弓状に反った板座と、それに合わせるように外側に向けて大きく開いた4本の脚を持つ「SELLE」。何より座り心地に配慮した座面の形状は、両端に向かって馬具の鞍のように跳ね上がり、どの位置に着座しても自然と座面の中央に体を戻してくれます。 家具の部材としては使用しにくい小さな端材を何枚も接ぎ合わせ、一枚の板座を形成。脚は、先端に向かって中心に丸く絞り、さらに板座から下側に向かって「ハの字」状に接合することで、本体の大きさ以上の安定感を生み出しています。 端材さえも決して無駄にはせず、材料として生かしきり、ひとつの商品に仕上げてしまう技量と知恵。その根底には、職人の木への畏敬の思いがあります。職人の鋭い感性と卓越した木工技術なくしては、生まれなかったスツールです。
凸凹を感じさせない削り出しで、快適な座り心地を実現。
板座の木端面のひざ裏が当たる部分は、着座した時に体重が無理なく分散されるように、滑らかに削り出しています。凸凹を感じさせないように、座り心地への配慮が細部にまで行き届いたスツールの造形は、卓越した職人の技があればこそ可能となったものです。