奥深き「オーダーキッチン」の世界 ~その14~
2020.6.15
これから新築やリフォームを考えている方は、キッチンをどのようなものにしたら良いのか悩まれている人も多いかも知れません。
家具蔵のキッチンブログ「奥深きオーダーキッチンの世界」では、これまで様々な媒体で取り上げてきたケース・スタディを改めて振り返りながら、木のキッチンを実現された様々な方のプランと隠れたエピソードなども交えてご紹介してきました。
前回は、ハウスメーカーで新築をされ、インテリアコーディネーターと一緒に考えながら、家具蔵のキッチンスペシャリストによる提案を含めて、念願のオープンキッチンを実現されたご家族の素敵な実例をご紹介しました。
オープンキッチンのお手本とも言えるような、解放感とインテリア性のある木のキッチンには憧れる人も多いでしょう。
さて、今回ご紹介するのは…。
キッチンのリフォームに際して、思い切った発想の転換によるプラン変更を行い、キッチンの様子を激変させたことにより、家で過ごす家族の時間が大きく変わったという、木のキッチンプランニングのお話です。
リフォームでキッチンを我が家の特等席に
約30年前に建築家に設計を依頼し大切に手を入れながら過ごしてきた愛着のあるお住まいを、ご家族の現在のライフスタイルに合わせて大幅にリフォームすることになったI様。
新しい間取りを考える上での大きな悩みの一つは、キッチンの位置だったそうです。
それまでのキッチンは家の北側に位置した暗い場所にありました。
加えて、シンクやコンロの配置から、キッチンに立つ人にとっては、家族に背を向けて作業をしなくてはならなかった、という不満もあったキッチンでした。
それに対し、家の中で南側に配置されていた寝室は、日中全く使われていない状況にあったそうです。
そして、その場所を入れ替えるという大胆な発想を実現する事になります。
キッチンの位置を変更することは、配管スペースの確保や、キッチンからダイニング、リビングに至るまでの動線やコミュニケーション上の関わりを整理し直さなければならないので簡単な事ではありません。
しかし、そうすることで
「今度はなんとしてもキッチンを明るく、家族とのつながりも感じられる楽しい場所にしたかった」
という強いご希望を元に、何度もプランを検討されたということでした。
敷地は南傾斜の高台にあり、窓の外には素晴らしい眺望が開けています。
南側のそれまで寝室であった場所にはダイニングをとり、隣にオープンにつながる対面キッチンを配置することで、キッチンで作業する人にとっても景色の拡がりを感じながら、家族と会話ができるスペースとなりました。
さらにキッチン内部の天井に「天窓」を設けることで、南側のダイニングスペースからは少し奥まった位置でもあるキッチン内部に、一日中爽やかな自然光が降り注ぎます。
こうしてI様のキッチンは陽光に満ち溢れた気持ちの良い「我が家の特等席」になりました。
「キッチンスペシャリストでもある家具蔵のスタッフの方が、とても丁寧に無垢材キッチンの使い勝手だけではなく、そこからの視線や動線まで考慮しプランニングしてくれて、安心してお任せることができました。またキッチンだけでなくダイニングやリビングなど、空間全体の家具の相談にも乗っていただけたので、とても統一感のあるインテリアになったのだと思います。思い切ってリフォームをして本当によかった!」
と奥様は振り返ります。
室内には今回のリフォームに際して様々なアイデアを出されたというご主人様が収集されている小物や美術品がセンスよく飾られ、それらもまた住まいの居心地を高めるファクターとなっています。
ダイニングスペースの窓際に配置されたオーダー収納家具は、造り付けではなく敢えて「置き家具」にすることで可変性を持たせながら「抜け感」を出し、造作家具で出すことが難しい無垢材ならではの質感と細やかなディテールの上質感を出すことで、空間のアクセントとなっています。
無垢材アイランドキッチンカウンターの対面部分の下部収納(ディスプレイスペース)も含めて「見せる」「隠す」のバランスが考えられた、木のインテリアの参考になりそうな素敵なキッチンが完成しました。
天井に半分見えている天窓。
木の枠で囲まれたシンプルな造形なので一見すると照明器具のような印象です。
キッチン全体の面材はナラ材ですが、ライン状の取手をウォールナット材にしたことで、アクセントとなっています。
また、これには汚れが目立ちにくいというメリットも。
引き戸の吊棚の下には、LED照明をすっきりとビルトインさせ、手元の作業を明るく照らしてくれます。
無垢材カウンター下収納は引出しとオープン棚の組み合わせにすることで、実用的な隠す収納と見せる収納=飾り棚を兼ねたものとなり、全体をより軽やかに見せてくれます。
ダイニングの隣はオーダー収納家具を挟んで広がる明るいリビングルーム。
ご家族が食後に寛ぐソファコーナーとして利用されるスペースは、たっぷりの自然光が降り注ぐ気持の良い空間となっています。
無垢材ソファの「ソファ ダン」、ヌメ革が印象的に使われ抜群の座り心地を生む、無垢材リビングチェア「LDアームチェアデュオ」、無垢材ソファテーブル「ダン」を組み合わせています。
デュオとソファテーブルは移動も簡単なので、寛ぎのスタイルによって様々にフォーメーションさせて多様な配置を楽しむ事が出来ます。
関連する記事
最近の投稿
- 姿勢の改善にはチェア選びから 2024年11月22日
- チェリー材の家具を選ぶ際には“ここ”を見る 2024年11月20日
- “重たく見えない”無垢材家具の取り入れかたとは? 2024年11月18日
- “サステナブルな”家具選びとは? 2024年11月16日
- 年末年始営業と価格改定のお知らせ 2024年11月14日
- ダイニングテーブルの高さの「標準」と「適切な高さ」は違う? 2024年11月12日
- リビングテーブルは使い方や空間に合わせて選ぶ 2024年11月10日
- “一脚あると便利”なスツールはこう使う! 2024年11月8日
- ダイニングセットを購入するなら“椅子から選ぶ”その理由とは? 2024年11月6日
- キッチン収納 “スライドレール“の違いや構造とは? 2024年11月4日
カテゴリー
- 家具の選び方・置き方 (1,574)
- インテリア&住宅情報 (639)
- 人と木と文化 (397)
- ニュース&インフォメーション (440)
- オーダーキッチン関連 (406)
- 一枚板関連 (635)
- オーダー収納関連 (617)