食器を美しく見せる収納術
2020.5.15
インテリアサイトや雑誌を見ていると、収納に関しては
「出来るだけ隠してスッキリ見せる派」
「キレイに飾って見せる派」
とオーナーの好みを感じます。
特にキッチンやダイニングでは使用頻度が高いものも多いため、その収納方法に困っているというお話しをよく耳にします。
冷蔵庫をはじめトースターや電子レンジなど、最近ではキッチン家電も「魅せる」ことを前提としてデザインも含めて選ぶことが当たり前になっていますが、数の多い食器については「これが正解」という魅せ方がないので困っている方も多いのではないでしょうか?
基本的に食器は食器棚に「しまう」ものが多いですが、特別な食器を飾ったり、普段使いの食器を敢えて見せて収納したり、その目的に応じた魅せ方でより効果的に演出することが出来れば、空間のイメージが大きく変わります。
そうしたプラスアルファの提案として、まずは食器を美しく見せる収納について3つアプローチをご紹介していきます。
ガラス扉収納を使用する
食器はホコリが付かないように収納したい。
実用性を考えれば、そうおっしゃる方がほとんどです。
扉がガラスの食器棚であれば、食器を収納しつつ外からも見えるため、「見せる」と「しまう」を両立することが可能です。
そして、この時に重要になるのがその見せ方。
ポイントとなるのが、素材・形・色です。
食器棚であれば棚板で区切られた空間になりますが、色の統一感・素材の統一感・サイズの統一感を持たせて収納することでまとまりが生まれ、スッキリとした印象になります。
それと同時に大切なのが「余白」です。
収納力優先の食器は隠す収納に任せて、「魅せる」ための収納は一つ一つのアイテムが美しく見えるようにゆとりを持って並べることでそれぞれが引き立ちます。
キュリオケースなどに特別な絵皿やグラス食器を飾る場合は、そこにプラスして照明があるとさらにその美しさを引き出してくれます。
正面だけではなく両サイドもガラスで誂えたケースでは光が拡散してさらに輝かせてくれるので、ガラスの棚板で光が隅々まで届くようにすると大きな演出効果が期待できます。
オープン収納を使用する
ガラス扉の収納よりもカジュアルに見せたいときは、扉が無い「オープン棚」がおススメです。
食器を並べる時に、ガラス扉収納と同じく素材・形・色でまとまりを作って収納する、というルールはガラス扉収納を使用する際と同じです。
オープン棚の場合、ホコリの付着はやはり気になりますが、ちょっとしたアイデアでそれを防ぐことができます。
まずは、毎日使うものを置くこと。
デイリーユーズの食器であれば、その都度使って洗って収納・保管するので、必然的にホコリが付く時間も少なくなります。
毎日使うものだからこそお気に入りのものを使う。
お気に入りのものだからこそ、飾っておきたい。
こうしたサイクルを作ることにもつながります。
そして毎日のことだからこそ気にしておきたいのが、「棚の高さと取り付け高」です。
基本的にはアイレベルと呼ばれる高さ(身長×0.9m)を基準として手の届く範囲で、かつ「魅せる」ための収納なので、リビングダイニングから見える位置や高さを考慮して作ることが重要です。
高さのあるオープン棚であれば、上部にあたる場所は比較的使用頻度の少ない食器を置くことになります。
その場合は最上段に箱モノやバスケットなどを飾ると、フタのような効果をもたらしてくれます。
さらに、ホコリを防ぐにはまず油や煙がかからないようにすることも大切です。
料理をしている時だけでなく、その前後もレンジフードを稼働させることでそれを軽減することができます。
吊収納を使用する
最近ではアイランドキッチンやペニンシュラキッチンなど、対面キッチンで吊戸棚を設けないケースをよく目にします。
そのためレンジフードにも意匠性が求められるようになり、オシャレなデザインのものが増えています。
レンジフードと組み合わせて計画する方が増えているのが、オープンタイプの吊収納です。
特に天井が高い場合には何もないと間が抜けた空間となってしまうため、ペンダント照明でアクセントを与えることもできますが、一方で印象的な吊収納をアレンジすることで、更に洗練されたインテリアとなります。
吊収納の場合、基本的には目線より高い位置の収納となるので、普段使いのものを飾ることができるのは一番下の段となります。
それより上段に置くモノは、「使うもの」ではなく「ディスプレイ」として飾るという意識で、絵皿やガラス瓶などを中心にしましょう。
そして、この場合も同じシリーズのモノをまとめて飾ったり、色を統一したり、余白をとって並べる間隔を均等にしたり、バランスをとることが大切です。
ツル系の植物などを間に入れてみるのも効果的です。
そして、吊収納の下端にグラスホルダーやカップホルダーをつけるのも、インテリアのアクセントと実用性を兼ね備えたアイデアです。
いずれにせよ、お皿やグラスを魅せる場合には、それが魅せるに値するモノかどうかという部分も非常に大切です。
「高価なものかどうか」ではなく、見ていて落ち着くモノ・気に入っているモノかどうかという基準で、今ある食器たちを一度見直してみてください。
そうすることで、今本当に必要なものが何かが見えてきて、余計なモノを手放してお気に入りのもの、本当に必要なものを考えるきっかけになれば、と考えます。
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