「空間のカラーコーディネーション -快適な色のある生活 Vol.3-」
2015.12.25
皆様、こんにちは。
早いもので、あと数日で2015年も過ぎ、新たな年を迎えることとなります。
お陰様で、我々家具蔵も20周年という節目の年を、皆様からの多くのご愛顧を受けながら、つつがなく終えようとしております。
どうか皆様、良いお年を迎えられますよう…。
2週前より連載しております「空間におけるカラーコーディネートのポイント」。今回は最終回です。
今回は「紫(パープル)」という少し難しそうな色と、基本中の基本「黒(ブラック)」をご紹介します。
『パープル』
赤と青とのバランス次第で、暖色にも寒色にもなるのが紫色です。紫は王家や貴族の伝統、仏教での高位が纏うことから高級感と結び付けられることも多いのですが、一方でクリエイティビティともつながる色でもあります。鮮やかなパープルはインスピレーションを触発し、創作意欲を刺激します。また、静謐な空気をつくりたいなら、やわらかく青みを帯びたラベンダーが効果的です。
パープルの使いこなし
・色彩の良しあしは何かと流行の浮き沈みに左右されがちですが、インテリアの分野ではルネサンス以来、ロイヤルパープルと金色は定番の組み合わせ。この2色を入れれば、それだけでバロック調の空間ができあがります。
・紫色には健康回復の効果があるとされます。意外かもしれませんが心身をゆったりのびのびさせる贅沢なバスルームにはぴったりです。やや寒色よりのラベンダー色でタオルやリネン類を揃えれば、その場が落ち着いた静かな空気で満たされます。
・暖色寄りの赤身の紫は、キャンドルの灯と相性抜群。プラムのような濃い赤紫や茄子紺(『なすこん』 …夏野菜として親しまれている茄子の実のような紫みの濃い紺色。藍染の濃色に蘇芳で染め重ねられ、江戸時代になってから使われるようになった色名)、またはワインレッドを選べば、ダイニング、リビング、ベッドルーム、どの部屋でも灯に映える華やかな空間になること請け合いです。
・大胆かつクラシックな色は、アールデコのカラーコーディネートも参考になります。茄子紺や深い真紅と明るく緑がかった青、黄金色の組み合わせは幾度もファッションの先端に返り咲き、そのたびにインテリアでも流行している色です。
ソファやリビングのような寛ぎ空間に差し色として持ってくるカラーとしても紫は良いチョイス。
癒し効果と高級感あるアクセントを両立させます。
モノトーンコーディネートの空間を壊さずにアクセント付けしてくれるのも紫の特徴。
観葉植物の鮮やかな緑とも相性は抜群です。
『ブラック』
インテリアの世界ではベージュや灰緑色、チョコレート色といったアースカラーの流行があまりに長く、いまや黒や灰色は大胆な選択のようにも思われています。ただ、昔から「どの部屋にも何かしら黒いものを置くとよい」とも言われ、すべての色を否定する「黒」が主役の部屋は最も大胆なインテリアかもしれません。
黒の使いこなし
・黒を大胆に着こなす人も、インテリアに黒を使うときは、だいぶ消極的になってしまうようです。うまく使えば、黒の濃淡は空間に深みを与え、ドラマチックに盛り上げてくれます。
・白は光を反射し、黒は吸収します。黒には空間を暗くする効果がありますが、つやのある塗料やラミネート素材、皮革など、光沢のある素材と組み合わせることで、雰囲気が暗くなりすぎるのを防ぐことができます。
・純白を添えると、黒やグレーがより鮮やかに。もう少しおとなしく、かつスタイリッシュな組み合わせには、チャコールグレーとごく淡いアイボリーを使うと良いでしょう。
・黒とグレーはいずれも様々な色味を含んでいるので、光の具合によって他の色のごく濃いトーンに見えることがあります。壁を塗るときは試しに小さい面積を塗って、一日のさまざまな時間帯、さまざまな光でその見え方を確認するのがお勧めです。
落ち着いた雰囲気の空間を更にドラマチックに。
黒は白と合わせることで鮮やかなメリハリを空間にもたらし、お部屋を広く見せます。
いかがでしたか?これで3週に渡っての当ブログでの集中連載は一旦おしまいです。
素敵な空間をつくるちょっとしたご参考になれば嬉しく思います。
また、ブログの更新も2015年は今回が最後。住まいや空間、家具、無垢材、木…。様々なテーマからブログを書いてきましたが、これらに共通するものは一つ。「心地よい上質な空間に住まう」ことだったような気がします。
「心地よい上質な空間」。それはつまるところ、お気に入りの家具や自分の好きなものがある生活ではないでしょうか。そういった暮らしは毎日を少しだけかもしれませんが幸せにします。ゆっくりと長くじんわりと続く幸せです。
2016年もそういった暮らしの中にある家具をご提供できれば、と考えます。
皆様、本年も誠にありがとうございました。
2016年も変らぬご愛顧を、何卒よろしくお願い申し上げます。
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