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フローリングは無垢材を選ぶかそれ以外のものを選ぶか

2022.7.8

 

 

住まいにおける床材の選択ではごくごく一般ともいえるフローリング。

現代の住まいにおける床材の使用割合ではフローリングが7割強と圧倒的で、目に見える面積も大きなことからその色合いや素材をどのようにするかが空間全体の印象を左右します。

フローリングの種類は大きく分けて、単層の木材で仕上げた「無垢材フローリング」と合板や集成材の表面に薄い天然木を張った「複合フローリング」の2種類に分かれます。

 

無垢材フローリング


 

無垢材とは木を重ねたり継ぎ足したりせず、伐り出した天然木の一部をそのまま加工したものです。

いわば「木そのもの」であり、そのような天然木100%の単層で構成されたフローリングを無垢材フローリングと呼びます。

「木そのもの」であることから生まれる素材の奥行き感は、複合フローリングでは出すことができない「本物の風格」があります。

近年、自然志向の高まりから国内でも無垢材フローリングは人気を高めていますが、北米の住宅では圧倒的に無垢材フローリングが使用されており、木材のグレードにはフローリング用の格付けもあるほどです。

北米では無垢材フローリングの経年変化を楽しみ、表面に傷が増えたときは取り外し、板材の表面を削り、磨き加工を施すことで、きれいな意匠が戻る過程を楽しむ文化が定着しています。

 

無垢材フローリングの特徴は


 

 

無垢材の人気の理由のひとつに、いわゆる「木のぬくもり」を感じることができることがあげられますが、無垢材を使用するメリットはそれだけではありません。

室内を快適にし、健康を促進させる働きもあります。

無垢材には調湿作用(部屋の湿度によって無垢材が水分を吸収・放出する作用)があり、フローリングのような広い面積に用いることは空間を快適に保つことにつながります。

つまり、ジメジメして蒸し暑い夏の日には無垢材が水分を吸収し、室内の湿度を下げてくれる効果が期待できます。

あるいは、冬場であれば無垢材が水分を放出し、乾燥しすぎないようにするので、空間の快適性が向上します。

たくさんの空気をその内部に含むことができる無垢材は、その空気が断熱の役割を果たすことで冬場の冷気が直接足元に響くことを防ぐ作用もあるのです。

 

無垢材フローリングは唯一無二の質感と経年美化を体感できる


 

 

フローリング全体を見てもそのデザイン性は常に向上し、パターンが美しいものも多く見ることができます。

しかし、木目自体がデザインそのものとなる無垢材は、製材で刃を入れる際のわずかな角度でも表情が変わるので、まったく同じ木目を持つものは存在しません。

つまり、無垢材フローリングは唯一無二の質感を味わうことができるのです。

また、無垢材は時が経つにつれて表情を変える素材でもあります。

真新しい状態から数年、もしくは十数年、さらに長い期間が経過した後の無垢材の風合いは、他の素材には出せないものです。

経年とともに変化していき、それが古くなるのではなく美しくなるのは自然素材である無垢材の大きなアドバンテージです。

 

複合フローリング


 

複合フローリングとは、基材となる集成材や合板の上に薄くスライスした天然木(単板)や化粧シートなどを張り合わせて作られた床材です。

無垢材と比べてコストを抑えて生産ができるので、建売や賃貸といった住宅を含め、標準的な床材として広く使われています。

表面の単版や化粧シートは、塗装やプリントによる色柄やデザインが多種多様なので、様々なパターンから好みのものを選ぶことができます。

また、床暖房に対応しているものも多くあり、機能性の面でも耐衝撃性や耐摩耗性、あるいは防音効果なども年々向上を続けています。

表面が加工されているものも多く、日々のメンテナンスがしやすい点=実用性が高い点はメリットと言えるでしょう。

 

複合フローリングの特徴は


 

ただ、表面の単版は薄いので傷がついてしまった場合に無垢材のように削って修復することはできません。

また、無垢材のような調湿効果、もしくは上を歩いた際に感じる心地良さ、木の香りによる癒しなどを感じることは難しく、機能性を求めることで無垢材フローリングよりもコストが高くなってしまう場合もあります。

ものによっては、いわゆる「安っぽい」印象を受けることや浅い傷はともかく、深い傷が付くと内部の下地が露出してしまう点は考慮しておかなければいけません。

 

無垢材か複合か、何を基準に選ぶのか


 

 

両者を比較して、天然素材100%といえる無垢材フローリングに対し、複合フローリングはいわば「工業製品」です。

価格に差はありますが、無垢材フローリングは傷みすら味わいになる(しかもメンテナンス可能)ものであるのに対して、複合フローリングは初期費用を抑えることができる反面、経年での劣化は避けられません。

一方で日々のメンテナンスのしやすさ、汚れが生じた際の対処の簡易さで考えると複合フローリングを選ぶという考え方もあります

重要なのは「何を大事にするか」です。

 

フローリングは空間の中でも広い面積を占め、室内全体のイメージを左右します。

日常の歩く、座るといった作業の中で肌が直接触れることも多く、触り心地も重要です。

「毎日触れて過ごすもの」という観点とメンテナンス性や価格とのバランスを持って優先順位をつけていくと良いでしょう。

私ども家具蔵では家具のご案内だけでなく、このような住まい全体のご相談も対応しています。

家具とのコーディネートにも関わってくる部分ですので、お気軽にご相談ください。

 

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