家具蔵 の提案する無垢材キッチン ~タイプ別・木のキッチン製作実例紹介~ その5
2023.11.25
目次
最近では住まいの新築やリフォームを計画する際に、「リビング」や「ダイニング」のように最も人が多く集まり、長い時間を過ごすことが想定される場所と同じように、「キッチン」の重要性も高まっています。
キッチンをどのような空間にしたいか、そしてどのように過ごしたいか、キッチンの「インテリア」までを含めて家づくり全体を考えることも多くなりました。
それは、キッチンが単なる機能ばかりを優先する「調理の場」としてだけではなく、リビングやダイニングと同じように、そこで人が心地よく過ごせる空間であることが求められるようになったからに他なりません。
キッチンにもリビングやダイニングの家具と同様に時間とともに深みを増す本物の素材を使い、 腕の良い家具職人が丁寧に作るものを。
木のキッチン・無垢材のキッチンは、しっくりと手に馴染み、空間に美しく溶け込む「生活の道具」となります。家具蔵の木のキッチン製作実例紹介として「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプの概略とその応用をご紹介します。
家具蔵のキッチンは「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」から選ぶ
私ども家具蔵では木のキッチンをプランニングする際に「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプから選択することが可能です。
お客様ごとにどちらのタイプをベースにすることが相応しいのか、どちらであればよりスムーズにプランの実現が可能であるか、を考慮しながら計画をする必要があります。
ベーシックタイプでは、横幅・奥行・引出しや扉・設備機器の並び方など、デザインに一定の決まりがある中からの選択となります。
そうすることで価格を抑えることも可能となり、また一方ではキッチンの使い勝手やデザインに普遍的な機能性、バランスの良い美しさが担保されたものとなります。
一方、オーダータイプではキッチン本体のサイズはもちろん、L型や二列型といった構成の根本的な部分から使用する機器やその配置、素材のセレクトまで全てを自由にデザインすることができます。
価格はベーシックタイプと比較すると高額となりますが、いわゆる高級オーダーキッチンメーカーと比較すれば安価であり、そのうえで本当に満足できる木のキッチンを計画したいという方には魅力的なものとなっています。
そして、上記の2つのタイプは基本的にどちらかを当てはめて計画する必要がありますが、内容によっては2つを組み合わせてプランニングをすることで、実現の可能性が拡がる場合もあります。
これからご紹介するいくつかのケースでは、どのタイプをベースにしているかも併せて表記しています。
これからキッチンを計画される方の参考になれば幸いです。
CASE 5 フラットなアイランドキッチンで正解(S邸 /愛媛県 田辺市)
【フルオーダータイプ】
家の新築に際してキッチンだけではなく家の間取り全体の配置計画に悩んでいた時に偶然立ち寄った家具蔵表参道店。その出会いから東京と和歌山を結ぶ木のキッチンと住まいづくりの物語は始まります。
和歌山県の南紀白浜から程近い、遠く海を見渡す高台の一角に新築されたS様のお住まい。
昔から自分の好きなインテリアに囲まれた暮らしへの憧れがあったという奥様。
東京に住むお嬢様のもとを訪れて一緒に家具でも見ようかと表参道界隈を散策し、偶然に家具蔵に入ったことからすべてがスタートしました。
その品質の高さやスタッフの親切な対応に安心した奥様は、そこから自然にご自宅の新築全般に関するお話をするなかでキッチンを含めた家具や新居のトータルインテリアの提案を受けるようになります。
家具蔵のトータルインテリアのサポートサービスの頼もしさ
それまで工務店に任せて進めていた間取りではいろいろと思うところも多かったという奥様は、家具蔵のスタッフに家具選びの一貫としてキッチンも含めたプランの相談をすることになりました。
通常、「注文住宅」といわれるジャンルの家づくりでは、プランや設備の選定から始まって、床や壁の素材や色合いの選択を含むインテリアエレメント全てについて細かく施主の意見が求められますが、その自由度ゆえに「本当にこれで良いのか」と悩むことも少なくありません。
よく言われることでもありますが、様々な家具や照明、カーテンとのバランスまでトータルであれこれと考える事は意外と難しい作業でもあります。
小規模な工務店に工事を依頼したこともあり、「専属のインテリアコーディネーターが付かない私たちの家づくりにとって、家具蔵のトータルインテリアのサポートサービスはとても頼りになりました」とは奥様の談です。
担当した建築士の資格を持つスタッフは事前に何度も現場に入りながら、工務店の設計士、現場監督と協力して無垢材キッチンや造り付けのオーダー収納家具を的確に取り付ける段取りを組みました。
東京と和歌山という距離に関してもしっかりとしたサポートにより不安は無かったとのこと。
「家の完成が近くなり、いよいよ家具が届くという日の前は、もうすぐあの無垢材家具とオーダーキッチンに会える!と楽しみでなりませんでした。家づくりの最初の時期から考えると相当長い時間と労力が掛かっていますが、もちろん待った甲斐があったと思っています。新しい家、新しい家具とキッチンと過ごせる今は、本当に夢のような毎日です」 と嬉しそうにお話される奥様の笑顔がとても印象的でした。
フルフラットのアイランドキッチンを選ぶメリット
いわゆる「対面キッチン」「アイランドキッチン」「ペニンシュラキッチン」というカテゴリーが採用されるケースはとても多いと思われますが、細かいデザインを考えるときに「フルフラットか」「手元が少し隠れるような立ち上がりのあるデザインか」という選択は意外と悩ましいポイントのひとつとなります。
S様も当初は手元を隠す立ち上がりを想定していました。
自宅でピアノ教室を開かれていて、レッスン後に生徒さんたちとキッチンまわりでお喋りをすることも楽しみのひとつであるというS様にとっては、大きなテーブルを囲むように皆と対面できるフルフラットのアイランドが相応しいということになり、途中からプランを変更しました。
間取りに対してのサイズ、調理の動線なども考慮したアイランドキッチンに奥様は
「うちにはこのスタイルが大正解でした!」
と大変満足されているとのことです。
奥様曰く、この家を訪れるお客様は、なぜかこの無垢材キッチンカウンターの前に居ついてしまうそうです。
このアイランドキッチンのデザインをよくみると、対面側(カウンターチェアを配置する場所)に、しっかりと「足置き」があることがわかります。
システムキッチン等ではこのようなデザインは無いことも多く、カウンターチェアに座った人はその足をチェア自体に引っ掛けるしかありません。
そうすると姿勢が固定されてしまうため、通常のダイニングチェアに座った時のようなリラックスした姿勢はとりにくいことが考えられます。
そして、ゆったりとした幅と奥行きのあるカウンタートップは清潔感と高級感のある人工水晶(クオーツ)の素材が選択され、そこにはステンレスのような冷たさもありません。
キッチンというスペースではありますが、そこにあるのは無垢のチェリー材でつくられた家具のようなキャビネットであることからも、カウンターチェアに座った人とキッチンに立って調理する人の両方がリラックスできる空間です。
まるでリビングに居るような楽しい会話が弾むのかも知れません。
多種多様な「無垢材」が適材適所に使われたキッチンとダイニングの位置関係。
チェリーとウォールナットのコントラストが美しいアクセントとしてヒノキの明るい床材に映えています。
写真左側にはゆったりとしたリビングスペースが拡がります。
無垢材テーブルを中心にレイアウトされたダイニングはリビングと一体でありながら適度に壁に囲まれ、程よい距離感と落ち着きを見せてくれる空間です。
「それぞれ違うことをしていても気にならないのがいい」という家族の団欒スペースになっています。
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