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キッチンのワークトップ選びの正解は?

2023.11.18

 

 

現代の住まいでは、キッチンは設備でありながらもリビングダイニングを彩る重要な一部として、そのインテリア性も重視されるようになりました。

それに伴ってキッチンのデザインや素材についても様々な選択肢が増え、機能と合わせてキッチンを選ぶ、あるいは作る際にはそのコーディネートも楽しみのひとつになっています。

とりわけキッチンのワークトップ、つまり天板についてはその面積も大きく、何を選ぶかによって空間全体の印象も大きく変わります。

また、毎日使う作業台ともなれば、気になるのは意匠性だけでなく、その機能性です。

ワークトップに使われる素材についてはそれぞれに特徴や利点があり、どのようなものを選ぶかが暮らしやすさや見栄えに直結します。

下図はその一覧です。

これを基に解説を加えていきましょう。

 

 

定番且つコストパフォーマンスに優れるステンレス


 

 

キッチンが流し台と呼ばれた時代からセクショナルキッチン、そしてシステムキッチンと進化を遂げる中でずっと定番として不動の地位を築いているのがステンレスです。

その加工性の良さから来るコストパフォーマンスと耐久性、掃除のしやすさなども選ばれ続ける理由となっています。

そして、その性能や製法も時代と共に少しずつ進化しています。

キズが目立ちにくいエンボス加工、煌びやかな印象のヘアライン仕上げ、表面にスクラッチ加工を施したバイブレーション仕上げなど同じ素材でもその加工方法で印象も大きく変わります。

さらにその厚みにも様々な違いが見てとれます。

通常の曲げ加工で見付(天板の厚みの部分)を作るものの他にも、5ミリ程度の無垢のステンレス材をそのままの厚みで使うというもの、ホットバイブレーションといって溶鉱炉から出した後に自然冷却をしたモノを表面を削ることなくコーティングしたステンレスを使ったワークトップなど、その意匠性は本当に多種多様です。

耐久性・耐水性・耐熱性というキッチンに欠かせない要素をくまなく満たし、医療現場などにも使われるという衛生性も食を扱う場に相応しいといえるでしょう。

ステンレスシンクともシームレスで合わせることができるのでメンテナンス性にも優れています。

分割したものを現場で溶接することができないので大きなサイズとなると搬入の面でややリスクが出ますが、コストパフォーマンスを求める人、毎日使う場所だから細かい事を気にせずに使いたいという人にお勧めの「不動の定番」です。

 

色柄が豊富で利便性も高い人工大理石


 

 

ステンレスと双璧を成すのがこの「人工大理石(人大)」。

初めのころはアクリル樹脂ではなくポリエステル樹脂のものが主流で割れやすく、黄ばみやすいといったデメリットから敬遠する人もいました。

現在ではそのほとんどがアクリル樹脂を基材として作られており、このような弱点も解消されたうえで大理石のような意匠性を持ちながら価格は本物のよりも抑えることができるという理由から、広く普及しています。

「大理石」という名前ではありますが石の成分は入っておらず、よく混同される人造大理石とは全く異なる素材です。高級感がある意匠性とカラーバリエーションの豊富さなどからメーカーも多く、日本だけでなく中国・韓国のメーカーの商品も今では多く流通しています。

単色だけではなく石目調・砂目調・マーブルなどその色柄も豊富であり、現場でジョイントさせてもその継ぎ目がほとんど分からないといった点も人大の大きな特徴です。

大きな面積であっても小分けで搬入して現場で剥ぎ合わせることが可能なことから奥行のあるアイランドキッチンやL型・コの字型のワークトップでもきれいな仕上がりになる点は見逃せない部分です。

クォーツやセラミックと比べてもコストパフォーマンスがよく、汚れてもメンテナンスが簡単なこと、そしてシンクも人大であればジョイントに目地が入らずお手入れもしやすくなります。

ただ、アクリル樹脂は他の素材と比べて柔らかいため、傷が付きやすい点は要注意です。

美しい状態を保持させるなら傷や汚れが目立ちにくい柄を選ぶ、あるいは小まめに手入れを行うなどの工夫も必要でしょう。

 

石の表情を楽しみながらメンテナンス性に優れるクォーツ


 

 

天然石には憧れるが、普段の使い勝手やメンテナンス性も重視したいという方にお勧めなのがクォーツと呼ばれる人造石カウンターです。

石英や水晶などの天然石90%以上をベースに数パーセントの樹脂を混ぜることで耐水性・防汚性を高めているため、石の表情を楽しみながらもメンテナンスはとても手軽になります。

3メートル以上の長さでなければ1枚もので製作することも可能ですが、搬入経路や搬入時の重量を考慮すると現場でのジョイント加工を必要とすることも多く、こちらは人大のように現場でジョイントをシームレスに繋ぐことができないため、この点は意外と重要になります。

同時に価格も人大やステンレスと比較すると高額になることも多く、熱にはあまり強くない為、加熱直後の鍋をそのまま直置きするような使い方には向かないこともあり、上記2つの素材と比べた際には使い方にやや気を遣う素材ともいえます。

 

近年人気のセラミックは硬く傷が付きにくい


 

 

ここ数年で雑誌やモデルルームなどでも見かけることが多くなったのがセラミックカウンターです。

色だけでなくその表面のテクスチャー(凹凸感)が、今までのキッチンになかった素材感・高級感を演出してくれます。

また、セラミック=焼き物であることから熱にとても強く、短時間であれば火から下した鍋をそのまま置いても問題はないほどです。

また、硬さも金属よりも硬いのでキズが付きにくいというのも優位性で、耐熱性と硬さは明らかに他の素材との差別化となる特徴です。

ただ、そのメリットの裏返しとして柔軟性に欠けるため、衝撃が加わった際には割れる可能性も高いということも頭に入れておいた方が良いポイントです。

また、セラミックカウンターの場合、その表面の石目柄はプリントしたものです。

そのため、エッジの部分などには柄が入らない=天板の見付(厚み)の部分などには柄が入らないことも留意点でしょう。

 

 

他にも天然石・タイル・メラミン、無垢材(ウッド)・モルタル・モールテックスなど、これまで挙げた代表的な素材の他にもキッチンのワークトップには様々な選択肢があります。

耐久性や汚れやすさ、水仕舞いや手入れの容易性などからそれぞれの素材の特徴を知ったうえで自身の暮らしと空間にはどの素材が合うのかを考えていきましょう。

 

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