苗床のような伸びしろがある家を
vol.04 ナラのダイニング・リビング 埼玉県 柴崎邸
植本計画デザイン
植本俊介さん
東京大学工学部建築学科卒業、同大学院都市工学修士課程修了後、 株式会社曽根幸一・環境設計研究所を経て独立。1998年に植本計画デザインを設立する。「東京建築士会」所属。「プロトハウス」登録建築家、他。
「非常に緻密な現代のモダン建築はすごくきれいで好きなのですが、少し窮屈さを感じるところがあります。 シンプルで、全体としてはゆったりとしていながら、ソファの置く位置や向きまで決め込まれてしまうことも多い。 でもそこで想定外のことが起きたらどうするんだろう、と。10年、20年と年月を経るにつれて、家族構成や住まい方だって変わってきますから。 逆に昔のような囲炉裏を囲んだ部屋と縁側があるだけ、みたいなざっくりとした空間のほうが、よっぽど居心地が良かったりするんです。 モダン建築にも、そういう懐というか、余白が必要なのではないでしょうか。 考え尽くすんじゃなくて、敢えて考えないところもあるというか。 苗床としての家の骨格だけはしっかりつくって、あとは自由に育てばいい。長く住んでいく家にするためにも、必要な部分だと思いますね」。この家を設計した植本俊介さんはこう語ります。









