家具蔵 の提案する無垢材キッチン ~タイプ別・木のキッチン製作実例紹介~ その5
2023.10.5
目次
住まいの新築やリフォームを計画する際に、「リビング」や「ダイニング」のような最も人が多く集まり、長い時間を過ごす事が想定される場所と同じように、最近では「キッチン」をどのような空間にしたいか、キッチンでどのように過ごしたいか、そしてキッチンの「インテリア」までを含めて家づくり全体を考えることも多くなりました。
それは、キッチンが単なる機能ばかりを優先する「調理の場」としてだけではなく、リビングやダイニングと同じように、そこで人が心地よく過ごせる空間であることが求められるようになったからに他なりません。
キッチンにもリビングやダイニングの家具と同様に時間とともに深みを増す本物の素材を使い、 腕の良い家具職人が丁寧に作るものを。
木のキッチン・無垢材のキッチンは、しっくりと手に馴染み、空間に美しく溶け込む美しい「生活の道具」となります。家具蔵の木のキッチン製作実例紹介として「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプの概略とその応用をご紹介します。
家具蔵のキッチンは「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」から選ぶ
私ども家具蔵では木のキッチンをプランニングする際に「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプから選択することが可能です。
お客様ごとにどちらのタイプをベースにすることが相応しいのか、どちらであればよりスムーズにプランの実現が可能であるか、を考慮しながら計画をする必要があります。
ベーシックタイプでは、横幅・奥行・引出しや扉・設備機器の並び方など、デザインに一定の決まりがある中からの選択となります。
そうすることで価格を抑える事も可能となり、また一方ではキッチンの使い勝手やデザインに普遍的な機能性、バランスの良い美しさが担保されたものとなります。
一方、オーダータイプではキッチン本体のサイズはもちろん、L型や二列型といった構成の根本的な部分から使用する機器やその配置、素材のセレクトまで全てを自由にデザインすることができます。
価格はベーシックタイプと比較すると高額となりますが、いわゆる高級オーダーキッチンメーカーと比較すれば安価であり、そのうえで本当に満足できる木のキッチンを計画したいという方には魅力的なものとなっています。
そして、上記の2つのタイプは基本的にどちらかを当てはめて計画する必要がありますが、内容によっては2つを組み合わせてプランニングをする事で、実現の可能性が拡がる場合もあります。
これからご紹介するいくつかのケースでは、どのタイプをベースにしているかも併せて表記しています。
これからキッチンを計画される方の参考になれば幸いです
CASE 5 ウォールナット材に魅せられた豊かな空間(T邸/山梨県北杜市)
【ベーシック + セミオーダー】
以前より家具蔵の無垢材家具を自宅で愛用されてきたT様。
もともと山が好きということもあり、自然豊かな甲斐小泉の森の一角に自然素材でつくられたログハウスのような住まいを計画し、首都圏から移住することとなりました
家屋自体がしっかりとした無垢材や自然素材で構成されていることで、逆にキッチンの選択には悩みが大きかったといいます。
システムキッチンメーカーのショールームも数多く見に行ったものの、そこにあるものはどれも自身の感覚や嗜好の面で違和感があり、どうしても好きになれなかったそうです。
家自体が「本物の素材」でできているのだからキッチンにも本物の素材を使いたい、という想いもあり、元々馴染みもあった家具蔵へキッチンの製作を依頼することに決めたのもある意味当然の帰結だったのかもしれません。
好きなものと必要なものを明確にして作りあげたキッチン
新しい住まいの床材は当初、別の素材で計画していました。
しかし、キッチン素材をこれまでも愛用していたウォールナット材にしたことで、せっかくなら床も同じウォールナット材にしたいという気持ちが高まり、床もウォールナット無垢材に変更しています。
明るいものから黒に近いものまで非常に幅のある「茶色」で構成された空間は床材となってもキッチンの面材となってもそこに高級感と落ち着きをもたらしてくれます。
画像からもその豊かな素材感と絶妙なバランスが伝わってくるというものです。
キッチンとリビングダイニングの境である壁の上部を緩やかなアーチにした飾り窓。
窓のサッシをトリミングする無垢材の木枠。
それらが爽やかな白い壁と気持ちのよいコントラストを生み、「ドイツの田舎風」という意図どおり美しくまとまっています。
キッチンの施工からしばらく経ってからの取材・撮影であったため実際の使い勝手など感想を聞くことができました。
「システムキッチンのような至れり尽くせりの機能性は無いかもしれません。
ですが全てにおいて過不足のない、安定した使い勝手と機能性があり、逆に私たちにはそれが丁度良かった」
という言葉をいただきました。
そしてさらに
「我が家に初めて訪問されるゲストに家の中を見せる際には、まずキッチンから案内する」
という嬉しい言葉の後に出た、ふとした一言が今回の案件、そしてものを選ぶということの本質を表現しているようで印象的だったので紹介します。
「確かに我が家のキッチンは自慢です。
一方では他人からどう見られるか、思われるかではなく、自分たちの軸として良いものをきちんと選んで使っているということ自体が気持ち良く満足感を得ることができます。
このキッチンを選んだことでそれに気が付くことができました」
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