家具蔵 の提案する無垢材キッチン ~タイプ別・木のキッチン製作実例紹介~ その10
2024.4.5
目次
最近では住まいの新築やリフォームを計画する際に、「リビング」や「ダイニング」のように多くの人が集まり、長い時間を過ごすことが想定される場所と同じように「キッチン」の重要性も高まっています。
キッチンをどのような空間にしたいか、そしてどのように過ごしたいか、キッチンの「インテリア」まで含めて家づくり全体を考えることも多くなりました。
それは、キッチンが単なる機能ばかりを優先する「調理の場」としてだけではなく、リビングやダイニングと同じように、そこで人が心地よく過ごすことのできる空間であることが求められるようになったからに他なりません。
キッチンにもリビングやダイニングの家具と同様に時間とともに深みを増す本物の素材を使い、 腕の良い家具職人が丁寧に作るものを。
木のキッチン・無垢材のキッチンはしっくりと手に馴染み、空間に美しく溶け込む「生活の道具」となります。
家具蔵の木のキッチン製作の実例紹介として「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプの概略とその応用をご紹介します。
家具蔵のキッチンは「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」から選ぶ
私ども家具蔵では木のキッチンをプランニングする際に「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプから選択することが可能です。
お客様ごとにどちらのタイプをベースにするのが相応しいのか、どちらであればよりスムーズにプランの実現が可能であるか、を考慮しながら計画をする必要があります。
ベーシックタイプでは、横幅・奥行・引出しや扉・設備機器の並び方など、デザインに一定の決まりがあるなかからの選択となります。
そうすることで価格を抑えることも可能となり、また一方ではキッチンの使い勝手やデザインに普遍的な機能性とバランスの良い美しさが担保されたものとなります。
一方、オーダータイプではキッチン本体のサイズはもちろん、L型や二列型といった根本的な構成の部分から使用する機器やその配置、素材のセレクトまで全てを自由にデザインすることができます。
価格はベーシックタイプと比較すると高額となりますが、いわゆる高級オーダーキッチンメーカーと比較すれば安価であり、そのうえで本当に満足できる木のキッチンを計画したいという人には魅力的なものとなっています。
基本的には物件の状況やお客様の好み・事情に合わせてどちらかを当てはめながら計画する必要がありますが、内容によっては2つを組み合わせてプランニングをすることで、実現の可能性が拡がる場合もあります。
これからご紹介するケースでも、どのタイプをベースにしているかも併せて表記しています。
これからキッチンを計画している場合の参考になれば幸いです。
CASE 10 我が家のオープンキッチンは海を見渡せる特等席(H邸 神奈川県横須賀市)
【フルオーダータイプ】
常に海外を飛び回る多忙を極める毎日の傍ら、休日には自ら船を操りクルージングを楽しむというH様。
そのセカンドハウスは海沿いの通りから少し内側に位置しながら、広大な海が一望できるエリアにあります。
家の中で最も大きな面積を占めるワンルームのLDK。
そこに設置する無垢材キッチンは、文字通り「全てがオープンになる」ものです。
言い方を変えればオープンに「なってしまう」ことは、左右前後どこから見ても隙がなく、プロダクトとしての完成度や美しさが求められることでもあります。
ある意味で条件が非常に厳しいともいえるなかで多くの時間を要した検討と打ち合わせの結果、導き出された答えとは…?
日常の中で「非日常」を演出するオリジナルキッチン
その回答はホテルのバーラウンジとレストランのオープンキッチンのイメージをミックスする、というものでした。
「バーカウンター」と「調理スペース」とをひとつに繋げた完全オリジナルのデザインは日常の中にもセカンドハウスならではの「非日常」を演出できるコンセプトを持っています。
料理を行う、その風景を見るという行為自体をライブ感覚で楽しめるようなオープンスタイルのキッチンは、海辺のリゾートホテルのバーカウンターを彷彿させる雰囲気を持ち合わせています。
今回のようなワークトップがフラットとなっているアイランドキッチンは、通常はキッチンのワークトップ部と対面するカウンタートップ部が同じ素材で製作されることがほとんどです。
今回のようにステンレスと無垢のチェリー材を、いわば「ハーフ&ハーフ」の状態で高さを揃えてきれいに合わせるデザインは製作側にとっても興味深い挑戦でした。
脚付きのキッチンが創り出す空間との統一感
また、家具のように「脚付き」となるキッチンは、絶対に欠かせないコンセプトとしてK様がこだわった部分です。
キッチンとLDが間続きとなっていることが多い現代の住まいではキッチンも空間を彩る重要な要素です。
空間全体との親和性をふまえ「空間の中でキッチンだけが浮いてしまわないように」と考えることはもはやスタンダードとなっています。
他の家具や内装と趣きを同じとしたキッチンは空間の顔として、部屋全体のイメージをつくり、高めるのに重要な役割を果たしています。
ディテールに目を向けると、チェリーの無垢材の扉は木目が綺麗につながり、オーダー家具ならではの美しい仕上がりになっています。
ステンレスの使い勝手の良さと無垢材のチェリーのもつ柔らかな質感。
異素材のミックスもそれぞれの素材の良さを更に引き立ててくれています。
無垢材は目で見て癒されるだけでなく、触れた時の手触りも格別です。
毎日使うものだからこそ、使い勝手はもちろんのこと、居心地の良さも大切なポイントかもしれません。
ステンレスシンク内のエッジの角度や扉の木目の通しかた、そして全体の素材感。
細部にまでディテールにこだわりを持っていたH様との共同作業で造り上げた無垢材オーダーキッチン。
窓いっぱいに広がる海と景色を眺めながらの朝食で1日をスタートできたら、ただそれだけで良い日になりそうな、ワクワクした気持ちになれそうです。
そして夜は穏やかな海を見つめながら、ゆっくりと今日の出来事を語りながら過ごす。
無垢材の癒しがサポートする心地良い時間で気持もクールダウンして、良い眠りに就けることでしょう。
「ここで暮れていく海原を眺めながら過ごす時間は、何物にも替えがたい最高のリラックスタイムです。月明かりに照らされた夜の海もまたいいですよ」
寛げる自宅でありながら海辺のリゾートホテルのように大自然を味わえる、日常と非日常が入り混じった魅力的な無垢材キッチンスペースです。
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