古き良き日本の住宅に溶け込んで
vol.13 東京都 K邸
家族とともに長年暮らしてきて思い出がたくさんある大切な住まいを壊してしまうのではなく、より快適な暮らしのために必要な部分を見極め、そこに手を入れて新たな価値を生み出すのが「リフォーム」。
そのリフォームの中でも最も需要が多く、その真価が問われる部分はやはり水回りです。
K様はこれまで積み重ねてこられた日々の丁寧な暮らしの中で、日本人が昔より大切にしてきた美意識をなくさないこと、その中でも毎日の食事をきちんと作り、いただくための作業スペースであるキッチンの環境を整えたい、という気持ちを常に持っていたといいます。
しかし思い出がいっぱい詰まった「台所」の雰囲気はそのまま残したかったため、なじみが無いピカピカのシステムキッチンに変えるのはどうしても抵抗がありました。
そこでたくさんのキッチンをショールームで見る中で、日本の職人が造る無垢材キッチンという選択になったのは当然の帰結だったかもしれません。
「昔から優れた道具には用の美がありますよね。シンプルで無駄がなく、そして素材本来の質感が生きていること。当たり前の良さがちゃんとあるこの無垢材キッチンは私に合っていると思います。」
そう語るK様の「台所」には、豆を煮たり干物を焼いたりする美味しそうな匂いが、いつも漂っているような懐かしい暖かさがありました。
昔の良い雰囲気をなるべく残したいと、天井付近の吊棚はそのまま利用することにし、その下に新しくオーダーの無垢材吊棚と無垢材カウンターを設置することにしました。
無垢材キッチン本体のウォールナット材に対して、チェリー材にしたことで、深い赤褐色が良いアクセントになりました。
清潔感のあるステンレスと無着色・無垢材のウォールナットの質感は特に相性の良い組み合わせといえます。
引出の前板に使われている高樹齢の幅広材の木目のつながりも見所のひとつです。
さらに時間とともに時の色を重ね独特の味わいを醸し出してくれるので、将来も楽しみです。
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