新築の際に知っておきたい窓"のポイント"
2022.3.1
現代の住まいには当たり前のように付いている「窓」。
採光や通風の為には欠かせない建具ですが、今回は新築一戸建てを建てる際に注意すべき窓のポイントと、
よくある失敗例及びその対策をご紹介しましょう。
掃き出し窓設置の注意点
左右に引いて開け閉めをする「掃き出し窓」はリビングからバルコニーや庭につながる大きな引き戸式の窓です。
この掃き出し窓の配置や大きさはその選び方次第で、リビングの「明るさ」「防犯性」「風通し」など住み心地に大きく影響します。
大きな開口となる掃き出し窓は、採光という観点では最適な窓です。
床面に接しているため、健康やうつ病の予防にも良い太陽光を遮らずに部屋の中へ取り入れることができます。
風通し、という観点からも快適な生活の大敵となる部屋の「カビ」を防ぐ意味でも大きな開口部である掃き出し窓は重要な役割を持ちます。
他にもサッシ部(窓枠)の色を通常の銀色ではなく黒に塗ったり、木枠風にすることで空間の印象は大きく変わります。
最近ではバルコニーと部屋の段差をなくして、掃き出し窓を挟んで部屋が続いているように感じられる作りのデザインもよく見られますね。
しかし、明るく風通しの良いリビングにしたいがあまり、窓を増やしすぎたり大きくしてしまうと次のような失敗例があるため注意が必要となります。
<失敗例>
●リビングに大きな窓を多くつけたら家具の配置が難しくなった。
●隣の家の窓と対面になり丸見えになってしまうので気になる。
●テレビの後ろに窓がきてしまい、昼間テレビが見えづらくなった。
<対策>
まずはリビングにどんなものを置くのかを考えることが重要です。
リビングに置く家具やインテリアに合わせて窓の数や大きさを考えること。
また、向かいの家や道路からの視線が気になる場合は、高窓を設ける方法もあります。
リビング・ダイニングの窓を設置する際の注意点
リビングは住まいのなかでも一番リラックスできる場所です。
吹き抜けを作って窓を設けると、明るくて居心地の良い空間を作ることができます。
立地上、また掃き出し窓の外からの視線が気になって日光を入れることができない場合は、細長い高窓を作ることで外からの視線が気にならなくなります。
またリビングダイニングの場合、いくらリビングの窓を大きくしたり配置を変えても、ダイニングまで十分に光が差し込まないことが考えられます。
このためダイニングにも窓を1つ設けることを考えておくと良いでしょう。
建物の狭い壁面や細長いスペースにはめ込むスリット窓は、デザイン性という観点から優れているように見受けられます。
スリット窓から縦に伸びる日差しは非常にきれいです。
しかし、部屋全体を照らすことはできないため、採光の面では優れていません。
昼間でも薄暗く、電気の明りを必要としてしまいます。
<失敗例>
●リビングとダイニングの間にスリット窓を設置したものの、特にメリットを感じない。
●スリット窓で明るさを得られると思ったが、薄暗い程度だった。
<対策>
スリット窓は、明るさが室内の照明で補える玄関や廊下、階段などに利用することで、デザイン性に優れた空間を演出することができます。
また、設置場所を工夫すれば家の向きや時間によって、足元などを照らす程度の採光を確保することもできますが、照明として扱うのではなくあくまでデザインとして考えることが大切です。
小窓の位置に要注意
脱衣所やトイレでは外から見えないように高窓を付けることもあります。
この場合は湿気やカビ対策、換気を考慮してつけられますが、この高窓にも注意が必要になります。
<失敗例>
●洗濯機の真上に窓がきてしまって開閉しづらい。
●トイレの窓が隣の玄関の前にあたり、開けたくても心境的に開けづらい。
<対策>
家電や家具を設置した状態を想定し、窓の位置をシミュレーションする。また設計前に現地を見て回り、どこにどの部屋がくるのかイメージしておくことが大切となります。
そもそも窓の多すぎは危険
窓が多いと壁の面積が減ってしまいます。
そのため家具の配置に困ったりする場合があります。
最近では大開口の窓が増えていますが、これは住宅密集地では向いていません。
また、窓を多くしてしまうと、屋外の温度の影響を受けやすくなり、夏は暑く、冬は寒い住まいや部屋になってしまいます。
注文住宅などはデザイン性や明るさ、開放感を得るために多くの窓をつけてしまいがちです。
窓の断熱性能が上がっているといえ、過剰に多くの窓を付けてしまうと熱の出入りが大きくなり、冷暖房費が増えてしまうことになることにもなります。
日常の多くを過ごすリビング部やキッチンなどに大きな窓を作ったところ、隣地の窓の位置や道路を通行する歩行者の視線が気になって…という例もあります。
普段そこで過ごすことが少ない部屋でも、室内が覗き込まれてしまうような立地の場合にはやはり窓の位置や大きさには注意が必要です。
「窓は適切な場所に、適切な大きさの窓を設置する」
という考え方が大切なのです。
こういった「適切な窓の配置」という観点は建築、という観点だけでも家具のレイアウト、という観点だけでも見えづらい部分があります。
家具蔵では「家具から始まる家づくり」を推奨していますが、家具の配置やインテリアを考えながら住まいづくりを同時に行っていくことは、例えばこのような「適切で過ごしやすい窓の設置」にも繋がるのです。
新築をお考えの方、今まさに戸建を作る打合せの最中の方、一度「家具やインテリアの設置=室内での快適な過ごし方」という観点と建築をリンクさせる話を聞きに家具蔵にお立ち寄りください。
スタッフ一同、お待ちしております。
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