キッチン機器プラン ~浄水器について~
2020.7.23
浄水器普及の背景
浄水器と聞いてイメージするものは安全な水を供給する、おいしい水を手軽に手に入れる仕組み等々ですが、浄水器が初めて発売されたのは水質の悪化が疑われるようになった1950年代といわれています。
その後、水質を上げるために用いられる化学物質(トリハロメタン等)が水道水に残留している可能性が高いということから一斉に普及しました。
さらに東日本大震災と福島原子力発電所の事故で水道水から放射性物質が検出されたことを機に、その性能についても関心が高まりました。
しかしそれぞれの自治体の水道局では「水質基準」を設け改善、管理し供給しています。
日本の水道水はとてもきれいでそのまま飲んでも安心と言われているものの、どうしても雑菌消毒に使った塩素の残留や、有機物や微生物の混入の不安もあります。
そんな目に見えない小さな不純物を手軽に取り除いてくれるのが浄水器です。
従ってより安全に、日々おいしい水を、という要望から浄水器を導入されることが多くなっています。
一般社団法人浄水器協会の調査によると、2017年7月時点の調査で、全国の浄水器普及率は36.2%。
3件に1件の割合で浄水器が使用されていることになり、特に分譲マンションや建売分譲住宅では最初から設置されることが多いことから、住宅着工件数の影響も大きいと考えられます。
浄水器の歴史
初期の浄水器は活性炭を使って水をろ過するという簡易的なシステムでした。
しかし浄水器内の水に雑菌が繁殖した為、改善策として中空糸膜を使ったフィルターを内蔵したタイプが開発されましたが、こちらにもデメリットがありました。
そこで其々のデメリットを補い合えるよう改善され、活性炭と中空糸膜を組み合わせたタイプが主流となっています。
他にフィルターに使われる「ろ材」には、セラミックや逆浸透膜等があります。
家庭用浄水器の分類
では家庭用浄水器について、取り付けや設置方法によって分類し検証しましょう。
まず安価で設置しやすいのが水栓金具の先に取り付ける蛇口直結型です。
コンパクトなサイズであることと、手軽さが魅力。
しかし簡易的である分、カートリッジが小さく交換回数が多くなること、栓金具の機能が限定されること、LDから見えにくい、もしくは見えない場合は別ですが、視覚面での課題もあるといえるでしょう。
次にシンクの横に浄水器本体を設置し、水栓金具と接続して使用する据え置き型(シンクトップ型)。
設置やカートリッジの交換は簡単ですが、取り付けできる水栓金具の種類に制限があります。
またキッチンの作業スペースを占有し、本体や接続管が丸見えになるので、狭いキッチンやオープンキッチンには不向きです。
しかしながら、最近では浄水だけでなくアルカリイオン整水器の機能を持ち合わせ、飲料用から調理まで用途に合わせ、
ボタン操作で適切な水が選べるというタイプもありますし、サイズやデザイン面でも改良されています。
ビルトイン型と水栓一体型
そして、キッチンのスタイルが多様化し、インテリア性が求められているという背景から現在普及しているのは、ビルトイン型と水栓金具に内蔵された水栓一体型です。
浄水器の機能、性能はそのままに、浄水器を隠す、または存在を感じさせないという点がポイントです。
ビルトイン型(アンダーシンク型)はその名の通り、浄水器本体をシンク下に設置し、給水管と接続して使用するタイプです。
デザイン性を優先したオープンキッチンでは殆どがビルトイン型です。
本体をシンク下に設置する為、シンク周りがすっきりとします。
また、浄水器の本体サイズが大きいのでカートリッジの交換回数が少なくなります。
但し、設置するには専用工事が必要であることと、回数が少なるとは言え、カートリッジの交換の際にはシンク下の引き出しを取り出す、またはシンク下の扉を開けて中にある調理用具やストック物等を取り出しての作業が伴います。
自分で交換可能か、交換作業を依頼するのか、取り換え作業も浄水器によって違いがありますので、交換方法は採用前に確認しておきましょう。
水栓金具に内蔵された水栓一体型は、当初は内蔵されている水栓金具本体のサイズが他の水栓金具に比べ、一回り程大きく感じられていましたが、最近の一体型は以前よりもスリムになり、浄水器を内蔵しているようには見えない程に、デザイン面が向上しています。
そして内蔵型のメリットは何よりカートリッジの交換がしやすいこと。
キッチンに立ったままで交換でき手間がかからないので、手軽に利用でき、長く使い続けることができるのがメリットといえるでしょう。
ウォーターサーバーという選択肢
これらのキッチンや水栓金具に付帯するもの以外に、ウォーターサーバーがあります。
最近は普及率も高く、実際に使用されているご家庭も多いのではないでしょうか?
置き場所が確保できれば、冷水、温水が使用できるものもあり、使いやすさ、利便性に富んでいます。
キッチンの水栓が調理や作業で塞がっていても手軽に利用できるのが魅力ですね。
料理で使用する頻度が高い場合は設置位置や使用目的、使用量、コスト、メンテナンスを事前に確認しましょう。
水道水の状態をもっと改善したい、コーヒーやお茶を美味しく入れたい、日々の調理や飲料用に安全を求めたい等、
様々な要望から浄水器は用いられています。
家具蔵ではキッチンプランの際に、お客様のライフスタイルやご希望を伺い、浄水器、水栓金具を始め、機器選定のご相談を承っています。
木のキッチンは無垢材のぬくもり、優しさ、心地よさは勿論、機能や使い勝手を含め、様々な要素から成り立っています。
木のキッチン、機器のプランについてのご相談は、最寄りの家具蔵各店、もしくはキッチンスタジオまでお気軽にお問い合わせ下さい。
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