多様なキッチンスタイル「本当に使い易い」のは?
2023.6.13
目次
いわゆるLDKスタイルが一般的になっていくにつれて、キッチンは単なる食事を準備するための設備ではなくなってきています。
本来の機能や存在目的に加え、インテリア性もますます求められるようになり、また、LD空間の収納機能を補完するような役割も与えられるようになった結果、キッチンの選択肢は非常に多様になりました。
火や水を扱う場所ですからキッチンには安全性や耐久性が求められてしかるべきです。
さらには機能性、つまり使い心地が良くなければいけません。
同時にクローズドスペースではなくLDに付随するオープンスペースとして使用するからには、周囲の空間と親和性のある質感や佇まいが求められます。
キッチンをプランする場合、単に「設備を考える」というだけではなく暮らしの中心としてLDK空間全体で考えることが大切です。
百花繚乱のキッチンスタイル。本当に使い易いものはどれなのか
家具や建具など住まいに関するものは総じてそういった面はありますが、キッチンも実際に使用する設備、という側面は絶対的に欠かせない視点です。
見た目だけではない、自身の暮らしに合っていて、且つ基本的な性能をしっかり満たしているものを選ぶことが日々のクオリティを上げることに直結します。
百花繚乱ともいえるキッチンスタイルですが、本当に使い易いものはどれなのか、を見極めて選ぶ必要があります。
それぞれの代表的なスタイルからその特徴を確認し、今後のキッチンプラン確率の手掛かりとしましょう。
アイランドキッチンはスタイリッシュでコミュニケーション性が高い
「アイランドキッチン」は、キッチン本体が、まるで海に浮かぶ島のように左右を空けた状態で空間に配置されたスタイルです。
オープンタイプのキッチンの代表格とも言えます。
キッチンの周囲は壁に接していないスペースであり、回遊できるので誰もが調理や片付けに参加できます。
LDとの一体感とコミュニケーション性は最も高いタイプといえるでしょう。
ただしキッチン廻りにはある程度のスペースが必要です。
広さやゆとりのある空間向きと言えます。
また、アイランドキッチンは多くの場合キッチンのワークトップとLD側のカウンター部の高さは同じで隠れる部分がありません。
乱雑に見えてしまうことは避けたいので、都度の整理整頓は重要です。
壁や仕切りが無いことで臭いの拡散や汚れや油分の飛散もありえます。
解消方法としては高性能のレンジフードを選ぶことや、汚れが拡散しないように加熱機器の奥(前)にパネルを立てる方法がありますが、誰もが憧れるアイランドキッチンは、日常を営む上ではじつは意外とハードルが高いものとなる可能性もあります。
ペニンシュラキッチンは省スペースと機能性
対面型のキッチンではアイランドスタイルと双璧と言ってもよい「ペニンシュラキッチン」。
アイランドキッチンの左右の一端が壁に付いたスタイルで、壁面から突き出たキッチンが半島のように見えることからこのように呼ばれます。
この後に説明するI型キッチンをLD側に向けたうえでその前面に腰壁を取り付けるスタイルも含め、ペニンシュラスタイルと総称されることがあります。
対面式キッチンを選択するうえでは国内の住宅事情を鑑みるに省スペースになる為、オープンスタイルのキッチンで最も採用されるスタイルです。
アイランド・ペニンシュラ双方に言える点は、キッチン前面を有効に使用できる点です。
カウンタートップを軽食用のスペースとしても良いですし、全面が収納になっているものはダイニングスペースの収納省スペース化を図ることができる一方で、壁と接する面には必ず「行き止まり」が生まれます。
冷蔵庫や食器棚との位置関係、動線には注意が必要です。
一方で、壁付けとなっている場所に加熱機器を取り付けることになる(そしてその前が壁になっていることも多い)ことは油ハネや汚れの飛散を軽減できることにも繋がります。
アイランドスタイルではそのスタイルの選択が難しいキッチン上部の吊り戸棚も付けやすいことは収納性の上でもメリットです。
キッチンに家具のようなインテリア性を求めるのであればアイランドスタイル、使い勝手や省スペース性などを求めるならペニンシュラスタイルが有益かもしれません。
I型キッチンは汎用性に優れる
I型キッチンはキッチンにおけるもっともスタンダードなものであり、キッチンの長辺が壁に面した状態でシンク・調理スペース・加熱機器が一列に並んでいる作業性に優れたスタイルです。
平行移動で効率の良い作業ができるのは使い勝手の上で大きなメリットです。
LDと同一空間にキッチンがある場合でも背中を向ける状態でキッチンを取り付けるケースと、キッチンをLD側に向けてその前に腰壁を配するケース、いわゆるセミオープンスタイルがあります。
キッチンの前、丁度シンクの前あたりに窓を取り付けることも多く、外の景色や光を感じながら作業をする事ができます。
また、キッチンのワークトップより高さのある腰壁と接するケース(セミオープン)では、LDから手元が見えにくいので片づけに追われなくて済むのもストレス軽減になるでしょう。
どのような空間にも納まり易く、使う人を選ばない汎用性の高いタイプがI型キッチンといえます。
L型キッチンはコーナー部をいかに活かすかが肝
L型キッチンはシンク及び調理スペースとコンロ部分がL字型で向かい合う形をしたキッチンです。
I型キッチンに比べるとコーナー部分が活かせることで作業スペースは広くなります。
反面、コーナー部の下部収納については、特殊な金物や棚を使用したとしても使い勝手に制約が出ることも多く、使用頻度が低いもの専用の収納になりがちな点は、あらゆるケースにおいて言及される点となります。
ワークスペースと収納部において、このコーナーを活かせるように計画するのがL型キッチンの重要ポイントです。
キッチンはインテリアであると同時に様々な配線なども絡むために、そう簡単に変更はできません。
将来のリフォームの際に再考することは可能ですが、レイアウトを変えることは費用もかさみ、また、それ自体が実現しない可能性もあります。
そう考えるとやはり最初が肝心です。
また、周囲の収納、例えばキッチンボードとのコンビネーションも重要になります。
見た目だけではなく、機能性、耐久性、素材、メンテナンス性もとても大切なポイントです。
キッチンプランでお悩みの際にはキッチンスタジオ併設の家具蔵までお気軽にご相談ください。
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