国内キッチンと海外キッチンの違いとは?
2024.6.2
日本のキッチンは古くは「台所」と呼ばれ、家の中でも北側の土間に位置することがほとんどでした。
つまり「家の端っこ」にあったのです(もちろんそのことでのメリットや必要性もあってのことですが)。
幕末からの近代化とともに徐々にその姿や考え方も変わり、今では海外と同じように家の中心・暮らしの真ん中にキッチンを設えることが多くなってきました。
ただキッチンに対する考え方は日本と海外では大きく異なると言ってよいでしょう。
日本ではキッチンはあくまで住宅に付帯している設備ですが、海外では家具などと同じく「そこに住む人が取り付けるもの」という認識であり、いわば「その在り方」が異なります。
今回はその部分にもう一歩踏み込んで、国内メーカーのキッチンと海外メーカーのそれにどういった違いがあるかを、細かいポイントに分けて見ていきます。
「高さ」の比較
キッチンのワークトップの高さはダイニングテーブル等と同じで、海外のものの方が比較的高めに作られています。
これは日本人と海外の人との体格の違いの他に「家の中で靴を履く暮らしかそうでないか」という部分が大きく関わっています。
この文化の違いが暮らしの道具であるキッチンやダイニングテーブルとダイニングチェアの高さなどにも影響しているのです。
その他にも空間自体の広さや天井の高さが異なるなどの物理的な違いもキッチンの高さに影響を及ぼしている原因です。
日本ではキッチンのワークトップの適正な高さの基準は「身長÷2+5センチ」と言われ、身長160センチの人であれば85センチの高さ、ということになり、それが標準的な仕様にもなっています。
しかし、細かく言うのであればクックトップをガスコンロにするかIHヒーターにするかで鍋を置いた際の高さも変わります。
ワークトップで作業をする際にも、少し低いくらいの方が上から力を入れやすくなるようなものもあるでしょう。
日本のシステムキッチンメーカーでは、ワークトップの高さを80・85・90センチと選択できるメーカーも多く、ハイクラスのものであればもう少し細かく高さの設定もできます。
オーダーキッチンの場合はミリ単位での調整も可能です。
一方で海外のキッチンを見てみると多くのメーカーが1センチ単位でオーダーできることが多いようです。
ドイツではキッチンの高さの基準を、肘を90度に曲げた状態でワークトップまでの距離が「15センチ」としています。
キッチンのワークトップの高さの適正値は「誰がキッチンを使うか」によっても変わります。
その点を見極めて選びたいところです。
シンクの違い
日本では水切りがしやすく、作業面の拡張も可能な「ステップシンク」も人気があります。
シンクにある程度の深さを設け、それを利用して水切り板を置き、その上にワークトップと同じ高さになるようにまな板などを置くことができるのはキッチンでの作業効率を高める工夫として魅力的です。
日本の住まいではどうしてもキッチンの広さが限られます。
そこで横方向ではなく、高さを利用して使い勝手を良くさせたということです。
逆に海外では高さではなく横方向に目を向けた使いやすさを追求しています。
シンクを2つ設け、食器洗浄用・食品洗浄用に分けているのもよく見かけるものです。
食を扱うキッチンは何よりも衛生的であることが求められるため、事情が許すのであれば日本の住まいでもダブルシンクを選択するのは大変有益といえます。
海外ではダブルシンクを採用するにあたって、片側のシンクの排水にディスポーザーをつけていることも多く見られます。
野菜くずなどを排水部分で粉砕して排水と一緒に流してしまえるこの仕組みは国内においても最近よく目にしますが、新たに導入する場合は自治体や建物によっては設置できない場合も多いので検討する場合には下調べが必要です。
オーブンは海外ではビルトインが一般的
日本でもオーブンをキッチンにビルトインさせている家庭もありますが、海外と比べた際に普及率はそこまでではありません。
日本の場合、ガスコンロやIHヒーターで調理することが多く、その下準備や同時使用で電子レンジやオーブンレンジを使うことはあっても、ビルトインオーブンはキッチンに日用不可欠な設備とまではいかないようです。
逆に海外では自宅にゲストを招いて食事をする機会も多いせいか、日常の調理にもオーブンは欠かせない設備となっており、ビルトインは半ば一般的ともなっています。
日本の置き型のオーブンレンジと異なり、ビルトインガスオーブンの場合は庫内も広く火力も強いため、短時間でより多くの調理が可能です。
また、日本ではガスオーブンとなると基本的にガスコンロの下に配置されることが多いですが、都度屈んだ状態で使用することになるのでその動作を億劫に感じてしまい、徐々に使わなくなってしまったという話もよく耳にします。
海外でもオーブンをガスコンロの下に設置する場合もありますが、最近では「ウォールオーブン」といって腰高や目線の高さにビルトインできる電気オーブンが主流になりつつあります。
ガスではなく電気を使用したオーブンもあります。
200Vと電圧が高いことで火力も強く機能性も高いので、特にオーダーキッチンの場合は日本でも背面収納に導入する人が増えています。
海外の食洗器が大きい理由
日本でも導入する人が増えている食洗機は、日本よりも水資源が貴重な海外においてはその導入率はさらに高くなります。
節水のメリットはもちろんのこと、暮らしの中の家事時間を節約するためにも食洗機はこれからもさらに需要が増える機器だと言えるでしょう。
日本の場合は幅45センチ・幅60センチからサイズを選ぶことが一般的で、この多くは設置スペースの大きさによるものです。
海外では幅60センチのものが基本ですが、これは暮らしのスタイルの違いも理由の一つです。
一日分の食器を夜間の電気代が安い時間にまとめて洗うために、あるいはゲストを招く機会が多い=使用する食器が多いことから大型のものが必要になります。
日本でもキッチンスペースは次第に大きくなってきているので、広いキッチンを導入できるのであれば60センチサイズのものを選ぶ方が節電・節水の面からも有益となるでしょう。
このように、機器や仕様についても海外と日本でキッチンは少しずつ異なります。
ライフスタイルや家族構成などキッチンを使う人々によってもまた変わるでしょう。
家具がそうであるように、暮らし方に合ったキッチンを選ぶことで毎日の暮らしの質も向上します。
ご新築やリフォームの際には、いろいろな角度からキッチンを見つめ直してみてください。
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