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「Impressive Renovation」~マンションリフォームの新しいカタチ~ CASE2

2023.2.13

 

 

建築家がその全てを手掛けたり、企画プロデュースに参加することによって、マンションの部屋が見違えるように生き生きとするー。

そのような新しいリノベーションが注目されています。

特にここ数年でより一般的となった印象もありますが、大きな間取りから根本的な変更を加え、珪藻土や漆喰などの左官壁、ヴィンテージのタイルや大胆なアクセントクロスを採用するなど、各所に様々に工夫をこらしアイデアを取り入れた最新のリノベーション実例をご紹介します。

 

 

住まい手のセンスを建築家の繊細な感性で高めたオーダーメイドの空間作り


 

 

この「CASE2」では「1」に引き続き、建築家・山田悦子さんによるデザイン・リノベーションの実例をご紹介します。

Eさんご夫婦は山田悦子さんがリノベーションしたモデルルームを見てマンション購入を決めました。

「山田さんには初めに私たちの“夢のような希望”を全部伝えました。

そして、そこから全体の予算を見ながらプロの交通整理をしてもらうことになりました。

この床も私たちが希望した無垢材なのですが、実は初めは現在色々と使い続けて持っている家具と同じような濃い色のものをイメージしていたんです。

でも、“逆に少し明るくすると家具が映えますよ”と山田さんに教えていただいて…。

以前の家の床はダークブラウンでしたが今回明るい床材に変えてみて教えていただいたように家具が引き立って、本当に見違えたと思います」

そう語るご夫婦が山田さんのアドバイスのもと選んだ床材は、オークの無垢材。

昔の小学校でもよく使われていたこの材は、子供たちがどんなに駆け回ってもキズや汚れがあまり気にならないほど丈夫で、どこか懐かしい雰囲気もたたえています。

山田さんは2人がすでに愛用しているセンスの良い様々な家具までを含めたライフスタイルそのものを重視して、今回のリノベーション計画を進めていきました。

 

使い手の個性を生かした内装と無垢材家具の相性の良さが活きた空間


 

 

ご夫婦が家具選びにこだわり始めたきっかけは、今も朝晩の食事で家族が集うダイニングテーブルだといいます。

ウォールナットの大木から樹形を生かして作られた「耳付き」のテーブルは、 結婚生活を始める時に訪れた家具蔵自由が丘店でひと目惚れしたものでした。

最初は手持ちの椅子を合わせていたものの、いざ使い始めると椅子についてもテーブルに見合う存在感が欲しくなり、ウォールナットの無垢材からぜいたくに削り出した椅子を座り心地にもこだわって選びました。

弾性のある背板や、ゆるやかなカーブを描く座面が 極上の座り心地を叶えてくれるお気に入りの椅子です。

座面にはご主人の好きなミッドセンチュリーのイメージからモスグリーンの張地を合わせています。

「丁寧に作られた無垢の木の家具は、無着色という事もあるのかも知れませんが、いろんな材料を一緒にしてもケンカしないんですよね。

特に細部まで無垢を使っている本物の家具は、 多少の傷も古びずに味になっていってくれるので、家族がみんな愛着を持って長く愛用できると思います」

そのように語るご夫婦だけに、床には絶妙な色と幾何学模様のバランスで構成された手織りのキリムを合わせてみたり、随所に飾られた絵などのセンスはさすがの一言です。

そして、それらすべてを包み込むような巧妙な設計のなせる技を拝見すると、建築家によるデザイン・リノベーションの神髄を目の当たりにする思いがします。

丁寧なものづくりが共鳴し合う心地いい場所は、こうした人々の想いと必然の積み重ねで完成するのかも知れません。

 

山田さんの構想と、信頼のおけるタイル職人の丁寧な仕事が生んだ美しいタイル張りの壁。

 

ダイニングテーブル背後にある両開きの戸を開けると正面に見える奥の部屋に張ったクロスの柄が淡い光に浮かび上がり、控え目ながら美しい背景になるというしかけです。

 

これまでも愛用していたミッドセンチュリーの家具たちとも相性がいい、赤い革が個性的な 「無垢材LDアームチェア デュオ」。

ヌメ革による絶妙な座り心地と、簡単に移動できる手軽さがご主人のお気に入りとのことです。

 

「無垢材テーブルヴィンテージ」に合わせて設計したダイニングスペースと奥の子ども部屋。

 ガラスのペンダント照明のデザインを2つ揃えることで、 奥の部屋とひと続きのスペースのような雰囲気に仕上げています。

 

上り框の段差をなるべく低く設定することで、多目的に広々と使えるようにした玄関。

趣味の自転車は専用のポールにハンギングで収納しています。

 

玄関収納の扉の取っ手も空間全体の印象を左右する重要なポイントです。

このような小さな取っ手ひとつにもセンス と配慮が行き届いている事がわかります。

 

玄関をあがってすぐ前のドアは壁の一部に見えるように敢えて目立たないデザインとしています。

このドアからはバスルームへ直接アクセスする事ができ、このような使い勝手のいい動線の確保もデザイン・リノベーションを成功させる重要な肝となります。

 

ウォールナット材のソファ 「無垢材ソファモデルノ3P」 に合わせるように選ばれたグレーの壁紙。

通常よく見られるような無彩色のグレーではなく、少し紫色も入っているような絶妙な配色となっています。

このように、背景となる壁面はその前に置いた家具をどのように見せてくれるかを左右する重要なポイントになります。

 

その他の建築家とのコラボ事例はこちらから

 

 

 

 

 

 


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