キッチン照明はどのようなものが適しているか
2022.4.17
目次
照明は対象物を美しく見せる効果がある
雑誌やWEB、実際の店舗など、キッチンは多くの場所で様々なスタイルのものを見ることが出来ます。
全体の雰囲気はもちろん、扉の種類やワークトップの素材、シンクや水栓のデザインなど、どれも目を引くポイントです。
そして、それを魅力的に見せ、「欲しくなる」ようにその見え方を何倍にも良くすることができるのが「照明」による演出効果です。
実店舗をはじめ、WEBや雑誌での画像においても商品をより素敵に「魅せる」ということは至上命題です。
デザイン性に優れ、演出効果の高い照明器具が使われていたり、光が当たる角度や影の出し方などもプロの手による細かな計算があってはじめて、その品物を更に美しく感じることができるものとなるのです。
自宅で取り入れることができるプロの知識を使って照明で住まいをもっと美しく
店舗やスタジオといった非日常の空間で行われる照明計画は、いわゆるプロの手腕が発揮されてのものであり、一般の人が毎日を過ごす住まいで取り入れるには難しい場合もあります。
しかし、一部の例外を除いて、使用される照明器具の種類はそこまで大きくは変わりません。
照明にはどのような種類があるか、それを自宅で取り入れるにはどのようなものが適しているか、その位置や数は…。
そのうえで自宅でも取り入れることができそうなものをチョイスすることで、お気に入りの住まいをより美しく、そして快適に過ごすことができるようになります。
照明計画は重要。人任せにせずに様々なことを考慮する
分譲住宅の場合は最初から照明の位置や数量が決まっていることも多いのですが、絶対に変更することができない、というわけではありません。
入居後の電気工事や器具の取り付けで理想に近づけることもできます。
一方で自分の希望を反映させることのできる注文住宅やリノベーション、あるいはリフォームの場合でも照明位置や器具はお任せ、となっていることも少なくありません。
しかし、快適に過ごしやすく、また住まいを美しく見せるためには、照明は重要な要素でもあります。
そのなかでもキッチンはリビングダイニングと比較した際に軽視してしまう場所になるかもしれません。
現在主流のオープンスタイルのキッチンでは、照明のデザインひとつで空間の印象も大きく変わります。
また、手元が暗いと不便な場所でもあるので、適切な位置に適切な種類の照明があることがベストです。
「作業面での安全性」なども考慮しなくてはなりません。
キッチンで主に用いる照明の種類は大きく分けて5種類
キッチンスペースに用いられる照明は、取付位置や数などは住まいによって様々です。
しかし、例外的なものを除き、「ベースライト」「ダウンライト」「スポットライト」「ペンダントライト」「棚下灯」の5つが代表的なものと言えるでしょう。
使いやすさと安全性のベースライトとダウンライト
代表的な5つのうち、メインの灯りとして用いられるのがベースライトとダウンライトです。
キッチンでは限られたスペースを有効に利用するため、収納が天井いっぱいまで、もしくは高さ2メートルくらいのところまで設けられていることが多くみられます。
そのため、吊戸棚の扉を開いた際に照明に当たってしまうことがあったり、高い部分に置いてあるものを手に取る際に頭が照明とぶつかる危険性もあります。
そのようなことから、天井から下に向かって出っ張るような形状のものはあまり好ましくありません。
天井に埋め込むタイプのダウンライトや、ベースライトでも天井埋め込み型のタイプがお勧めなのです。
スポットライト・ペンダントライト・棚下灯でより明るく使いやすいキッチンを
ベースライトやダウンライトなど、メインとなる照明は空間全体を明るくしてくれます。
しかし、作業する向きや角度によって、また吊戸棚の有無によっては手元が暗く感じる可能性もあります。
そこで有効なのがスポットライトやペンダントライト、そして昔からよく使われている棚下灯と呼ばれるものです。
棚下灯は吊戸棚など、文字通り棚の下に設置して、その下で行う作業の手元を明るくしてくれます。
最近ではセンサー機能が付いているものや光の色が調光できるものなど種類も増え、デザインとしても非常にスリムなものが多くなりました。
キッチン全体の使い勝手を良くしながらも空間に馴染んでくれるものとなっています。
スポットライトとペンダントライト。その注意点は?
スポットライトは天井や壁に固定して角度が調整できるもの、天井に設置したライティングレールに取り付けてその位置も動かすことができるもの、更にはその灯の届く角度も挟角~広角まで選べるなど、照らしたいところや用途に応じてフレキシブルに使い分けることができます。
ペンダントライトは今回挙げた5つの中では一番演出効果の高い照明器具です。
対面型やオープンタイプが多い今の日本のキッチンは、リビングとの一体感やインテリア性を高める演出も求められる大事な要素となっています。
キッチンとリビングの間に壁を設けないオープンキッチンは解放感がその魅力の一つですが、その『抜け感』を強調するように対面カウンターの上にペンダント照明が付けられているのをインテリア誌やマンションの広告などでよく目にします。
種類も多く、スポットライトと並んで入居や改装後にも取り入れやすいものですが、ひとつだけ気を付けたいのは複数のペンダントを並べる場合です。
特にシェードがガラス製のペンダントライトの場合、地震などで揺れたときにはとても危険な凶器になり兼ねません。
器具同士の高さを変えたり、距離を十分に確保したりといった計画性のある設置が求められます。
ランプ(光源)の色や明るさも実用性や演出性に大きく関わる
照明器具のスタイルやデザインとは別に、ランプ(光源)の色や明るさも、その実用性や演出性に大きく関わってきます。
一般的なランプの色としては、
「電球色(オレンジ色の光・約3000ケルビン)」「温白色(オレンジと白の中間色・約3500ケルビン)」「昼白色(太陽光に近い色・約5000ケルビン)」、「昼光色(青白い色・約6500ケルビン)」(※ケルビンとは色温度のこと)
に分けられていて、それぞれ用途に応じて使い分けることが必要です。
キッチンの場合は、主に電球色~昼白色くらいまでで組み合わせることが多いと言われています。
また、キッチンのスタイルによっても求められるものが変わり、オープンキッチンでは主となるダウンライトや
ベースライトはダイニングやリビングと合わせて電球色、手元を照らす灯については温白色で明るくすることで、空間の統一感を持たせながら、作業性も考慮できるものとなります。
逆にクローズドキッチンであれば、演出性よりも作業性・安全性を考慮して全体を温白色や昼白色にするということも考えられます。
肉や野菜の鮮度を適切に見分けることが出来るのは昼白色だと言われます。
キッチンでは様々な食材を使うので、色で視認する食品の安全性確保といった意味では一部に昼白色のランプで明るいコーナーを設けることも大切です。
部屋の広さに合った明るさを確保する
一般的に照明器具の明るさは『畳数×400lm(ルーメン)』が良いと言われています。
ルーメンとはLED照明の明るさの度合いのことです。
例えばキッチンの広さが3畳の場合は1200ルーメンが適正なものとなります。
ただ、これはあくまでも一つの基準です。
キッチンの面材やワークトップの色や素材でも、その明るさや見えやすさの感じ方は変わります。
また、どのように見せたいかによっても必要な明るさというのは違います。
また、全体を開放的に明るく感じる空間にしたいという方と、隠れ家レストランのような雰囲気のある空間にしたいという方では、求める明るさに大きく差があります。
このようにリノベーションや新築でキッチンを選ぶ際には、配光計画を立てることも大切な要素になっています。
実際に体感することと合わせて、プロに相談しながら失敗のないキッチンプランを選びたいという方は、是非家具蔵各店へご相談ください。
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