表情豊かな木の家具が演出する
凛としたゆとりの佇まい

vol.14 ウォールナットのリビング・ダイニング 神奈川県 磯部邸

vol.14 ウォールナットのリビング・ダイニング 神奈川県 磯部邸

30年以上住んだ埼玉県の家を離れ、ご主人の通勤先に近い横浜のマンションを購入した磯部さんご夫婦。富士山を見渡す最上階の一室は、販売が始まる前から心に決めていたという。「この歳から住む家だからさ。妥協しないで、好きなものを選びたいじゃない」とご主人・仁司さん。家具にも迷いはなかった。雑誌で知った家具蔵の店に行き、重厚な存在感を放つウォールナットの天板をひと目見て即決した。「もう、出会っちゃったんだよね。木目の表情が美しくて、思わず触れてみたら、無垢の木ならではの力が伝わってきた。うちは何でも長く使うほうだから、どうせならいいものにしたいと思っていたし、自社工場の職人が作る家具だと聞いて『ここで全部揃えちゃおう』と決めました」。二人の娘さんが孫を連れて遊びに来るため、ダイニングテーブルはゆったりできるサイズを選び、チェアもアームとアームレスを2脚ずつのほか、予備にもう一脚、“Mチェア”を揃えた。10枚の無垢板を矢羽根状に接ぎ合わせた独創的なフォルムの“Mチェア”は、奥様・美恵子さんが選んだものだ。背板の接ぎ目を手のひらでさすりながら、「人の手でこんなにきれいに仕上げるなんて、本当にすごいわね」と、いとおしそうに微笑む美恵子さん。予備のチェアは、普段はダイニングの隅にある美恵子さん専用のテーブルに組み合わせている。窓際のスペースに合わせて特注し、空間を有効利用したものだ。「最初はね、埼玉の家が長かったものだから、新しい家だとホテルに泊まっているような感じがしたの。でもここを“マイ・スペース”にして、好きな花や娘たちの写真を飾ったら、リラックスできるようになりました」。仁司さんの定位置はリビングのソファ。ソファテーブルにお酒やおつまみを置き、テレビを見ながらゆっくりと寛ぐ。「リビングテーブルだとちょっと遠いから、手元に置けるソファテーブルはすごく便利なんだよ。これは酒飲みには絶対オススメ」とご満悦だ。リビングには、ご夫妻でハワイに行ったときの写真が飾られていた。「もうすぐ引退だから、家内とゆっくり世界旅行でもしたいね」と仁司さん。ご夫婦のあたたかな空気に包まれて、家具もおふたりと長年連れ添っていたかのような、落ち着いた雰囲気を漂わせていた。

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ウォールナットの家具で揃えたリビング・ダイニング。 6人掛けのダイニングテーブル、LDアームチェア“デュオ”を組み合わせたリビングなど、それぞれが自由にくつろげるゆったりとしたコーディネートは長年連れ添ったご夫婦ならでは。
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明るいフローリング材に対し、濃い色合いのウォールナットの家具を合わせることで、凛とした空間を演出している。リビングの奥のミドルボードには美恵子さんの器のコレクションを収納している。
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ベッドもウォールナットで統一。「カタログだけで選んだけど、満足です」と美恵子さん。
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窓際は奥様・美恵子さんの“マイスペース”。 思い出の品や大好きなお花などを飾りながら、ゆったりとした気分で明日への活力を充電するちょっと贅沢なスペース。
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ベテラン主婦の最大の腕の見せ所は、おいしい食事を演出すること。 大好きなMチェアやテーブルヴィンテージの無垢材の温もりが、愛情たっぷりの手料理の隠し味になっている。
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リビングに入る入口に佇む“Mチェア”。 奥様が感嘆した、背板の矢羽根状の困難な木組みをはじめ、モダンデザインの中に職人の確かな技が実感でき、独創性の中に椅子としての高い完成度を誇っている。

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