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家具蔵 の提案する無垢材キッチン ~タイプ別・木のキッチン製作実例紹介~ その2

2023.8.2

 

 

住まいの新築やリフォームを計画する際に、「リビング」や「ダイニング」のような最も人が多く集まり、長い時間を過ごす事が想定される場所と同じように、最近では「キッチン」をどのような空間にしたいか、キッチンでどのように過ごしたいか、そしてキッチンの「インテリア」までを含めて家づくり全体を考えることも多くなりました。

それは、キッチンが単なる機能ばかりを優先する「調理の場」としてだけではなく、リビングやダイニングと同じように、そこで人が心地よく過ごせる空間であることが求められるようになったからに他なりません。

キッチンにもリビングやダイニングの家具と同様に時間とともに深みを増す本物の素材を使い、 腕の良い家具職人が丁寧に作るものを。

木のキッチン・無垢材のキッチンは、しっくりと手に馴染み、空間に美しく溶け込む美しい「生活の道具」となります。家具蔵の木のキッチン製作実例紹介として「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプの概略とその応用をご紹介します。

 

家具蔵のキッチンは「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」から選ぶ


 

 

私ども家具蔵では木のキッチンをプランニングする際に「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプから選択することが可能です。

お客様ごとにどちらのタイプをベースにすることが相応しいのか、どちらであればよりスムーズにプランの実現が可能であるか、を考慮しながら計画をする必要があります。

ベーシックタイプでは、横幅・奥行・引出しや扉・設備機器の並び方など、デザインに一定の決まりがある中からの選択となります。

そうすることで価格を抑える事も可能となり、また一方ではキッチンの使い勝手やデザインに普遍的な機能性、バランスの良い美しさが担保されたものとなります。

一方、オーダータイプではキッチン本体のサイズはもちろん、L型や二列型といった構成の根本的な部分から使用する機器やその配置、素材のセレクトまで全てを自由にデザインすることができます。

価格はベーシックタイプと比較すると高額となりますが、いわゆる高級オーダーキッチンメーカーと比較すれば安価であり、そのうえで本当に満足できる木のキッチンを計画したいという方には魅力的なものとなっています。

そして、上記の2つのタイプは基本的にどちらかを当てはめて計画する必要がありますが、内容によっては2つを組み合わせてプランニングをする事で、実現の可能性が拡がる場合もあります。

これからご紹介するいくつかのケースでは、どのタイプをベースにしているかも併せて表記しています。

これからキッチンを計画される方の参考になれば幸いです。

 

CASE2 家族とともに育つ「息をするキッチン」(T邸 /愛媛県 今治市)


 

 

【オーダータイプ】

T様との出会いは偶然でした。

タオルの生産で全国的に有名な愛媛県の今治市ですがそこで古くからタオルの生産を手掛けてこられたT様が、お仕事で東京の表参道に通うことが多くなっていた時に、ちょうどご自宅の新築計画が始まります。

T様の奥様は家の新築に際し、自身が理想とするキッチンを求めて日本各地のオーダーキッチンメーカーのショールームを回るために、四国から東京、大阪まで足を運ぶほどキッチンに対するこだわりやイメージを強くもっている方でもありました。

その奥様にとって、「ゆったりとしたL字型のキッチン」はその重要なポイントのひとつでした。

しかし、建築会社との打合せでは、間取りを考えるとL型にすることはおすすめできない、と言われ続けていたそうです。

一時はL型を諦めそうになりましたが、どうしてもこだわりを捨てきれない中で、家具蔵とキッチンの打合せをすることになりました。

L型を躊躇していた理由のひとつが、コーナー部分に出来てしまうデッドスペースについての懸念でしたが、家具蔵では、引出しや壁面収納の配置を工夫する提案がありました。

特にコーナー部分の収納は建築工事とうまく連動する事で機能的にもスムーズに無駄なく利用することができるようになりました。

細かい部分ではありますが、雑多になりがちなキッチンを少しでも使いやすく、美しく保つ工夫が必要です。

「キッチン本体だけの話で終わらずに、ここまで考えてくれるのかと感動しました」という奥様の言葉が家具蔵のキッチンの自由度を物語っています。

 

 

このように、家の間取りを決める基本設計の段階で相談できたことから、ダイニングやパントリーへの動線、勝手口や窓の位置調整といった建築部分にまで及ぶトータルなプランニングによって実現した、家具蔵ならではのオーダーキッチン。

「私のワガママを全部聞いてくれて、ベストな提案をしてくれたと思います」

システムキッチンのような制限がなく、細部まで完全に自分仕様となった満足感を奥様がそう表現されました。

まるでショールームのように広々と整ったキッチンは一見生活感が無く感じられますが、 やんちゃ盛りの3人のお子様の子育てと、3度の食事の支度にと、大活躍している「働くキッチン」です。

ここは家族の毎日の食生活を支え、皆が自然と集う、文字通り生活の中心となっています。

 

 

米びつや家電の配置を考えた壁面収納は、すっきりしながらも抜群の収納力。

取手にはアクセントになるウォールナット材を使用しています。

 

「息をする家」とキッチン


 

 

「3人同時の子育ては本当に大変です。 でも、子供っておもしろい。私自身の実家の記憶がそうだったように、家具やキッチンと共に、子供たちにこの家の思い出がたくさん生まれて残っていく生活を、今は思い切り楽しみたいと思います」

 取材中、学校から帰ってきた子供たちにおやつを用意しながら、奥様はスタッフを手作りの和菓子でもてなしてくれました。

そして、そこで拝見した小学生のご長男が学校で書いた作文は「息をする家」というタイトルでした。

そこには

「木から生まれた家や家具たちは、自然の木がその姿を変えることでできている。

そして姿を変えてもまだ呼吸をしているので、人間と同じ空気を吸っている。

だから人間と同じように大切にしていきたい」

と書いてありました。

住まい作りは夢が膨らむ楽しい作業の時間である反面、決めること、悩むことも多く大変な曲面が多くあります。

キッチン選びも同様なのですが、木という素材を大切にしながら家族の皆が安心して過ごせる空間を丁寧に考えていった両親の想いは、子供たちにもしっかりと伝わっているのだろうと思いました。

子供の成長につれ、木肌もその表情を変化させ、深い味わいを増していく。

にぎやかな暮らしの中心となる木のキッチンで、これからどんなご家族のストーリーが編まれていくのでしょうか。

遠い将来、美しく使い込まれたこのキッチンとT様ご家族との再会がとても楽しみです。

 

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