壁付けキッチンと対面キッチン、我が家に合うのはどちらか?
2024.1.20
目次
壁付けキッチンと対面キッチン
キッチンは毎日の糧となる食事を作る大事な場所です。
いまやその役割はそれだけに留まらず、家族や来客との重要なコミュニケーションツールとしても存在感を発揮しています。
その証拠に昔は家の一番端(これにも相応の理由はありますが)にあり、あるいは壁で仕切られた一つの空間として独立性を持たせていたことも多かった「台所」は、いまや住まいの顔であるLDの中心に添えられること珍しくなくなってきました。
キッチン自体はどのような形態の住居においても「設備」としてほぼ必須で備え付けられているものですが、この配置には様々な指向と形態があります。
様々なキッチンがあるなかで、大別すると壁を向いて設置されている「壁付けキッチン」か、いくつかのバリエーションはあるものの作業を行う人とそれ以外の人が正対できる「対面キッチン」に分けることが可能です。
それぞれの特徴は?
壁付けキッチンとはその名の通り「壁にキッチンの長辺片側が接する形に配置するキッチン」です。
キッチン自体が部屋として独立したクローズドタイプ、ダイニングと繋がっている、つまりLD側に背中を向けての作業にはなるが間続きであるオープンタイプの2種に大別されます。
対面キッチンとは壁付けキッチンと異なり、長辺は壁に接することはなく、キッチンを挟んで人と人が対面できることを可能にするキッチンです。
四辺のどこも壁に接することがない対面式のキッチンは「アイランドキッチン」、短辺の片側を壁面に接して配置したものは「ペニンシュラキッチン」と呼ばれます。
壁付けと対面のそれぞれの普及の歴史
現在の日本の住まいでは、その多くがリビングダイニングとキッチンをひとつの空間にまとめていることが多く見られます。
いわゆるシステムキッチンが普及したのは公団住宅をはじめとした集合住宅が増加したのと同じタイミングであり、その大部分は壁面に備え付けられ、壁に向いて作業を行う「壁付けキッチン」でした。
上水道の使用・排水や排気・ガスの供給などで壁面に備え付けられていることが効率的であったことも関係しているでしょう。
壁付けキッチンは住宅の形状を問わず広く一般化し、現在でも少なくないニーズと供給が行われています。
一方、対面キッチンの一般家庭への浸透は集合住宅における「第5次マンションブーム(1986~1989年)」以降にあると言われています。
それまでも国内において対面キッチンが一般の住まいに無かったわけではありませんが、インテリアデザインへのこだわりが大きく一般化するのと、「住宅供給」というビジネスの中で多くの部屋数を提供するためには無駄のない間取りを実現させるための策がそれを後押ししたかたちです。
「キッチンは隠す場所」という意識が一般的である(これはある程度築年数を経たマンションなどを見ると明らかで、吊戸棚や造作壁でキッチンを覆いLD側から見えにくいように配慮されていたことがうかがえます)状況は徐々に変化をしながら戸建においてもファミリータイプの2LDK~3LDKのマンションでも、対面式(主にペニンシュラ)のキッチンを配した間取りを多く見かけるようになりました。
それぞれのメリットを確認する
実際にどちらが便利か、という点については様々な意見があり、いわば「使う人の事情や感性による」とも言えます。
壁付けキッチンは「限られた空間を活かすことが可能」「壁面を向いての作業となるため、集中して作業に取り組むことができる」「窓と正対する、あるいは近くにあることも多く手元が明るい」といった面をメリットとして挙げる声が多く聞かれます。
あるいはオープンタイプの壁付けキッチンであればキッチンの背面にダイニングテーブルを配置することも多く、食事の用意などは動線が短くできる(振り返るだけ)ということもあります。
クローズドタイプのキッチンはどうしても配膳の際の動線は長くなりますが、仕切られていることで音や匂いがリビングダイニングに届きにくい点をメリットとして考える人もいます。
対面式キッチンはどうしても広さが限られてしまう広国内の住宅事情においてLDKを無駄なく空間利用ができることにある点もさることながら、配膳・片付けといった作業をキッチンとダイニング(あるいはリビング)を往復せずにカウンターなどを挟んで行うことができるという家事動線における部分、そして常にLD側の相手が見える・会話ができるというコミュニケーションの円滑化を最大のメリットとして挙げる声も多くあります。
選択の際に気を付けることとは
一方で壁付けキッチンでは常に壁の方向を向いての作業となるため、ダイニングやリビングの方には視線が向かず、コミュニケーション性、あるいは家族や来客の様子を確認しづらいという点は多く指摘されることです。
あるいは特にオープンタイプの場合はダイニングテーブルに着座している人からキッチンの様子が丸見えとなるため、特に来客の際には気を使うことが多くなるかもしれません。
この問題を解決するには間取りや家具のレイアウトの工夫、あるいはキッチンとダイニング部の間にアイランドタイプのキッチンカウンターを用意する必要があります。
対面キッチンは窓が近くに無いことが多く手元が暗くなりがちです。
照明計画などにはしっかり配慮して使い勝手を損なわないようにしたいものです。
また、周囲が視野に入るため、料理に没頭したいという人には向かないかもしれません。
リビングダイニングに料理の臭いが向きやすいのも要注意です。
自身の暮らしのスタイルをよく考慮する
壁付けキッチン、対面キッチン、いずれの場合においてもその選択には一長一短があります。
やはり間取りと家族構成、ダイニングやキッチンでどのように過ごし暮らしたいかという点が重要でしょう。
自分の住まいや暮らしに合うキッチンの配置がわからない場合はプロに相談することをおすすめします。
私ども家具蔵では、知識や経験も豊富なスタッフに加え、キッチンスペシャリストや一級建築士なども在籍しており、様々な観点から最良のアドバイスを行うことができるはずです。
ぜひ、お気軽にお声がけください。
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