家具蔵 の提案する無垢材キッチン ~タイプ別・木のキッチン製作実例紹介~ その8
2024.2.9
目次
最近では住まいの新築やリフォームを計画する際に、「リビング」や「ダイニング」のように多くの人が集まり、長い時間を過ごすことが想定される場所と同じように「キッチン」の重要性も高まっています。
キッチンをどのような空間にしたいか、そしてどのように過ごしたいか、キッチンの「インテリア」までを含めて家づくり全体を考えることも多くなりました。
それは、キッチンが単なる機能ばかりを優先する「調理の場」としてだけではなく、リビングやダイニングと同じように、そこで人が心地よく過ごすことのできる空間であることが求められるようになったからに他なりません。
キッチンにもリビングやダイニングの家具と同様に時間とともに深みを増す本物の素材を使い、 腕の良い家具職人が丁寧に作るものを。
木のキッチン・無垢材のキッチンはしっくりと手に馴染み、空間に美しく溶け込む「生活の道具」となります。
家具蔵の木のキッチン製作の実例紹介として「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプの概略とその応用をご紹介します。
家具蔵のキッチンは「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」から選ぶ
私ども家具蔵では木のキッチンをプランニングする際に「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプから選択することが可能です。
お客様ごとにどちらのタイプをベースにするのが相応しいのか、どちらであればよりスムーズにプランの実現が可能であるか、を考慮しながら計画をする必要があります。
ベーシックタイプでは、横幅・奥行・引出しや扉・設備機器の並び方など、デザインに一定の決まりがあるなかからの選択となります。
そうすることで価格を抑えることも可能となり、また一方ではキッチンの使い勝手やデザインに普遍的な機能性とバランスの良い美しさが担保されたものとなります。
一方、オーダータイプではキッチン本体のサイズはもちろん、L型や二列型といった根本的な構成の部分から使用する機器やその配置、素材のセレクトまで全てを自由にデザインすることができます。
価格はベーシックタイプと比較すると高額となりますが、いわゆる高級オーダーキッチンメーカーと比較すれば安価であり、そのうえで本当に満足できる木のキッチンを計画したいという人には魅力的なものとなっています。
基本的には物件の状況やお客様の好み・事情に合わせてどちらかを当てはめながら計画する必要がありますが、内容によっては2つを組み合わせてプランニングをすることで、実現の可能性が拡がる場合もあります。
これからご紹介するケースでも、どのタイプをベースにしているかも併せて表記しています。
これからキッチンを計画している場合の参考になれば幸いです。
CASE 8 暮らしを楽しむ舞台のような、森を眺めるオープンキッチン( 村田邸 /山梨県 )
【フルオーダータイプ】
古くから軽井沢に並ぶ「森の別荘地」として知られる山梨県小淵沢。
爽やかな高原の涼と歴史ある別荘地ならではのバランスのとれた住環境を求め、多くの人が都市部からこの地へやって来ます。
村田さんは
「40年以上、海の近くで暮らしてきたので、老後は山の中と決めていた」
と定年まで数年を残して早々と小淵沢移住を決めました。
若い頃から夫婦でスキーを楽しんできたこともあり、周辺の地理や気候についての知識と体感があったこともこの場所に決める後押しとなったようです。
偶然の出会いが生んだ理想のキッチンプラン
当初、キッチンはステンレス製のシステムキッチンを予定していました。
ところが、キッチンメーカーのショールームからの帰り道、ランチに入る店を探しているうちに偶然家具蔵の前を通りかかり、アプローチに置かれていた一脚の椅子に目を留めます。
その椅子を見るつもりで立ち寄った家具蔵表参道店で展示されていた無垢材オーダーキッチンの話を聞き、システムキッチンで計画していたプランを大きく変更することとなりました。
もともと住んでいた鎌倉の家でも無垢材を使用したオーダーキッチンがあったため、その良さも十分にご存知であった2人。
そこに精緻な仕事とキメの細かい設計が加わることで、理想が実現できると感じたといいます。
ご夫婦の優しさと愛情でできたキッチン
村田邸のキッチンプランの大きな特徴は、その位置と向きにあります。
ウッドデッキに面した細長い吹き抜け空間の下、文字通り家のど真ん中に位置しています。
キッチン正面の大きな掃出し窓の外は、森の木々が拡がるパノラマです。
「普通、オープンキッチンはリビングやダイニングに向いているでしょう。
それが我が家はいきなり窓の外の大自然に向いている。
みなさん、こんなの見たことないって(笑)」
他にも、奥さまの身長に合わせた無垢材吊戸棚・計算された食洗機の配置・容量たっぷりな収納など、こだわりが形になっています。
「妻には苦労をかけたから、このキッチンだけはぜひ実現してあげたかった」
というご主人のお言葉。
この住まいに満ちる温かさを何よりも表現しています。
この日は知人も呼んで新しい住まいのお披露目&食事会。
家の中心に据えられた広々としたオープンキッチンを囲み、それぞれ会話もしながら楽しく調理が進みます。
庭採れハーブを効かせたシーフードパスタはご主人の得意料理のひとつです。
庭に向いて設えた無垢材キッチンの堂々とした佇まい。
キッチンに居ながら大自然に触れることが出来る、まさに暮らしの中心です。
無垢材のウォールナットの深い色合いが空間を引き締めています。
キッチン上部は吹き抜けの開放感ある空間。
梁や柱もウォールナット材の無垢材家具と相まって、空間の一部として見事に溶け込んでいます。
キッチン隣はキッチンと同じウォールナット材で統一したリビングと、逆側は奥様のアトリエスペースになっています。
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