは別にサブ機として使う場合には、音も静かでコンパクトなペルチェタイプが適しています。
2.アンモニア吸熱方式
アンモニア水溶液と水素を冷媒とし、アンモニアが気化するときに周囲の熱を奪う性質を利用したのがアンモニア吸熱方式です。コンプレッサーやファンを使用しないため、無振動で静かなのが特徴です。さらにそうした駆動部品を使用しないため、製品自体が長寿命だと言われています。
また、アンモニア水溶液はODP(オゾン破壊指数)やGWP(地球温暖化係数)ともにゼロの自然冷媒なので環境保護の視点から見てメリットの高い方法です。
ただ、ペルチェ方式同様に周囲の気温の影響を受けやすく、設定温度になるまでに時間がかかるため、頻繁にドアを開閉する業務用などには不向きです。
ワインセラー全体の中ではこのタイプは比較的少なく、日本ではこのシステムを開発したドメティック社の商品が
大半を占めます。
音が気になる方や、地球環境保護などサスティナブルな暮らしを意識する方にお勧めのタイプです。
3.コンプレッサー方式
冷蔵庫と同じ冷却方式です。
そのため室内温度の影響なども受けにくく、設定した温度も保ちやすいため、ドアの開閉が多い業務用でも用いられるとこが多く、比較的大型のタイプが主流です。
この頃は冷蔵庫も静音設計を謳ったものがほとんどですが、ワインセラーも同様で防振処理をされている商品を選べば音や振動による品質低下を防ぐことが出来ます。
また、保温性が高いということはその分消費電力が抑えられるということでもあります。
電気代の比較という部分も含めて考えると、ペルチェ方式はイニシャルコストは抑えられますが、使い方によっては1日の電気代がコンプレッサー方式の10倍かかるとも言われるため、目先の安さだけではなくランニングコストにも配慮したうえでタイプを選ぶことが大切です。
今回はワインセラー選びのファーストステップとして、その冷却方法に着目して特徴をまとめました。
それぞれのメリット・デメリットを考慮したうえで、例えばヴィンテージワインのように長期保存するものはコンプレッサー方式のワインセラーに、毎日の食事のお供のデイリーワインであればダイニングテーブルの脇にペルチェ方式の小型タイプに、というようにその用途によって使い分けることもできますよね。
そして、最近の冷蔵庫がそうであるようにワインセラーも家電でありながらそのインテリア性も考慮して作られるようになっています。
せっかくワインセラーを置くのであれば、スタイリッシュに演出したいもの。
単体でお部屋にレイアウトする以外にも、ウォーターサーバーなどの様に壁面収納の一部に組み込んで考えることも可能です。
家電製品もインテリアの一部として、空間に馴染むようにコーディネートすることでさらにその良さを発揮します。
選び方からレイアウトまで、気になる方はお気軽に一度ご相談ください。
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