着物を収納するのには無垢材収納がお勧め
2020.4.18
日本独特の文化であり、礼装としても用いられる「着物」。
この着物の収納でお困りの方は家具蔵のお客様でも多くいらっしゃいます。
着物は平らに置いておかないといけません。
これが意外とスペースを要する、ということもあります。
年に一度、着物を着るか着ないか…という場合や、とりあえず収納しておきたい…という場合は、収納しっぱなしの着物にカビが発生したり、虫がついたりしないかも気になるものです。
着物は、代々受け継がれてきたものであったり、思い入れのあるものが多かったりします。
だからこそ、家での収納方法も適切な方法でしっかり管理したいものです。
無垢材「桐」のメリット・効能について
着物を収納する家具としては、「桐箪笥」が真っ先に浮かぶのではないでしょうか。
古くはどの家庭でも必ず1つはあったとされる桐箪笥も、時が変わり人の衣服の変化もあり、また婚礼家具という考えも薄れてきた現代においては、非常に高価なものとして考えられています。
桐箪笥が着物収納に即したものである理由は、以下のとおりです。
●虫がつきにくい
虫がつきにくい桐の抽出成分の中には虫を寄せ付けない成分が含まれています。
そのため、乾燥した桐材には虫がつきにくいと言われており、収納した着物をノミやダニなどの虫から守ることができます。
●湿気に強い
湿気に強い外部の湿度が高くなると、桐はその湿気を吸って膨張し堅くなり、たんすの中に湿度の高い空気が届くのを防ぎます。
たんすの中は常に乾いた状態が保たれることになり、衣類を湿気から守ってくれるのです。
●不腐性
腐りにくい桐には防腐剤になるタンニンという成分が含まれています。
桐の箪笥は腐りにくく、特別な手入れをしなくても長く使い続けることができます。
●軽くて地震にも強い
軽くて地震にも強い桐箪笥は軽くて頑丈にできており、大きさの割に重心が低いため、大きな地震の最初のひと揺れも持ちこたえることができます。
万が一倒れても、軽量なので周囲に与える被害は少なく済みます。
●火に強く燃えにくい
火に強く燃えにくい桐は熱伝導率が低いため、火災の際に表面が炭化しても中まで火が回るには長い時間がかかります。
また、消火時の水を吸収することにより木が膨張して引出しの隙間を塞ぎ、水の侵入も防ぎます。
木材以外の衣装ケースとの違い
●紙製の衣装ケースの場合
ある程度吸湿性があるといわれていますが、吸湿できる量が少ないので、部屋の湿度が大きく変化すると湿気が衣装ケース内に入り込んでしまい、衣装ケース内の湿度も上がる傾向にあります。
●プラスチック製の衣装ケースの場合
部屋の湿度の変化に合わせるように、衣装ケース内の湿度も変化しました。
プラスチックは吸湿性がないので、部屋の湿度が変わると隙間から湿気が出入りすることが考えられます。
●桐製の衣装ケースの場合
部屋の湿度が変化しても、衣装ケース内はほとんど一定の湿度を保ちます。
つまり桐が吸湿性に優れている結果でもあります。
桐製の衣装ケースは収納した衣類を湿気から守ってくれるのです。
木の効能を存分に発揮してくれるのは、無垢材ならではです。
無垢材は、着物収納に最適
無垢材の桐は他の木材より柔らかいという性質があるため、着物が触れる内部、つまり引出し内部を桐にし、全体は、より耐久性のある無垢材(アメリカンブラックウォールナット、アメリカンチェリー、ナラ、ハードメープル)で作る収納家具が多くなっています。
無垢材は、木の多孔質が温度を調整してくれる優れものです。
無垢の木材はその内部に、たくさんの小さな空洞(細胞)がある多孔質という構造を持っています。
この空洞が、空気中の湿度が高い時は湿度を吸い、空気が乾燥してくると水分を吐き出す働きをします。
木材が「呼吸している」といわれるのは、こうした調湿のメカニズムのため。
室内にできる限り無垢の木材を取り入れていけば、高温多湿の夏や乾燥する冬にその力を発揮し、快適な住環境をサポートしてくれます。
そのため、「桐」との相性も抜群です。
また、樹木の年輪の間隔、そして木目は「1/fゆらぎ」といわれています。
ちょっと不思議な言葉ですが、“規則正しさ”と“不規則さ”がちょうどよいバランスで調和したパターンのことです。
このゆらぎは自然界によって生み出されたリズムです。
この不安定さが人に心地よさを与える効果があるといわれています。
年輪や木目は、等間隔のように見えても実は微妙なズレが生まれています。
まさにこの「秩序のなかの無秩序」こそが、視覚を通して人の感覚を心地よく刺激するのです。
その他、「1/fゆらぎ」を持つものとしては、小川のせせらぎや波の音、星の瞬きなどがあります。
赤ちゃんがお母さんの胸で、いつの間にかスヤスヤと寝てしまうのは人間の心拍の音が「1/fゆらぎ」であるためともいわれています。
そのため木材は、人の生理面や心理面に良い影響を与えることが知られています。
例えば、特別養護老人ホームでの調査によると、木材を多く使用している施設ではインフルエンザにかかったり、転んで骨折をしたりする入居者が少ないという結果が出ています。
樹種によって色合いが異なるのでモダンな空間やナチュラルな空間、北欧テイストの空間など、様々な空間に合わせることも可能です。
家具蔵では「無垢材 和チェストエミネント」をはじめ、桐を使用した無垢材商品を扱っています。
いわゆる洋家具の類になる「無垢材チェスト モデルノ」や「無垢材チェスト ダン」も同様です。
サイズや仕様についてもご希望に応じた特注オーダーも承っておいます。
大切な置物を仕舞われる収納家具、長く安心して使える無垢材家具を選んでみてはいかがでしょうか。
家具蔵の無垢材収納家具を使用している暮らしの事例はこちらから
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