住宅の工法と工期を知る
2018.8.21
夢のマイホーム。
そんな我が家を新築する際に重要な要素となるのが
「どんな工法なのか」
「工期はどの位かかるのか」
という点です。
敷地の形状や条件に適していることはもちろんですが、希望の間取りにできるか、将来のリフォームに対応できるか、工期、コスト、建物の耐久性、耐震性などを含め、その構造・工法は、
大事な家族の毎日の暮らしを支えるうえで、とても大切な部分です。
人が安心、安全に暮らすためには、住宅は欠かせないもの。
今回はこのような住宅に関しての基本的な知識にフォーカスしてお話していきましょう。
工法と工期
竪穴式住居に始まる、住まいの建築工法はまさしく多様。
改良に改良を重ね発達してきたそれは、今日、主に次のような工法を選ぶことができるようになりました。
■在来工法(木造軸組工法) 工期 約4?6ヶ月
特徴
日本の伝統的な工法で、縦(柱材)と横(横架材)に渡す木材を組み合わせて造り、且つ木造なのが「在来工法」。
木を組む際は組み手でつなぎ合せるため、熟練した技術が必要になる。
設計の自由度が高いが、職人のレベルによって建築の質に差が出ることも多い。
■ツーバイフォー(木造枠組壁工法) 工期 約4?5ヶ月
特徴
1940年代に、アメリカやカナダで発達した工法で、主に2×4インチの角材をつくり、土台の上に、1階床→1階壁→2階床(1階天井)の順で組み立てる。
「枠組み壁工法」、「プラットホーム工法」とも呼ばれている。
木造軸組工法が柱・梁で支えるのに対し、壁・床・天井の面で支える6面体構造であるのが特徴。
地震や台風にも強く、気密性が高いのが利点。
しかし、耐力壁が構造体なので大きな開口部が造り難い点と、屋根が最後に仕上がるため、雨の多い時期の建設は完成が遅れることを考慮する必要がある。
■プレハブ工法 工期 約3?4ヶ月
特徴
部材の工場生産率が高い、工業化住宅のこと。
大工や職人による現場での材料の加工や施工を行うかたちではなく、工場において材料を加工し、壁や床をすでに形を作っておき、それを現場に搬入し組み立てる。
現在では建築工法大手住宅メーカーのほとんどがこの工法を採用している。
工場で部材を生産し、現場ではほぼ組み立てのみなので、品質が均一で工期が短縮できる反面、現場での変更がきかないことと、プランにある程度の制約が出る。
また、「プレハブ工法」のなかでもいくつか種類がある。
「木質系プレハブ」はパネルに木の枠材や構造用合板をふんだんに用いたもの。
メーカー独自に開発、生産した品質の一定したパネルを強力な接着材と釘・金物で固定して6面体をつくるため、地震や台風にも強く、工期も短い。
断熱材がたっぷり充填されたパネルは高い施工精度と断熱性・気密性に優れ、省エネルギー住宅を実現する。
「コンクリート系プレハブ」はプレキャストコンクリート(PC)板と呼ばれるコンクリートパネルを用いるもの。
厳しい品質管理のもと、工場で一貫生産されたPC板は、高強度で・耐火性・耐久性・遮音性・断熱性・気密性にも優れる。
他のパネル工法同様、特殊な接着剤や強度の高いボルトで接合し6面体をつくるので、地震や台風にも強い。
施工期間も短くなるが重量も増すため、軟弱な地盤の土地では補強が必要になる。
「鉄骨系プレハブ」は主要構造部を鉄骨で支えるもの。
柱、梁で支える軸組工法、面で支えるパネル工法、軸組とパネルの併用構造に大別される。いずれも強度が高く、鉄の表面には防錆処理が施されているので耐久性にも優れている。
「ユニット系プレハブ」は工場でパネルを組み立てて6面体をつくり、その中に建具や内装、配管、配線・設備など、できるかぎりのものを組み込みユニットとするため、
現場施工に比べ品質管理が行き届き、工期を極めて短縮できるのが特徴。
■鉄筋コンクリート造(RC造) 工期 約8ヶ月(マンションなど大型案件は約12ヶ月程度)
特徴
鉄筋(鉄の棒)によりコンクリートを補強したもの。
圧縮力が強いコンクリートと、引張る力が強い鉄筋のそれぞれの長所を組み合わせることにより、強度を上げる。
耐震・耐久・耐火性に優れているが、手仕事の割合が多いので建物ごとに仕上りのばらつきがある。
重量が大きいため超高層には適さないといった特徴がある。
■鉄骨造(S造) 工期 約4?5ヶ月
特徴
柱や梁などの主要な骨組みに鋼材を用いた構造で、RCに比べると軽量で経済的。
軽量の割に強度が高いので体育館などの大スパン構造や超高層ビルに適している。
工場生産のため均一な材料を提供できることもメリット。
鋼材は不燃材料だが耐火性に劣るので、500℃以上になると耐力が常温の半分以下になることと、断熱性が低いことは要注意である。
■鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) 工期 ビル・マンションなどで約12ヶ月
特徴
鉄筋コンクリートの中に鉄骨を入れ、一体化した構造のこと。
RC造と比較すると部材内に多量の鋼材を納めており、鋼材が多ければ多いほど部材としての強度は大きくなる。
超高層建築の下層部や7?25階程度の建築物に用いられ、一般住宅ではほとんど用いられない。
強度、耐震、耐火に優れるが、優れた建物であるが高価であるため、RCに比べ採用される頻度が少ない。
戸建て住宅の建築工程
いざ、家をつくる!となってからはおおよそ5?6ヶ月程度の時間は最低でも必要と言われています。
まず、イメージ作りや資金計画を含めた情報収集からはじまり、契約にいたるまでは人それぞれの期間を要するでしょう。
そこから(上記のような工法の違いにもよりますが)契約→着工→上棟→各種工事→竣工→引き渡し→入居、という流れです。
そのなかで引越しの準備や家具の選定、お子様のいる方は学校の準備など多岐にわたる付随作業も行います。
また、途中に新築の際にしか実際には耳にしない用語も多数出てきます。
知っていると何かとスムーズにことが進むこともあるので覚えておきましょう。
●建築確認申請
建物を新築または増築する際には規定の法律に適合しているか、建築主事による確認を受ける必要がある。
着工前に必ず確認を受けなければならない。
多くの場合、設計事務所が代理で行う。
●地鎮祭
土木工事などを始める前にとり行う儀式のこと。
地の神である大地主大神、氏神、地域の神である産土(うぶすな)大神を迎え、工事の安全を祈願する。
●上棟式
建前(タテマエ)とも呼び、無事棟が上がったことに喜び、感謝するもの。
「儀式」というよりも施主が職人さんをもてなす「お祝い」の側面も強い。
工事に関わった人が一同に会し、今後の工事の安全を祈願し、お互いの協力の元に家をつくり上げていこうとする意思表示の会でもある。
いかがでしたか?
特に家づくりにかかる時間やスケジュールを知っておくと、暮らしの質を変えることになる家具選びやインテリア選びに大きく影響があります。
好みのインテリアを中心に間取りや外観、内装のプランを考えることができたり、開口部の位置、建具の種類を変えることもできます。
また、造作家具と置き家具との比較やオーダー家具の納期への余裕もしかりです。
コンセントや照明位置、ウィンドウトリートメントも希望や融通が利きやすくなります。
早めにカーテンの発注をすることで竣工に合わせ納品することができる。
「一生のお買いもの」でありながら「3回建てて成功する」とも言われるマイホーム。
より素敵で快適なものになるように、家具蔵でもこうしたお話を含め、暮らしづくりのお手伝いを行っております。
お気軽にお声掛け下さい。
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